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25-1 跡継ぎちゃん誕生

 アントニオのオルストン伯爵家に赤ちゃんが誕生した。

 そろそろだろうと思って電話したら、まさに今朝生まれたばかりだったようだ。

 立派な男の子だそうな。

 無事に跡継ぎが出来たので、ますます御家は安泰だろう。


「えー、赤ちゃん見にいきたい~」

「あたちもー」


 ファルが大喜びでそう言うとレミも駄々をこねた。

 最近、いつもこれだ。


 他の連中も行きたそうな素振りだったが、そう我儘は言わなかった。

 特に初めからいるメンバーからするとレミは今でも赤ん坊のような気がしているので、しょうがないなと思っているのだ。

 ファルに至っては、ここで卵から生まれた子なのだし。


 正月前にアントニオのところへ御祝いを持っていく事にした。

 新年を迎えるのもあって、訪問客でごたごたする前に行こうと思ってな。

 そういやマルガリータさんにニールセンを倒した報告もしていなかった。

 御腹に赤ちゃんがいたので、余計な話は聞かせたくなかったのもある。


 その代償で俺があんなことになっていたので、余計に言い辛いムードもあったのだ。

 単に忙しかったのもあるんだが。


 赤ちゃんへの御祝いと、産後を迎えた御母さんへの御土産を持って訪ねてみる事にした。

 後、ドラゴンスレイヤーの家系であるオルストン家の慶事であるため、アドロス迷宮でまたドラゴン三匹を追加で狩っておいた。


 ここはスタンピードの影響で大量にドラゴンが湧いていたらしいが、何故かあの後も必ず三匹ずつ湧いてくる。

 妙な言い方だが、一種の癖になったというか、魔力の流れか何かの歪みがそのまま残ってしまったというか。

 御祝いにコピー品ではなんなので、ちゃんと活きのいい狩ってきたばかりの奴を持っていった。


 最早、アドロスの迷宮最深層はドラゴン牧場と化しているな。

 もういっそ牧場の看板でも出しておこうか。


 今度ダンジョンへ行く時はグスタフでも一緒に連れて行くかな。

 でも、あいつはもうSランクに上がる必要はないからドラゴンスレイヤーの称号は必要ないんだけど。

 元々は冒険者でも何でもない貴族家の人間なのだし。


 あと、おチビを連れて帰ってもらう必要があるかもしれないので真理も一緒に同行する。

 山本さん謹製の、慶事用紅白お砂糖ビニール詰めも用意した。

 御砂糖を出してって言ったら、そのまま贈答用の製品の形で出してくれた。


 どうやら、これも御菓子枠に入るものらしい。

 まあ和菓子店でも扱っていそうな物だしなあ。

 そういや御菓子の原料を出せるんだった。


 今日は色々と立て込んでいるだろうから、行くのは明日にする。

 こっちもクリスマス終了で年内は正月準備だけだから丁度いい。

 せっかく覚えたので新魔法ゲートで繋いでオルストン家へ通る。


 一応ちゃんと前もって断っておいたけどね。

 アントニオの奴が、繋いだゲートの通路を覗き込んで呆れていたが。


 ゲートの向こう側で園児達が手を振ってくれている。

 尻尾を振っている奴もいるし。

 アントニオも軽く手を振って挨拶してくれていた。


 そっちへ行ってから一旦ゲートは閉じておいた。

 これを開けっぱなしにしておくと、空間にまた妙な癖が付くような気がするんだよね。

 転移魔法とは異なり、瞬間とはいえ時空が歪んだ状態で固定されている訳だし。

 実際にはどうなのかわからないけど、万が一にも勝手にゲートが開くようになっても困る。


「やあ、跡継ぎちゃん誕生おめでとう~」

「おめでとー」

「おめでとう~」


「おめでとうございます」


 みんなで笑顔の挨拶した。

 可愛いおチビ達からも挨拶してもらって、マルガリータさんも嬉しそうだ。

 あの人も散々苦労してきた苦労人だからなあ。


 今回の訪問の目的は、もう一つある。

 この間の時に祝福の輪を使ったので、その結果どうなったかなと確認したかった。

 そう問題になるものではないとは思っているのだが。

 見たところ、どうっていう事はないようだし。


 赤ちゃんは、もっとお猿みたいな感じかなと思っていたら、親父似でなかなか男前だ。

 発展する領地の跡継ぎとして文句の付け所はない。

 領民達も大喜びだろう。


 ファルやレミも夢中で赤ちゃんを覗き込んでいる。


「カワイイ~」

「かわいいー」


 マルガリータさんも、にこにこしてその様子を眺めている。


 アントニオに諸々の御土産を手渡した。

 メインのドラゴンはまとめて三体、アイテムボックスに直接放り込む形で渡しておいた。


「やあ、いつも済まないな」


「そういえば、いつもドラゴンは丸のまま渡しちゃっているけど、そのアイテムボックスで解体……出来ないよな」


 自分のアイテムボックスに解体機能があるので、ついつい忘れがちになるのだが、付与して作って渡してあるものには付いていなかった。

 俺のアイテムボックスは、あれこれと特別仕様なのだ。

 コピーする際の能力付与には制限があるらしい。


「ああ、いいんだ。

 ドラゴン解体は領民に受けるから却ってありがたいな。

 まあ、この領地の風物詩みたいなもんさ」


 どんな風物詩なんだよ。

 一応は想像してみる。

 笑顔で刀や解体道具を持って、ドラゴンの上や周囲で血塗れになっているオルストン家や領民の人達。

 うーむ、一応アイテムボックスで血抜きはしてあるんだけれど、なかなかシュールな光景だな。


 そういや、山本さんがマグロ解体ショーに挑戦してみたそうな事を言っていたな。

 魚は捌けるって言ってたし。

 きっと武の奴もマグロの解体をやっていたんだろう。

 そうでないと食べられないものなあ。

 俺はアイテムボックスの機能で解体しちゃうけどね。


 さっきから領民の人とかが、ひっきりなしに挨拶に来ている。


「まだ挨拶に来るのは早かったかな」


「なあに、全然構わないさ。

 ゆっくりしていってくれよ」


「そうそう、アルさんには大層御世話になったんだから」


 おや、オルストン家長兄のアンディさんもいた。

 アントニオの結婚式以来の、久しぶりの慶事なので嬉しくて仕方ないらしい。

 当然二人の兄貴も新オルストン家の一員に迎えられている。

 元々はアントニオも、長男にして父親も同然であるアンディさんのために伯爵家を起こしたようなもんだからな。


 もう一人の兄貴アンドレさんの方は相変わらず冒険者ギルドの職員だけど、やはり貴族家の一員というのはあちこちで待遇が違う。

 あっちはギルドの食堂で派手に御祝いパーティをやって、俺も御呼ばれして参加してきたな。


 彼への御祝いに、親方に頼んで作ってもらったオルストン伯爵家の紋章入りのミスリル製ランクプレートを謹呈したよ。

 本来ならばAランクがミスリルなのだが、貴族家の一員に返り咲き、しかも王国の剣の一族と言う事なのでギルマスから特別に許可をもらったのだ。

 アントニオにも御揃いのオリハルコン製のランクプレートをやった。


 何しろ王国の恥として有名なエピソードなんだから、オルストン家の事なんかギルド関係者なら誰でも知っているし。

 でも本当の事は皆知っているから、アンドレさんもギルドで暖かく迎えられていた。


 うちの警備の時も、あの二人のBランク冒険者が都合つかなかったら、俺個人としても絶大な信頼を置いているアンドレさんが来てくれる事になっていたらしい。

 引退したとて魔道鎧持ちであるBランク冒険者が来てくれれば心強い事この上ない。

 

 アンディさんも、ずっと仕事に邁進していたらしくて。

 ラッピング素材やミシンで作った縫製製品、それに加えて元々領地にあった特産品などを、俺がプレゼントした無限収納と転移機能付きの腕輪に収納して、熱心に商売で飛び回っていたのだ。


 俺も、可愛い赤ちゃんにはしゃいでいる、うちのおチビ連にほっこりしていた。

 真理もいてくれるんだから今日はのんびりしちゃおうか。

 そう思った時、それは起こった。


「う~」


 後ろを振り向くと、赤ちゃんが宙に浮いて「何かを」纏っていた。

 それに、う~とか言っているし。

 普通、生まれたてでそんな事は言わないよね?


 おチビどもは最初ポカンとしていたが、なんだか楽しそうにしている。


「こ、これは」


 い、嫌な予感がする!

 やっぱり、あれがまずかったのか?

 これはもしかして~。


「魔道鎧…… 」


 アントニオがそう呟いた。

 やっぱりそうだったのか。

 俺達のものとは少し違う感じなので、どうなのかなと思っていたのだが。


「なあ、これって…… 」

「い、いや、うちの家系でも、こんな事は今までになかったはずだ」 


18時に予約投稿しようとして、寝ぼけてて、うっかりそのまま投稿してしまいました。

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