エピローグ
そしてスクリーンの中のアスベータを眺めていた時に、ふいにファルがあの祝福の歌を歌い出した。
祝福の聖歌を初めて聞いたブランドーが凄く感動していた。
しかも、この宇宙の光景を見ながらだからな。
俺もファルの聖歌の、いつもと違う趣に思わず深い感動を覚えた。
だが急にどうしたんだろう。
「ファル?」
そして歌を歌い終わったファルは少し悪戯そうな表情で言った。
「おいちゃん。
あたし、いつか言ったよね。
この歌には大切な意味があるのだって。
今は教えられないとロス様が言ったって」
「ああ、そう言っていたな。
あれっ、もしかして今なら教えてもらえるのかい」
「うん、だって今おいちゃんはその条件を満たしたから」
「何? ああそうか。
もしかしたら、やっぱりそうなのか」
地球にいた頃からずっと思っていたのだ。
もし、神と言う考えというか存在を理論から排除したい科学者達が提唱していたガイア理論のように、地球のような星が意図的に何者かによって生命を育むのに相応しい環境を整えられていたのだとしたら、それはどのような意味があるのだろうと。
その者は命に対して何を思うのだろうと。
「歌の意味はね、こう。
タイトルはフィーア・ルゥアー・オースリー(星の子の物語)
ハアアー・ル・アー・ルゥアー(ああ、神の子よ)
フィーア・ルーン・ダスァー・オースリー(星の力を受けた物語)
ミィーア・ファー・ル・アー(神の福音よ)
オーオ・オービシィー・ラァーリファー(おお、大いなる海、今渡らん)
ラーフィ・アー・ルゥアー(神に愛されし子)
フィーア・ルーン・ダスァー・オースリー(星の力を受けた物語)
ミィーア・ファー・ル・アー(神の福音よ)
オービシィー・ル・フィーアシィー(大いなる海は星の海)」
俺はしばらく目を瞑り、その神の子の言葉をゆっくりと反芻していた。
「そうか、そういう意味だったのか。
この歌は大地の神様が、星、この惑星の子たる人を宇宙へ送り出すための、大地を離れ大いなる新たな航海に出る時に贈る命の賛歌。
大地の加護の届かない、暗く遠い宇宙の彼方へ旅立つ子供達の旅立ちを祝福するための、祝福の歌!」
こうやって宇宙へ一歩踏み出した生命に、種に、こうやって祝福が与えられるのだろう。
生命の究極の姿は星、彼らは星に宿った命。
いつから存在するのか、はたまた宇宙が誕生する以前からいるものなのか。
この先も宇宙が収縮して再び生まれ変わるような時に、彼らもまた新しい星に命を宿すのだろうか。
俺にはわからない。
だがアエラグリスタは言った。
我らは数億年単位で暇していると。
この星が地球と同じようにまだ原始の海だったころ、あるいはまだ海すらない熱い塊であった頃から仕事を始めていたのかもしれない。
最近の研究では、星を巡る命の水も単なる宇宙を漂う星間物質の集積ではなく、太陽系創成期の当初から既に在ったのではないかと言われている。
それすらも、やがて生まれ出愛しい命のために神々がかき集めたもうた物なのだろうか。
あるいは生まれ出子供達に必要な物だからと神の御業にて創り出して。
なんとも壮大な話だ。
本当の事はわからない。
わからないが、今自らの熱望により宇宙へ飛び出した俺達は、現実にこうして神の子から祝福を得ている。
そして。
俺は夢を見ていた。
これは、いつもの白昼夢なのだろうか。
それとも、この宇宙に見させられている幻想なのか。
いや、これはおそらくは神の時間の変形だ。
世界の夢、神々の夢を見ているのだ。
そして星の命の見る夢を。
これは俺の夢であるものか、あるいはそれが世界と一体化して、神々自身が永遠に見続ける夢を見せられているのか。
少なくとも、それはこの前に強制視聴させられてしまった『人魔物語ブラン劇場』よりは遥かにマシなものだ。
ここはどこだろう。
どこかの泉のほとりか。
いや、これは「龍が井」の跡か。
そいつは俺の故郷の伝説に登場するもので、それに重ね合わせて『会場』がセッティングされているのか。
かつて俺が追った、俺が生まれた郷土の物語である龍神伝説の。
ぼんやりとした視界の中に、伝説の『泉の白い貴婦人』が見える。
いや、俺は彼女を知っている。
これはロスなのか。
そして彼女は俺に語りかけてきた。
「御久しぶりね、園長先生。
いえ、井上さん。
私はロスよ。
人間、即ち当代のこの星でもっとも進化した生き物達が主神と呼ぶもの」
「今は人間が、この世界でも最も進化した生物なのだと?」
「そうね。
少なくとも自分の力で宇宙へ行こうとする、この星における最初の生命かしら」
「あの男のように?」
俺は今、現実世界では俺と一緒に宇宙船にいるはずのブランドーを思い出していた。
「そうね、そして貴方はこの世界にとっては『御客さん』だけれど、宇宙の概念と、そこへの強烈な憧れを持っている生物」
「それが稀人だっていうのは、俺的には邪道だな。
あんたはやっぱりガイア、いやガイアベータとでもいうような存在になるのかい?」
女神ロスは神の微笑でそれに答えた。
「あんた達は、やはり龍神なのか?」
「あなたの言う龍神の概念とは?」
「龍、それは星を巡る力。
太古の時代、星の誕生から、あるいはそれと共にか、そもそも星の命として星を作った存在やもしれぬ。
星に宿り、星の環境を命が育む事が出来るように、進化を遂げるのに相応しいよう長い時間をかけて整えて。
そして見守り、導いてきたもの。
巨大なもの。
古きもの」
「それから?」
「そして、その細胞はパワーMAP上の小さな集落レベルから集まり、巨大な、国を縦断するような力となり、陽と陰の力の道を作り上げ、巨大な龍を象っていく。
それらの集合体が、やがて星の命と言えるレベルに達したもの。
あるいは星の成り立ちの最初から存在したのかもしれない龍自身の力が星中に満ちていったもの。
それが貴女だ。
星の女神、命を育むもの。
そして、命を宇宙へ旅立たせる『種撒く者』。
それが貴女、龍の女神の頂点たる者。
その全ては大地を走り神経回路となって、星の全てを見通す。
今俺の目の前にいる姿も偽りの、いやそれはすべて初めから仮初めの姿に過ぎない。
その時代にもっとも進化を遂げた種、つまり『龍王として選ばれる生物種の姿』をとって俺達の脳内に現れるだけなのだから。
あなたの真の姿は、この星。
惑星アスベータそのものだ!」
「そうね、確かに私はそういうものよ。
だから愛おしいわ、この星が育む全ての命が。
彼らが『生きる』という神聖な儀式で歌いあげる大地の歌、命の賛歌が」
ああ、歌っている。
龍神達が歌っている。
あの歌を。
幾多の神々が。
俺がまだ見ぬ神々も。
大なる者、小なる者。
この世界で『ロスを構成している』その全ての者達が。
アドミン、いや古き神アエラグリスタも俺の頭の中で歌ってくれている。
こいつは俺を龍王に選んだ、あの巨大な龍神大和と同じクラスの神なのだろう。
今こうしている状態なら、その力の強さもわかる。
俺が闘ってなんとか出来るような相手じゃない。
今更ながら、こいつとやりあった時の事を思い出して冷や汗が出るぜ。
メルスが、メビスが、この星の上で数々の神々と呼ばれた者達すべてが歌っている。
不思議と見た事すらない彼らの名がわかる。
皆、歓びと共に歌ってくれている。
星の歌を。
パワーラインの神々による生命の賛歌、フィーア・ルゥアー・オースリーを。
ファルも、ここにいないはずのレインも一緒に歌ってくれている。
俺に付けられた加護を通して、すべての精霊達も声なく歌っているのがわかる。
単なる路傍の石でさえ、人々から崇められ信仰を受けたなら、それは己が神聖なる物(者)であるという意識を持つのだという。
崇める者がいて、初めて神は神足るに値する。
このアスベータにも、その物語はあった。
彼ら星の命である龍神達が環境を整え、生命誕生の儀式をコントロールして、やがて生まれ出ずった無数の命達。
永き生命の進化の道筋の中で、生まれては滅びていったそれらの者に崇められ、彼らはこの世界の生物にとり人にとり『神』へと至った。
大小様々な個々の龍神達が持つ精霊達。
それは彼ら八百万の神々の神使達。
数多の生物達に崇められ、神格化された龍神達の力が作り出した使役されし者、手足となる者達。
星の命を紡ぐ者達。
人間の体でいえば、精霊達は細胞や、あるいは血管の中を走り回る様々な物に相当するのだろうか。
それぞれが使命を帯び、その役割を齎すような。
「調停者」と呼ばれるような存在。
この世界はそういう在り方を選んだ。
龍神ガイア。
全ての龍の集合体。
星の命のネットワーク。
それが崇められ、人間からロスと呼ばれるようになったもの。
そして、そのロスの眷属がファルス。
精霊を庇護し、彼らに力を与える頂点にいるもの。
それは人間の体で言えば、『免疫中枢』と言い変えてもいいような存在であるのかもしれない。
精霊だけではなく、魔物や人をも含む星の生命体の全細胞、このアスベータで生きる存在する全ての者が崇める存在。
そして星の願いたる星の使命を歌い続ける者、星の命を歌い続ける者、命を祝福する者、そう在る者がファルス。
そのファルスが世界を越えた力と触れて進化したもの、それがレインボーファルス。
龍神達の集合体、言い換えればこの世界の意思そのものは、己を進化の礎として、命を生み出し育て、そしてそれを広大な宇宙へと種蒔くために、この分岐する平行世界のシステムを作り出したのではないか。
魔素の無い世界、魔素や魔法のある世界。
その他の世界も。
それが、いつどこで分かれたものであるのか全く不明ではあるが。
おそらくそれは世界が、世界の意思が望んだ結果として、ここに在るのだろう。
多くの可能性を求めて進化し別れていった世界として。
だから、この世界は地球とこんなにも似通っでいるのではないだろうか。
そして、その中で新たなステージを産み出そうとしてファクターを混ぜ合わせるために『次元の歪』を生み出し、俺達のような者に三千世界を渡らせようとするのではないか。
今、彼ら龍神のシンフォニーを魂で耳にして、そのように思うのだ。
ただ、そう感じ取るだけだ。
彼らの強い意思が伝わってくるような気がする。
その作用が悪い形で働いた場合、『ファルス不在の暗黒の時代』が発生したりするのではないだろうか。
そして、今回のように稀人を呼ぶために起きた次元の歪のせいで、暗黒の時代が起きかけ、さらに次元の歪を呼ぶような自転車操業であったのかもしれないな。
そのような『異常事態』であったから、アドミンの野郎は、あそこまであれこれと慎重に俺達を試していたのかもしれない。
奴とて強力な神々の内の一柱であったのだから。
その結果が齎すものを慎重に秤にかけて。
理不尽に与えられる試練に打ち勝つ力と意思を持ち、そして他者を想い、そのために力を振るう者を見定めようとしていたのだろうか。
今来ている稀人が日本人ばかりなのも、日本人がそういう資質に溢れているからなのかもしれない。
命の歴史は殺し合いの歴史だ。
その全てが弱肉強食という神の定めた掟に従っている。
だがその中で、神々はそれとは何か違う物を生命に求めていたのかもしれない。
今まで経験した数々の戦いですら、そう仕向けられていたのではないか。
そんな幻想を抱いてしまうような、俺にとっては衝撃的な出来事だった。
いつしか、俺は神夢から覚めていた。
まだ神々のシンフォニーが、はっきりと耳の奥に残っている。
現実に戻されたようなのだが、まだ頭がぼーっとしている。
だが、そんな俺に話しかけてきた奴がいた。
「なあ公爵、さっきの夢。
あれは何だったのだろう。
その内容をはっきりとは覚えていないんだ。
だが、俺は行かなくちゃいけない気がするのだ。
いつか、この星の海を渡って新しい世界へと!」
こ、こいつ!
あの神夢を俺と共有していたのだと!
やれやれ、こいつも神に魅入られちまった口なのかねえ。
初めて宇宙へと飛び出した、このアスベータ生粋の子として。
いや、この世界は丸いとか、たった一人で言い出した時点でなあ。
それにこいつ、宇宙というか他の恒星まで行く気満々じゃねえか。
そのうちにゴーレムどもに星間探検隊を組ませないといかんかな。
俺はなんとか魔法のインチキでマギワープ機関を作れないか試してみるか。
俺だって空間を弄るのは結構十八番なんだからな。
そうそう、頭の中にもそっち方面の専門家がいたじゃないか。
奴も神の一柱であるのだから、そうそう気安く人の世に干渉する事は出来ないのかもしれないが、助言くらいなら貰えるかもしれない。
だって、そもそも俺達が宇宙へ旅立つ事自体が、すべての神々が願って止まぬ見果てぬ夢なのだから。
いっそ転移魔法の目視転移を、遠視能力や千里眼なんかと合わせて強引に魔改造して!
ワープが無理だったら、もういっそ広い宇宙で灯台のように大量の転移ポイントとなる施設を繋げていってゲートを通して、そこを高速で転移しまくるというような荒業もある。
まるで、かつての地球の大帝国達が都市を作りながら版図を広げる覇道を築き上げていったように。
もしそういう物が出来てしまったとしたら、ゲートウエイとでも名付けるか。
望遠鏡などで宇宙の彼方を「目視」出来る『望遠目視転移』なんかを試してみてもいいし。
ゴーレムが光速で向かった地点から、その前後に向けてポイントとなる施設の建設を進めていってもよいし。
素の光速飛行で航路を広げていっても、毎年一光年以上は先に進んでいけそうだ。
とりあえずの目標は、一番近い恒星系である『アルファケンタウリ・ベータ』かな。
個人的には、それをベータケンタウリと呼ぶのが好みだ。
何か上手い事、光より速く星の海を渡る方法はあるのではないか。
この世界には、物理現象を歪めてしまえる魔法という物が存在するのだから。
そういう事も期待して、この世界の魔法はありきたりな物理法則には従っていないのでは。
俺達が宇宙へ飛び出した事を知り、神様達があんなに嬉しそうにしているんじゃなあ。
早急に何かを考えないといかんようだ。
そして今日、俺は更にもう一歩足を踏み出して、この世界の神々を喜ばせる事にした。
「なあ、ブランドー」
「なんだい」
「あんた、ついでだからさ。
この世界で初めて、他の天体である月へ足跡を残した人間になる気はないか」
「なんだと!」
そら驚くよな。
この男、今までに一回だけ飛行機で高度二万メートルまで上げてやった事があるだけなのだから。
本日初めて生まれ故郷の星を離れた、宇宙飛行士としての訓練なんてついぞやった事がない只の御客さんなのだ。
「いやな、子供達への御土産に『月の石』でも持って帰ろうかと思ってよ。
あれ、ただの石ころなのに、俺の子供の頃はすげえ人気だったんだ。
あれは俺も欲しかったなあ。
生憎な事に、博物館や催事場などで展示されていた実物すら見た事がなかったよ。
ちょっと予定変更で、あの夜空に輝く月まで行くぞ」
「待て待て、公爵。それは本当に大丈夫なのか!?」
「大丈夫だろう。
宇宙服も用意してあるし、ちゃんと素人が着てもなんとかなるように魔改造してあるんだ」
まあ、本当は訓練していない人間を月面なんかを歩かせちゃいけないのだが、宇宙服の素材は半端なく強靭な物に換装してあるので絶対に穴なんて空きっこないし、酸素もアイテムボックスによる無限供給式なのだ。
NASAの連中が羨ましがって、「あれ買ってー、大統領」と床に転がって駄々を捏ねたくなるような、そこまで超性能の宇宙服なのさ。
更に内蔵してあるバリヤーを作動させておけば多分大丈夫だろう。
いざとなったら俺がシールドしてやれば済む話だ。
「相変わらず強引な性格だな、公爵」
「俺は小学校の校長先生なんだぜ。
この手の貴重な学習教材は常に集めておかないとな~」
そして、すったもんだしながらも俺達は搭載してあった小型着陸艇で異世界の月へと降り立ったのであった。
その着陸艇から伸びたタラップの先端に立ち、俺は夢追い人を促した。
「さあ、ブランドー。
この世界の人類として、記念すべき最初の一歩を!」
だが鼻息荒く気合を入れて動いたブランドーの奴は意気込み過ぎて、アスベータの六分の一しかない重力のせいで、その一歩を印す事無く派手に跳んで行ってしまった。
どうも、この低重力の世界について、説明してもよくわかっていなかったものらしい。
まあ地球人じゃないので無理もないがな。
これが日本の小学生なら無難にやってのけるだろう。
あるいは、わざと派手に飛んで行って楽しそうな歓声をあげるかもしれない。
いやきっと、そうなるだろう。
いつかそのうちに、うちの子達も。
「あ、おい。
ブランドー!」
俺は手を伸ばして彼を掴もうとしていたが、いきなり予備動作抜きで慌てて動いたため、軽い重力のせいで、そのままうっかりと月面に足を踏み出してしまった。
「あっちゃあ、ミスった。
余所者の俺が、この世界における月面一番乗りなのかよ」
というわけで、望まずしてこの俺が、この世界のニール・オールデン・アームストロングになってしまった。
なんかもう、あれだけ祝福してくれたこの世界の神々に対して非常に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
もっとも、それすらも俺の頭の中に居るアエラグリスタには馬鹿受けだったがな。
まあ一応、その足跡はそっと切り出して、常態保存の魔法をかけて保存しておいた。
こいつは小学校の理科教材展示室にて魔物標本や化石なんかと一緒に飾っておくとするかな。
今のうっかりコントのエピソードと、その映像も添えて。
ブランドーは、その後無事に降りてきて月面に足跡を残し、そしてまた楽しそうに飛び跳ねた。
「凄い、公爵!
これが重力六分の一の世界っていう奴なのか。
こいつは楽しいな」
ブランドーの奴は、もう子供のように大はしゃぎしている。
まあこれくらいの事は地球人でも普通にやるよな。
どんなに訓練を積んだ宇宙飛行士といえども、この興奮は抑えきれまい。
また、そういう大興奮している飛行士のいい絵を映像に残さないといけないのだから。
ブランドーは、まあなんというか、『この世界の人間の中で初めて月に足跡を印した男』という事で!
彼の弾け捲った雄姿は、ちゃんと映像に残しておいたし。
ついでに本来の予定であった、彼の月面第一歩の足跡も保存しておいた。
ブランドーがアスベータ月面の六分の一の重力に驚いてドタバタしているのを、宇宙船経由で呼び出した沖田ちゃんに撮影させ、それから斎藤ちゃんと二人で石の採集を手伝わせる。
娘には何か御土産を持って帰らないとな。
はたして石ころなんかで喜んでくれるかどうかはわからんのだが。
奥さん方は多分喜ばんのだろうが、一応は家族のためにという事で用意しておいた。
あの一番この土産を喜んでくれそうな技術系三人衆と、後はエミリオにも持って帰るか。
あー、ファンタジー3もいたな。
こうして、初めての異世界有人宇宙飛行がいきなり月面探索(主に御土産用の石拾い)になってしまったのであった。
さて、今度は広い宇宙のどこへ行こうか。
とりあえず、次回は子供達を理科の授業のために宇宙へ連れていくとするか。
だって俺は園長先生なんだからな!
本日で最終回です。
たくさんお読みいただきまして、大変ありがとうございました。
書籍版は6巻にて完結終了いたしましたが、コミカライズはまだ続いておりますので、よろしく御願いいたします。
コミックス3巻は来年、年が明けてから発売されるのではないかと思います。




