表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題児だらけの迷宮配信ライフ ~闇バイトの実態を暴いたらバズったので炎上系ダンジョンライバーになりました~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/134

第116話 殺戮決戦を始めてみた⑤

 地面に倒れた鈴木は、辺りを見回して困惑する。


「えっ……なんで」


 鈴木は背中を丸めてせき込む。

 そして何度も嘔吐した。

 演技ではなく本当に苦しんでいる。


「アバターから、抜け出せないっ……どうして、存在、座標がッ……!」


 鈴木はダンジョンマスターの代償として重い行動制限がかかっている。

 その状態で僕が無理やり外に引っ張り出してきたのだ。

 反動のダメージは当然ながら鈴木を襲うことになる。

 逃げ出せないようにロックしてあるので、このままなら遠からず死に至るだろう。


 著しく弱体化した鈴木の姿に満足していると、僕は倦怠感を覚えた。

 膝をついてから吐血する。

 目や鼻や耳からも血が溢れ出してきた。

 内臓が急速に腐っていく感覚もある。


(これが裏切ったペナルティーか……)


 鈴木が事前に仕込んでいたのだろう。

 予想はしていたので驚きはない。

 とてつもない苦痛だが、死に慣れた僕にとっては気になるものではなかった。

 勝手に回復するくらいのダメージである。


 それよりも頭の中が晴れていくのが心地よかった。

 鈴木の能力が弱まり、支配が緩んできたものと思われる。

 いい調子だ。

 絶好のタイミングで仕掛けることができた。


 倒れたままの鈴木は、恨めしそうに僕を睨んでいた。

 彼はタヌキの仮面をずらして呼吸を整える。


「この際……裏切った理由はどうでも、いい。ハッキングしたモンスターで君を拉致し、脳を改造したのは僕だ。憎まれるのは当然だし、理解できる。それより、なぜ僕に干渉できた……? こういうことができないように対策していたはずなのに……」


「限りなく酷似した能力を持っているからですよ。すなわちハッキングです」


「ありえないッ! 君のスキルは完璧に把握している! 僕が自由に設定できる仕様なんだ! 断じてハッキングは持たせていない!」


「世の中に完璧なんて存在しません。あなたの言葉ですよね」


 声を荒げる鈴木に対し、僕は冷笑を以て応じる。

 実に痛快なやり取りだ。


 一方、メイソウは沈黙して僕達のやり取りを注視している。

 この仲間割れを彼らはどう考えているのか。

 或いはこれすらもヤラセと思われているかもしれない。

 とにかく、いきなり手出ししてくる気配はなく、放っておいても大丈夫そうだった。


 僕は巨大スクリーンを一瞥する。

 リスナーは新たな展開に狂喜乱舞していた。

 鈴木の本格参戦に期待する声も多い。


 彼らの好奇心を満たすのが配信者である僕の役目だ。

 主役の座は返してもらおうじゃないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これは痛烈な意趣返しィ [一言] あれ?いいねボタン押してなかったっけ… ポチ…
[良い点] 今話もありがとうございます! >「世の中に完璧なんて存在しません。あなたの言葉ですよね」 >声を荒げる鈴木に対し、僕は冷笑を以て応じる。 >実に痛快なやり取りだ。 全くもってその通りぃ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ