97:遂に、キスを……してしまった!
神殿の中に入り、左右に分かれた通路を、それぞれで進むことになった。
進んだ先には浴場があり、そこで沐浴を行う。
終えると用意されていたキトンに着替えた。
普段着ているキトンと違い、シルクでできたそのキトンは、とても触り心地がいい。用意されていた香油も、甘すぎない爽やかなローズの香りで、とても上質なものだ。
準備が整ったところで、いよいよ婚儀なのかと思うと、急激にドキドキしてきた。
でも柚乃だってここで婚儀を挙げたんだよね。
もちろん予行練習なんてできるわけはなく。
ぶっつけ本番で。
私が深呼吸をしながら浴場を出ると、すでにウリエルは祭壇の前にいて、両膝を大理石の床につけ、祈りを捧げている。
ウリエルは逞しい体をしており、優美と言えばガブリエルだったが……。
今、祈りを捧げるその姿はとても優美だ。
背中に広げられた純白の翼。
煌めくような金色の髪。
沐浴を終え、血色の良くなった素肌といい、とても美しい。
祈りを終え、十字架と共にある主の姿を見つめるサファイアブルーの瞳。
本当に宝石のようだ。
「アリエル」
その美しい大天使が、甘い声で私のことを呼んでいる。
いまだ、現実とは思えない。
ドキドキしながら祭壇の方へ向かう。
「婚儀と言っても簡単だ。なにせ考えたのはおれだからな。シンプル・イズ・ベスト。二人で宣誓し、署名すればいいだけだ」
この神殿の婚姻システムは、ウリエルが考えたのか、と感心している間にも、ウリエルは宣誓を声に出して読み始めた。慌てて私も宣誓を読み上げ、お互いに「イエス」と答えていく。
「ここに、署名して、アリエル」
羽ペンを渡され、署名する。
ウリエルは私から羽ペンを受け取ると、さらさらと綺麗な文字で署名した。
「これで完了だ」
輝くような笑顔を向けられ、私も自然と笑顔になる。
その瞬間はただ嬉しく、喜んでいたのだけど。
ウリエルが両腕を伸ばし、私を抱き寄せた瞬間。
再び心臓が激しく鼓動し、とんでもない緊張感に襲われた。
「アリエル」
名前を呼ばれただけで、心臓が飛び跳ねている。
背中に回されていたはずの右手は、私の頬を包んでいて、その次の瞬間には、唇にキスをされていた。
……遂に、ウリエルとキスを……してしまった!
軽く唇が重なったキスは、すぐ終わった。
と思ったら、再び唇が重なり、それが何度か繰り返された。
それだけでもう、とろけてしまいそうだ。
それなのに……。
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