95:卒業式
卒業式はとても荘厳だった。
普段は足を踏み入れることがない、祈りの神殿につながる「秘跡の間」に卒業生は一人ずつ入り、大天使ラファエルから卒業証書を受け取ることになっている。本当は、この卒業証書を生徒に授ける役目は、ウリエルが担っていたということは、アクラシエルがこっそり教えてくれた。
いよいよ卒業証書の授与が始まる。
一番目に名前を呼ばれたアクラシエルは、祈りの神殿に並べられた椅子から立ち上がり、「秘跡の間」へと入っていく。
私はドキドキしながら順番を待つ。
すぐに私の番となり、教師に名前を呼ばれ、中へ入った。
そこは、マーブル模様の大理石で作られた、六畳ぐらいの空間だ。
高い天井からは光が一筋を降り注ぎ、床に光の円が出来上がっている。部屋の中には白い薔薇が飾られ、爽やかな香りに満ちていた。ラファエルから名前を呼ばれ、私は光の円の中に立った。
「アリエル、卒業、おめでとう。この学校で学んだことを役立て、これからは自分が担う『役割』に、全身全霊で取り組んでくださいね」
琥珀色の瞳を細め、微笑を浮かべたラファエルは、私の額に祝福のキスを与えてくれる。
そばに立つ上級天使である教師が、筒状の白いリボンでとめられた卒業証書をラファエルに渡した。
ラファエルは私に向き合うと、笑顔で卒業証書を渡してくれる。私は卒業証書を受け取り、礼をすると、秘跡の間を出た。
終わった。無事に、学校を卒業できた……!
外に出ると、アクラシエルが待っていた。
私は空を見上げ、心の中で「ウリエル、無事、卒業できたよ」と報告をし、階段を下りる。そのままエルサが出てくるのを待ち、三人揃うと歩き出した。
祈りの神殿の前の広場に到着すると……。
そこには卒業生の関係者で、ごった返している。
「アクラシエル、エルサ、この後どうする?」
「街のカフェで休憩しないか」
アクラシエルの提案に頷き、広場の出口の方へ向かう。
沢山の天使の間をぬって、広場を抜けると……。
「アリエル!」
えっ!?
驚いて声の方を見るとそこには……。
白い開襟シャツに黒のベスト、そして黒のスリムパンツ。金髪にサファイアブルーの瞳、すっと通った鼻立ちの整った顔立ち。シャツを着ていても分かる逞しい体。
「ウリエル!?」
私は驚いて駆け寄り、確かめるようにその腕に触れた。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!
次回更新タイトルは「おれ以外の男の名を口にするのは禁止」です。
明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
それでは明日もよろしくお願いいたします!










































