91:帰すわけないだろう
しばらくは抱き合ったまま、ウリエルは私にシャインマスカットを食べさせ、自分は白ワインを口にしたりしていた。
こんな風に横になってイケメンと過ごすなんて……。
しかも相手は正真正銘の大天使ウリエルなのだ。
ガブリエルと結ばれた柚乃も、こんな風に感じていたのかな……。
ふと窓から見える夜景を目にした私は、がばっと体を起こした。
もうすぐ22時だ。
「ウリエル、もうすぐ22時。私そろそろ神の家に帰らないと」
「何言っているんだよ。帰すわけないだろう。むしろ風呂に入れ、アリエル」
「え!?」
上半身を起こしていた私の腕を掴むと、自分の胸に抱き寄せる。
「もうワインを飲んだし、車は運転できない。それぐらい、分かっていただろう?」
「……!」
そうだった……。
というか……じゃあ、もう最初から……。
私を帰すつもりはなかった……?
「抱くことはできないけど、一緒に寝ることはできる。次に会えるのは……いつになるか分からない。今日ぐらいいいだろう、一緒に寝るの」
なるほど。そういうことか。
「……分かった。じゃあ、お風呂、はいってくる」
「ああ。あとで着替えはおいておくから」
私はゆっくり起き上がると、リビングを出た。
リビングを出て、バスルームに向かい、そこで気づいた。
えーと、着替えは持ってきてくれる、と言っていた。
そうはいっても女物の服なんてないだろうから、ウリエルが着ているスエットの上下なんかを貸してくれるのだろう。でも下着は……?
……今夜は私、ノーパン、ノーブラで寝る……しかない……?
しかもウリエルと一緒に?
いや、それはさすがにまずいよね!?
なんといってもアリエル、スタイル抜群なのだから!!
でも今日着用していた下着をもう一度身に着けるのは……。今日着ていた下着は今晩洗濯乾燥させてもらい、明朝身に着ける。
となると今晩は……。
仕方ない。
ウリエルは私を堕天させるつもりはないのだから、例えノーパン、ノーブラでもきっと何もしないだろう。
私は着ていた服を脱ぎ、浴室の扉を開けた。
シャワーを浴び、脱衣所に戻ると、予想通り、スエットの上下が置かれている。
下着は……当然ない。
私はまずスエットの上を着て、次にズボンをはいたのだが……。ウエストがブカブカで、一歩歩けば太股の半分ぐらいまでずり落ちてしまう。
ただ、スエットの上もだぶだぶで、太股の半分ぐらいが隠れていた。
ならばズボンは諦め、この上だけで……。
まあ、ワンピースを着ていると思おう。
バスタオルなど洗い物を洗濯機にいれると、スイッチを押した。
しかし。
下着がないと、こんなに心もとないのか……。
寝る時はノーブラ派だったので、上半身についてはあまり気にならない。もちろんウリエルの前では、手でなんとなく隠すつもりだけど。そっちよりも何よりもノーパンなのは……。
落ち着かない気持ちのまま、リビングに向かう。
リビングの電気は完全に落とされ、床に置かれた球体のランプだけが灯っている。
ウリエルはソファの前のテーブルの片づけを終え、静かにカウチに横たわり、夜景を見ているようだ。
私はそっとカウチに近寄ると、両手で目隠しした。
「アリエル?」
ウリエルが私の両手を掴み、顔をこちらへ向ける。
「シャワー、終わったよ」
「そうか。じゃあ寝るか」
私はこくりと頷いた。
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