90:好きだから抱きたいと思っている
「アリエル、誤解させるような言動を、確かにおれはとったかもしれない。でも決して体うんぬんでアリエルを好きになったわけではない。初めて会った時から、アリエルの魂は綺麗に輝いていた。そして偶然で何度かアリエルに会ううちに、自分のことより他の奴らのことばかり気にかけていることに気づいた。心の美しさに惹かれた。でもそれをうまく言葉にできなかった。だから『抱く』なんて言い方ばかりしてしまった……。それにアリエルの心には別の奴がいると気づいたから、諦めようともしたが……。アリエルの幸せが置いてきぼりになっている。なんとかおれが幸せにしたい、そう思って……」
ミカエル様の言う通りだ。
「ありがとう、ウリエル。私は……ミカエル様に指摘されるまで、ウリエルがそんな風に思っているって気づけなかった。でも今はちゃんと分かったから。私のために禁忌となる力を使ったことも。私が悔やまないようにと、プレイボーイのふりをしたことも」
「それに気づけたのは……ミカエルのおかげということか」
私は頷く。
「ミカエルのおかげで、確かにアリエルはおれに会いにきてくれた。アイツに文句なんて言えないが……。でも、ミカエルと会話した時、心を全て見透かされているように感じなかったか? すべてを白状させられたように思わなかったか? 隠し事は一切できない。そんな気持ちにならなかったか?」
「まあ、それはそうだけど……。でも結果的によかったと思っているよ。ウリエルの気持ちも分かったし、自分のウリエルへの気持ちにも気づけたから」
ウリエルの手が私の頬に触れた。
愛おしそうに、その細い指が私の頬を撫でている。
「……アリエル、おれはお前のことが好きだ。好きだから抱きたいと思っている」
「……!」
落ち着いてはいないが、なんとかなっていた心臓が、今の一言で大きく跳ね上がった。
「でも今、おれは人間だから、お前の唇にキスすることも、ましてや抱くなんて無理だ。そんなことしたら、アリエルが堕天することになる。だから一刻も早く修行を終え、天界に戻って、そうしたら……今度こそアリエルのことを抱くぞ」
結局、「抱く」という言葉で愛情表現をするしかないウリエルは、なんだか不器用で可愛らしい。
心臓はバタバタ跳ねているけど、ウリエルを愛おしいという想う気持ちがこみ上げ、言葉を口にすることができた。
「私もウリエルのことが好き。だからウリエルが戻って来ること、待っているから」
言えた!
男性に対する耐性も、イケメン耐性もなかったのに。
「アリエル」
ウリエルがぎゅっと私のことを抱きしめた。
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次回更新タイトルは「帰すわけないだろう」です。
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