82:何か真面目なことを考えよう
私はぼーっとした状態で、エントランスホールに向かう。
「アリエルさん!」
エントランスホールのソファで、マティアスとソフィアが待っていてくれた。
「……ウリエルに会えたのですか?」
ソフィアに支えられ、ソファに腰をおろす。
ウリエルに会えたこと、18時にエントランスホールに迎えにきてくれること、地上に泊れるようマティアスとソフィアに相談するように言われたことを、話した。
「なるほど。俺とソフィアは泊りがけになっても構わない。だがアリエル、学校は?」
マティアスの言葉に、私は重要なことを思い出す。
月曜日はミカエル様が、私とアクラシエルを表彰するために、学校へ来ることになっていた。
あ、でも……。
――「私は君のことを月曜日に表彰することになっている。でももし姿を現さなくても、咎めるつもりはない」
ミカエル様からそう言われたことを思い出し、表彰の件を含め、二人に伝えた。
「ミカエル様はこうなることを予見されていたのでしょうか。不思議な方ですね。でもお咎めなしと言われているなら、泊ってしまっていいのではないでしょうか。ここ、『神の家』には、宿泊施設が用意されています。悪魔狩りのために地上へやってきたパーティが、泊れるようになっているのです」
ソフィアはそう言うと、立ち上がった。
「レセプションに話して、部屋をとってきますね」
マティアスが頷き、私を見る。
「お願いします」
私の返事を聞くとソフィアは微笑み、レセプションへ向かった。
◇
部屋はあっさりとることができた。
マティアスとソフィアで一部屋、そして私で一部屋。
案内された部屋は……。
天蓋付きのベッド、シャンデリア、重厚なカーテン、調度品、暖炉……すごい。
なんだかお城に泊るみたいだ。それに広々としている。ここ、都心だよね……?
私は前世でも使ったことがない、天蓋付きのベッドにダイブした。
すご~い。お姫様気分。
これでドレスでも着ることができたらホント、お姫様だ。
大の字になり、この後の予定を頭の中で確認する。
とりあえず午後は『神の家』を出て、街を散策することになっている。
悪魔狩りの名目できているのに、部屋に一日引きこもっているのは……さすがに、という理由からだ。
街へ出る前に、併設されたカフェで、昼食をとることになっている。でもそれまでは、それぞれ部屋で自由に過ごすことになった。
ベッドに転がったまま、ふと考えてしまう。
マティアスとソフィアは、もう神殿で婚儀を挙げている。
ということは、今頃二人は部屋で……。
それでなくとも今はハネムーン期間だ。
いちゃいちゃしても当然だろう。
思わず二人の姿を想像しそうになり、慌てて打ち消した。
何か真面目なことを考えよう。
そこでふと浮かんでしまったのは、ミカエル様の言葉だ。
――「君は何か思うところがあり、天界へきてから動いていたようだが、それは誰かを貶めるための行為ではなかった。自分が生きるためにとった行動。それは生存本能だ。もしそのために誰かの命を奪ったり、不幸にしていたりしたら、それは罪となる。だが君は結果として皆を幸せにすることができた。ただ、自分とウリエルの幸せだけが置いてきぼりになったようだ。だが今ならまだ間に合う。まだすべては終わっていない」
どうしてこんなに大切なことを、今の今まで忘れていたのだろう。
いや、ミカエル様の言葉はまるで主の啓示みたいだ。必要な時に思い出すことができ、行動の指針になった気がする。
だって昨晩の私に必要なことは、ウリエルにとにかく会いに行くと心を決めることだった。だから悪魔狩りについて語ったミカエル様の言葉を、思い出すことになった。
さっきは思いがけずウリエルから地上へ泊るように請われ、そして学校のことを思い出した。でもミカエル様の言葉で、学校を休んでも大丈夫だと理解できた。
そして今は……。
一人になる時間ができた。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!
次回更新タイトルは「本当の終わりは……」です。
それでは明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
引き続きよろしくお願いいたします!
【お知らせ】
==Episode3完結==
『異世界召喚されたら供物だった件
~俺、生き残れる?~』(R15)
https://book1.adouzi.eu.org/n0117hx/
ベリル:美少女ヴァンパイア
拓 海:主人公
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編
テルギア魔法国から帰国し
毎晩のようにベリルは拓海の部屋に来て
二人は甘々な時間を過ごす。
その日もベリルのセクシー過ぎる衣装と
谷間にメロメロとなり、熱い息を感じ
全身がゾクゾクしていたら……。
とんでもない出来事が起こる。
やがて拓海の貞操が大ピンチに!?
絶体絶命の拓海を救いに来たベリルは…
クライマックスは本シリーズ初の
涙を誘う展開です。
そして本シリーズは
登場人物にイケメンが多いです。
恋愛にまつわる描写は女性の皆さんでも
キュンとする要素の方が多いと思います。
ただ、主人公への吸血シーンがR15。
よってR15シーンは度々登場。
苦手な方は、す、すみません!
でも男主人公ですが
女性読者様も楽しめるよう
配慮した作品です。
ですのでぜひ遊びに来てください♪










































