80:日本、ってどこですか?
実演を終えた後は、武器を受け取り、出発前審査を受けることになった。
審査といっても、ここでは悪魔狩りへ向かったパーティを記録するのが主で、同時にどのエリアに向かうかを、決められることになっている。
ここでソフィアが名前を告げると、すぐに審査官が反応した。
「大天使ガブリエル様とパーティを組んでいたソフィアさんですね。ガブリエル様は婚姻されるし、ソフィアさんは騎士登録を取り消したというから、どうしたのかと思っていたら……また騎士として戻ってきてくれたのですね」
嬉しそうにする審査官に対し、ソフィアは困り顔だ。
「今度のパーティもすごいですね。アリエルさんはまだ学生でしょう。それで悪魔狩りに向かうなんて。でも神童であることはみんな知っていますからね。そしてマティアスさん……ってソフィアさん、婚姻されていたのですか!?」
その審査官は、とても残念そうな顔をしていた。だがマティアスの書類を見て、今度は目を丸くする。
「マティアスさんは悪魔狩り、初めてですよね!? 扱える武器が全部って……。すごいな」
しばし感嘆した後、さらに驚きの表情になる。
「えーと、希望エリアは……日本? 日本、ってどこですか?」
審査官は引き出しから地図を取り出し、広げた。
ソフィアは審査官の右手で隠れていた小さな島国を指差す。
「あ、え、? あー、ここ、ですか? こんな場所でいいのですか?」
「はい。アリエルさんもマティアスさんも初めての悪魔狩りなので。練習も兼ねて、ですので」
ニッコリ笑うソフィアには、相手の心を和ませる力があるようだ。審査官はその笑顔につられてニッコリ笑うと「分かりました」と応じ、書類に印を押す。
「あの、日本の『神の家』に、私達が行くことを伝えてもらっていいですか?」
ソフィアの言葉に審査官は笑顔で「もちろんです」と頷いた。
そしてゲートが開き、そこを抜けると……。
まさに断崖絶壁という感じで、そのまま地上へ向け、飛び立てるようになっている。
「では行こうか」
マティアスに促され、私達は飛び立った。
◇
「神の家はあちらです。あの輝きが目印ですよ」
ソフィアが笑顔で私を見る。
天界を出発してからしばらく飛行を続けると、次第に地上が見えてきた。
普段から翼を使い、飛行していたが、この高度から見る景色は初めてだ。
もし前世の雛月カナとしてこの高度でこの景色を見たら、腰が抜けていたかもしれない。でも天使となった私は、この高度でも恐怖を感じることはなかった。
むしろ、もうすぐウリエルに会える。
その思いで胸が高鳴っていた。
「いよいよですね、アリエルさん。ウリエルさんと再会したら、気持ちを伝えるのですか?」
突然ソフィアに尋ねられ、私は「え」と息を飲む。
「ウリエルさんのアリエルさんを想う気持ちを知ったわけですよね。そして地上へ会いに行く決意をした。アリエルさんを見たら、ウリエルさんは驚くでしょうね。当然、どうしてここに来た、とウリエルさんは聞くでしょう。そうしたらアリエルさんは、ご自身の気持ちをお伝えになるのでしょう?」
ウリエルに会うことばかり考えていて、会ってどうしたいとか、何を言うとかまで全然考えていなかった。
でもウリエルが私のことを想っている……それはミカエル様のお墨付きで分かっていることだ。それならば私もウリエルのことを……。
ウリエルのことを……。
好き。
そう、好きなのだ。
初めて会ったあの瞬間から、私はウリエルを好きになっていた。
「アリエルさん、大丈夫ですか?」
ソフィアに聞かれ、私は我に返る。
「は、はい。大丈夫です。……ウリエルに会ったら、協力してくれたことへの感謝と自分の気持ちを伝えようと思います」
私の言葉を聞いたソフィアは微笑んだ。
「きっとうまくいきますよ」
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