77:地上へ行こう
自分で自分自身に癒しの力を使うことで、私はぐっすり眠ることが出来た。
最初はベッドで横になっても、まったくと言っていいほど眠気は訪れない。でも私は明日、地上へ行くつもりだった。
天使になってから地上へ行くのは、当然初めてだ。
緊張するだろうし、慣れないこともあり、疲れるかもしれない。
それを踏まえると、睡眠はしっかりとっておきたかった。だから、自分で自分に癒しの力を使うことを思いついたのだ。実際、癒しの力を使って大正解だった。
五時には目覚め、準備をして、街へ向かって飛行を開始する。
朝の6時半という結構早い時間に、目印の天空図書館に到着することが出来た。
マティアスとソフィアは起きているだろうか?
もしソフィアがホワイト・ベーカリーでの『役割』を手に入れていたら、朝7時から勤務スタートのはずだ。
ともかくマティアスの部屋がある、香油のお店に向かう。
当然店は開いていない。
私はそのまま階段をのぼり、ゆっくりマティアスの部屋のドアを開ける。
「マティアスさん、ソフィアさん」
名前を呼びながらゆっくり廊下を進む。
そして。
リビングについた時。
私は「あ」と小声を漏らし、玄関まで戻った。
私の声に、ベッドから起き上がったマティアスは、上半身裸だ。掛布団の中に潜りこんだソフィアの白い肩も一瞬見えた。
当然だ。
二人は神殿で婚儀を挙げたばかりなのだから。
……部屋に鍵がないって不便だ。
しばらく玄関で待っていると、マティアスがやってくる。
「アリエル、どうした?」
「す、すみません。朝早くにお邪魔してしまい……」
私は深々と頭を下げる。
「気にしなくていい。それよりこんな朝早くに尋ねてきたということは、何かあったのだろう? 困りごとか?」
私は頷く。
「急ぎか?」
急ぎかどうか。それは難しい質問だった。
気持ちとしては急いているが、天界軍騎士総本部は8時にあくので、まだ時間はある。
「気持ちは急いてはいますが、まず事情を話す必要があると思っています」
「分かった。朝食はとったのか?」
私は首を振った。
「では簡単な朝食を一緒にとりながら。事情を聞こうか」
「お願いします」
マティアスは頷くと、私にリビングに行くよう促す。
ソフィアはベッドを整え、カーテンを開けている。
私に気づくと、にっこり笑顔になった。
「おはようございます、アリエルさん」
「おはようございます、ソフィアさん。朝早くにすみません」
「いえ、大丈夫ですよ。朝食、すぐ用意しますから」
ソフィアはキッチンへ向かった。
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次回更新タイトルは「重大なことに気づく」です。
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