69:ガブリエルの宮殿へ
午後の授業を終え、教師から指定された中庭に向かうため、アクラシエルに声をかけると……。
満面の笑顔た。
「特別授業、そんなに楽しみなの?」
私の問いにアクラシエルは「違うよ!」と首を振る。
「ラファエル様が、放課後の特別授業が終わってから、カウンセリングしてくれることになった。さっき、連絡が来たのさ!」
それは驚きだ。
大天使が一介の天使に予定を合わせるとは……。
でもそれはつまり、間違いなく、ラファエルがアクラシエルを気に入っているからだ。
私がその考えを伝えると、アクラシエルはもうメロメロになっている。
「本当に!? アリエル、僕はラファエル様から見て特別かな!?」
「うん。特別だと思う」
アクラシエルは喜び、癒しの力の特別授業にも、気合が入る。
特別授業では、とても強力な悪魔の魔力を清めることになり、難易度はかなり高い。でも気合十分のアクラシエルのおかげで、無事清めることができた。授業にあたった教師も、この成果には驚いている。
家に帰ると、ポストには柚乃からの手紙が届いていた。
マティアスとソフィアが本当に婚儀を挙げたかについては、自分の侍女である天使に確認させたのだという。すると二人は共に左手の薬指に指輪をつけ、マティアスの部屋で一緒に暮らし始め、天界役場にも届けが出されていたという。
天界役場に二人の婚姻届けが出ていないか、本当は放課後、確認しに行きたいと思っていた。でも特別授業がはいり、それもできなかった。だから柚乃が確認してくれて、ホント、助かった。
そしてガブリエルの寵愛は半端ないが、土曜日の午後はどうしてもはずせない打ち合わせがあるらしく、3時間だけガブリエルが寝所からいなくなるという。だからそのタイミングにあわせ、宮殿へ来ないかと書かれていた。
ガブリエルの寵愛、そんなにすごいのか。
ゲームの設定を覆す婚姻だった。
でもガブリエルと柚乃の相性が良かったのか、柚乃の豊富な知識にガブリエルがメロメロになったのか。
いずれにせよ、その辺りのことも聞きたいし、土曜日は柚乃に会いに行こう。
早速返事を書き、天空局という、前世で言うところの郵便局のポストのようなところに、手紙を投函した。
◇
翌日以降の特別授業でも、難易度の高い清めを行うことになった。
でもアクラシエルは、ラファエルとのカウンセリングで、ジレンマを克服していた。例の逞しくなりたいが、華奢な自分とのギャップについてだ。その際、癒しの力を強化するための集中力も、ラファエルから学んでいた。アクラシエルはそれを、私にも伝授してくれた。その結果、二人して強い悪魔の魔力を、清めることができるようになった。
特別授業が終わると、アクラシエルはラファエルのカウンセリングへ向かい、私は……。
推しであるミカエル様に会える日に備え、密かに自分磨きをすすめていた。
翼の手入れをしてもらい、ヘアケアをして、爪の形を綺麗に整える。眉毛を揃え、ムダ毛を処理し、自作したビューラーで、睫毛も綺麗にカールした。
香油もとびっきりの一本をブレンド。キトンも純白で触り心地のいいものに新調した。
前世でも、ファンイベントに行く時は、目一杯オシャレをしていた。それと同じ心理が、働いていたのだ。
ミカエル様に会えるのは月曜日だったが、今日は柚乃に会いに行くことになっている。
私の気合を入れた姿を柚乃に見せ、ここは一つ評価をしてもらおうか。
私は自作ビューラーで睫毛をくるんと上向きにして、ピオニーとローズ、ムスクをブレンドした華やかで深みのある香油を全身に塗る。三つ編みをほどき、ゆるくウェーブを描く髪にも、香油を薄く延ばしてつけた。
お祝いのために用意したバラの花束とホワイト・ベーカリーのケーキを手に、柚乃に会いに行く。
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次回更新タイトルは「驚きの変化」です。
明日も2話公開です。
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以下作品が完結しました!
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明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
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