58:三人目の協力者
街へ行く時、いつも天空図書館を目印にしていると柚乃に話すと「実は私も」と、意見が一致した。だから二人して天空図書館に降り立ったところ……。
丁度図書館から出てくるマティアスと遭遇した。
すると。
柚乃の眼の色が変わる。
「本物のマティアスだ! ヤバイ、神レベルでカッコいい」
完全にマティアスに見惚れている。
今日、柚乃は作戦がうまくいけば、神殿でガブリエルと結ばれることになっている。それなのにあっさりガブリエル以外に目が釘付けになっている状態には……苦笑するしかない。
「……アリエル、今日はどうした? 昨日のウリエルはうまくいったか?」
親し気にマティアスから話しかけられた私を見て、柚乃は羨ましそうな顔をしている。
「はい。おかげさまで、大成功でした。香油のブレンドは完璧だって言われました」
「そうか。それは良かった」
マティアスは心からの笑顔で、とても美しかった。
柚乃の目は完全に♡マークになっている。
「マティアスさんが香り選びで協力してくれたおかげです。本当に、ありがとうございました」
「それで、今日は何をしに来た?」
マティアスとここで会うことは……完全に想定外。
だが。
実はいろいろシチュエーションを考えた時、あと一人協力者がいたらと感じていた。
その協力者にマティアスを使えないかと、この瞬間思いついていた。
ゲームの設定では、マティアスはガブリエルとソフィアが恋仲になるのを邪魔するため、アリエルに協力するはずだった。そして柚乃と私は、間違いなく邪魔をするために動く。うまくやればマティアスは協力してくれる。
そんな風に思えたのだ。
「彼女、私の親友のエルサです。学校の同級生で、神官の『役割』の実習にも参加していました。そこでは古の悪魔の魔力を帯びた剣を拾ってしまい、大変だったのですが……。でもそれで天界救急本部に運ばれ。そこで運命的な出会いを果たしたのです」
マティアスは私をじっと見ている。
話しの続きを、聞きたがっている。
「ガブリエルを見て、エルサは一目惚れしました。それで今日は、ガブリエルに告白するためにここに来ました」
まったく想定していない話だったのだろう。
マティアスは驚いた表情を浮かべている。
「……そうか。それは……うまくいくといいな」
柚乃は何やら私が作戦を思いついたと気づいたようだ。いつもの笑みを浮かべ、黙って私を見ている。
「マティアスさん、ここで会ったのも何かの縁。一つこの告白が上手くいくように、頼まれて欲しいことがあるのですが……」
この申し出も予想外だったようで、マティアスは驚きながら私を見る。
「俺で協力できることであれば」
良し!
「ガブリエルさんのそばには、ソフィアさんがいることが多いですよね。別にソフィアさんが邪魔、というわけではないのですが、ガブリエルとエルサを二人きりにしたいのです。だからマティアスさんとソフィアさんが、この後会うことにしてもらいたいのですが……」
やはりマティアスは驚いた顔をしたが、「邪魔」というワードは、ゲームの設定とマッチしたのだろう。
驚きはしたものの、こう答えてくれた。
「それはつまり……ガブリエルに会いに行ったお前たちは、ソフィアに対し、『マティアスさんがソフィアさんのことを探していましたよ』とでも言う。するとソフィアは俺の部屋に尋ねてくる。ガブリエルは一人になるから、そこでエルサが告白をする、ということか?」
柚乃は「なるほど!」という顔で大きく頷いた。
「はい。その通りです。理由はなんでもいいのですが、とにかく一時でもいいんです。ガブリエルさんが一人になってくれれば」
マティアスの顔を見ると……。
「その程度の協力であれば、俺でもできそうだ。まあ、一人で食べるには余る量の夕ご飯を作った、ということにでもしておこう」
マティアス、ナイス!!
「ぜひ、お願いします!」
こうして私達は、マティアスとは香油のお店の前で別れた。
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次回更新タイトルは「私だけぼっち」です。
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