57:躊躇している暇はない!
翌日、朝からアクラシエルは元気がない。
どうやら私と柚乃による筋肉賛歌は、アクラシエルにかなり響いたようだ。何度も腕に力こぶができないかと試しては、ため息をついている。
昨日、浴室清掃の後、私の姿が消えたことさえ、気にしていない状態だった。
まあ、根ほり葉ほり聞かれずで、助かったのだが。
しかし。
学校に着くと柚乃が「昨日はどうしたの⁉ 突然いなくなってビックリした。宮殿の『役割』についている天使からは、『アリエルさんはウリエル様に呼ばれたので、皆さんは先にお帰りください』としか言われなかったし」ということで、アクラシエルの代わり(?)に、柚乃から質問攻めだ。到底朝の短い時間では話しきれない。昼休みを使い、昨晩のウリエルについて、話すことになった。
ちなみにアクラシエルとは、昼休憩を別々にとることになったが……。
アクラシエルは「あ、うん。別々で構わないよ。昼休みにトレーニングするつもりだったから」と、あっさり快諾された。
そして昼休み。
ウリエルが、ソフィアとマティアスに、記憶を見せてくれると知った柚乃は……。
「すごいじゃん、カナ! マティアスとソフィアの記憶が戻れば、もうそこは間違いないでしょ」
柚乃は我がことのように、昨晩の成果を喜んでくれる。
「しかし、『抱きたいと思った』とか、言われてみたいわ~。しかもあのイケメンで立派な体のウリエルからだよ。どうぞ抱いてください、って自分で熨斗をつけて差し出したいぐらいだわ」
「え、柚乃はガブリエルなんじゃないの?」
すると柚乃は、不敵な笑みを浮かべる。
「まあ、ガブリエルは本命よ。優良物件だから。ウリエルはリゾートホテルみたいなものね。たまに泊まるから楽しい。遊び相手にぴったり。お互いに後腐れなく。でもまあ、ここは天界だから、そんなことはできないのだけど」
不倫や不貞は、天界では御法度だ。もし守らなければ、主による裁きが下される。
「とりあえずウリエルの件は順調ということで、あとガブリエルの方よね。でも安心して。昨日、あの後、天界役場に行って、忘却の矢は手に入れたから」
「はやっ!」
「だって早くガブリエルをどうにかしないと、本格的にガブリエル攻略ルートを突き進むことになるでしょ。今晩にも実行するつもりだから」
「え、そうなの!?」
急展開過ぎて、驚くばかりだったが……。
「モタモタしていると、ガブリエルとソフィアがくっついちゃうよ。そうしたらあんたのフラグは折れなくなっちゃう。躊躇している暇はない!」
柚乃の言うことは一理ある。
ということで今日の放課後は、例の広場へ向かうことになった。そこでガブリエルを待ち伏せし、神殿へ向かう。一応広場に行くにあたり、許可書も入手済みだ。
アクラシエルに、今日は放課後用事があると伝えると……。
「僕も用事があるから」と、これまたあっさり承諾された。
間違いなく、カウンセリングルームに行くのだろう。
授業が終わると、柚乃と私は、校舎の北側にある、めだか池へ向かう。
沢山の藻で、緑茶のような色に見える小ぶりのめだか池には、誰もよりつかない。そこで柚乃と私は、ガブリエルを待ち伏せし、忘却の矢を突き立てるためのシミュレーションを何度も行った。考えうる様々なシチュエーションを試し、なんとしても成し遂げるという決意を固めた。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!
次回更新タイトルは「三人目の協力者」です。
【サプライズ情報】
実は本作に登場している
『千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~』
という小説は、以下で読むこと可能です。
https://book1.adouzi.eu.org/n8017hs/
↑
実は、昨日、完結しました!
なろうデビューした初期投稿作品なので
最初のエピソードは稚拙かもしれませんが
(いつか手直しをしたい)
【Episode3】魔界大騒動のラスト4話は
小説版ウリエルの別の側面を楽します。
(作中ではエウリールという呼び名です)
まさに「If」のウリエルの姿です。
本作を読む読者の皆様なら
Episode1で
ソフィアとマティアス
Episode2で
アリエルとガブリエル
アクラシエルとラファエル
Episode3で
ウリエルとミカエルを、満喫いただけると思います。
皆様、ご多忙とは思いますが
ぜひcheckしてみてください。
それでは明日もよろしくお願いいたします!










































