55:まさか、体を……求められている?
「マティアスとソフィア、その二人分を要求するなら……。アリエル、お前はもみほぐし以外にもう一つ、おれに何かしてくれないと、等価にならないのでは?」
そう言うなり、私の体は寝台の上に押し倒されていた。
「!?」
ウリエルは覆いかぶさるように両腕をつき、私を見下ろす。
この、とんでもないシチュエーションに、心臓が早鐘を打ち始める。
「アリエル、お前は俺に、他に何ができる?」
……!
まさか、体を……求められている?
柚乃が突然私の胸を、指でぷにっと押した時のことを思い出す。
――「カナ、あんたさ、すご~い、ナイスバディなんだよ? 自覚ある?」
――「プレイボーイのウリエルが、この体をほっとくわけないでしょ」
そうか。そうだよね。
いざとなればこの体を使うつもりだった。
ならばウリエルに差し出すことを、厭う必要はないはず。
それにウリエルは信じられないぐらい素晴らしい体をしているし、そっちのテクも絶対にスゴイと思う。
だったら……。
「私はウリエルさんと違い、ただの天使です。そんなに特技は持ち合わせていません。ですから私が他にできることと言えば……この体を差し出すことぐらいしかありません」
ウリエルのサファイアブルーの瞳は、射抜くように私を見ている。
「それで満足いただけるなら、喜んで差し出します。……ただ、それでウリエルさんはいいのですか? ここ天界では、男女の交わりを持っていいのは、神殿で婚儀を挙げ、婚姻関係にある者同士のみ。つまり、私を伴侶にする。それでいいのですか? 他に心に想う相手はいないのですか?」
すると……。
サファイアブルーの瞳を細め、ウリエルはフッと笑みを漏らした。
ゆっくり体を起こすと、私の体を支え、寝台から起き上がらせる。
「アリエル、お前はなかなかにイイ女だ。……抱きたい、と思ったのは事実だ。マティアスとソフィア、この二人の記憶を戻せば、おれは地上へ堕とされる。その力を使うことは禁忌だからな。ならばお前を抱いて、共に地上に堕ちる、とも考えたが……」
ウリエルが私の顎をまたも持ち上げる。
「お前に相応しいのはおれではない。おれよりもっとすごい奴のために、純潔は散らさずにとっておけ」
そう言うとウリエルは、私の額に唇を押し当てる。
「アリエルが最高の男と出会え、抱かれるように」
とんでもない祝福を与えられた。
「マティアスとソフィアの件は任せろ。おれは堕天して地上に堕ちることを、厭う気持ちはない。むしろ、地上にいる女を渡り歩き、存分に快楽を味わうつもりだ」
ウリエルは大天使とは思えない一言を放ち、微笑んだ。
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次回更新タイトルは
「まるで恋人と過ごしたみたい」
「躊躇している暇はない!」
です。
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