46:ヤバい傾向
トイレから果樹園に戻る道中でも、柚乃とじっくり話をした。
現状のソフィアの状況や、ガブリエルとの距離が縮まっているようであること。
私は悪役令嬢ポジションにつながるフラグを折りたいと思っていること。
その一方で本能とも言うべきゲーム設定が働き、ガブリエルに恋している状態であり、ソフィアとガブリエルが仲良さそうにしていると、悪役令嬢ポジションモードにスイッチが入りそうになることを話した。
「それは確かに危険な状態かも。間違いなく、ガブリエル攻略ルートを進みつつあるね。だってソフィア、ガブリエルと悪魔狩りへ出ているのでしょ? あたしがプレイした時、まさにそうだったから。で、アリエルはマティアスとの距離を縮めていく。カナ、あんたマティアスと親しくなっていない?」
「なっている……」
「ヤバいね」
マティアスと香油のお店に行き、家へ招かれ、送ってもらって。
キュンキュンしていたが、それどころではないわけだ。
「このままだと私、マティアスとはいい感じになれても、主の白い炎に焼かれて死ぬことになるのね……」
「……そうだよね。なんとか回避する方法を見つけないと。けどなー、ゲームのストーリーが分かっても、その通りには進んでいないみたいなんだよねー。アリエルが果樹園でマスカットの摘粒やっているなんて描写、なかったし」
「そうなの!?」
いや、そうだろう。そんなの描写されても、ねぇ。
しかし。
柚乃がガブリエル攻略ルートをプレイしているので、なんとかなるかと思いきや……。
ストーリーの進行はゲームとも違っているようだし、悲惨な末路が分かっただけで、回避策は……見つかるのだろうか?
いや、諦めてはならない。
その思いは柚乃にも伝わったようだ。
「カナ、とりあえず時間を見つけて、回避策については考えよう」
果樹園が見えてきた。
「うん。ありがとう」
カナと私はマスカットの摘粒作業に戻った。
◇
午前中の摘粒作業を終えると、一時間半のシェスタになった。
シェスタ。
つまり昼ご飯とお昼寝休憩だ。
アクラシエルは当然、シェスタを私と過ごせるものと考えていた。
が。
私がエルサと過ごすと言いだすと……アクラシエルの落胆ぶりは、半端ない。
アクラシエルはこのゲームの世界で最初に会話し、出会った相手なので、無下にはしたくなかった。でも、今は私にとって、白い炎に焼かれる未来を回避できるかどうかという、重要な局面に差し掛かりつつあった。
だから。
シェスタの時間を使い、フラグを折る方法を話し合った時。
アクラシエルをどうするかについても、柚乃と話し合っていた。
じっくり話せるようにと選んだ、池のほとりの東屋で。
「なるほど。悪い奴じゃないけど、何かとかまってちゃんで面倒だと。これからフラグを折るために自由に動きたい。そんな時に絡まれるのは……確かにウザイね」
柚乃の言葉に、私は強く頷く。
「じゃあ、アクラシエルには、とっとラファエル様の元にいってもらいましょうか」
「え、柚乃、そんなに簡単に言うけど、相手は大天使だよ。しかもアクラシエルの売りは、ロングヘアで中性的な美しさなのに、髪、切っちゃったし」
「大丈夫。ウリエルの攻略ルートの時、アクラシエルは髪を切っていたから」
柚乃によると、その攻略ルートのアクラシエルは、ソフィアに好きになってもらうために、男らしくなりたいと思うようになったのだという。そして髪を切り、今のような姿になる。
が。
自分の体が華奢であり、他のライバルが逞しい肉体を持つことに、悩むようになる。そしてその悩みを解消するため、天界救急本部のカウンセリングルームに、足を運ぶことになる。そこで話を聞くことになるのが、大天使ラファエルだ。
ラファエルは自身が二面性を持つこともあり、アクラシエルの悩みに寄り添い、そして二人は次第に……となっていくというのだ。
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次回更新タイトルは「驚きの作戦」です。
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