45:S的な傾向
柚乃と私は小走りでトイレに向かいながら、話を再開する。
何せ宮殿は広い。トイレも遠い。
「柚乃がうっときたということは、私達、折り重なるようにして倒れているのかな」
「どーなんだろう。まるでゲームの奪い合いをして、相討ちで死んだ、みたいになっていたら笑えるよね」
「笑えないよ。というか、柚乃はこのゲーム、プレイしたの?」
「あ、うん。でも全部は攻略していない。攻略したのはウリエル、ガブリエルね」
私は爆笑する。
「また、そんな遊び方している、柚乃!」
「だってマティアスを攻略しても、記事として面白くならなさそうな気がしてー。それにあれだけソフィアたんにゾッコンなのに、他の男にとられたら、マティアスがどんな反応するか気になるでしょ」
「まあ、そうだけど」
柚乃は少しS的な傾向がある。だからこそ王道をいかないので、いつもユニークな記事を書いている。ゆえにネットでは、一定の支持者となる読者を持っていた。
「それで、どうだったの?」
「うん。すごかった。ウリエルは……いいよね。さすがプレイボーイの百戦錬磨だから。もう口説き方も、口説き文句も、ソフィアたんをメロメロにするものばかりで」
「そうなんだ」
そうなんだ、じゃない。
実際に体験してみて、そうだったよ、確かに。
「ガブリエルは……。面倒だったよ。とにかくあんたの邪魔が半端なくて」
「!? 私!?」
「そう、アリエル。婚約者だからさ。婚約者いるのにソフィアたんに攻略されちゃうから。アリエルのいじめは熾烈だった。最後はソフィアたんを毒殺しようとして、それがバレて主の白い炎に焼かれていたよ」
最悪だ。
本当に最悪。
「でも、そんなの可愛いもんだったよ。ソフィアたんと結ばれないマティアスが大変なことになるから。ウリエル攻略ルートのエンディングでは、マティアスはショックで魔王に覚醒し、魔界再建に向け地上で悪魔を集めて天界との戦争始めちゃうし。ガブリエル攻略ルートの最後では、あんたと一緒に白い炎に焼かれていたし」
「え、なんで!?」
「ガブリエルとソフィアたんがくっつくのを、悪役令嬢ポジションのあんたは……アリエルは阻止しようとするわけでしょ。それはマティアスも同じなわけよ。阻止したい、という点で。だからアリエルとマティアスは手を組むわけ。手を組んで……どんな関係になったのか、試供版だから確認できなかったけど、もしかしたら二人はデキていたかもしれない。でもまあ、最終的に嫌がらせしているとバレてしまい、白い炎に焼かれてお終い~」
!? でもそれはおかしくないか!?
「マティアスは、ガブリエルとソフィアが結ばれるのは阻止したいけど、ソフィアが死ねばいいとは思っていないわけでしょ。アリエルが毒殺しようとしたら、それは止めるよね!?」
「あー、それね。毒殺しようとしているとは気づかず、白い炎にアリエルが焼かれそうになっているのに気づき、助けようとして命を落とすわけ~。マティアス超イイ人」
「なるほど……。それで他のルートの情報はないの?」
柚乃は首を振る。
「まだプレイしていなかったから。あ、でも、ミカエルのルートは試供版ではプレイできなかったし、超難易度高いらしい、という噂だけは聞いたかな」
「その噂は本当な気がする」
そこでトイレについたので、とりあえず話は中断した。
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次回更新タイトルは「ヤバい傾向」です。
【お知らせ】新連載がスタート!
『断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?』
https://book1.adouzi.eu.org/n8030ib/
悪役令嬢だと気づきました。
でも遅かったようです。
断罪は既に終了、フラグ回避行動もできず
攻略対象とも何もなく、ただ詰んだ後でした――。
まさか・どうして・なんでの連続に
立ち向かうヒロイン。
こんな相手にときめいている場合じゃない!
それなのにドキドキが止まらない。
でも安心してください。
最後にはハッピーエンドが待っています!
投稿作業は不得手筆者が
必死の一日2回更新に挑戦中!
本日だけでも4話公開されています。
ぜひ、ご覧いただけると幸いです!!
それでは明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
次回もよろしくお願いいたします!










































