40:今日は……街でデートか?
授業が終わった後、すぐに街へ行こうと思ったが……。
先に宿題を済ませることにした。
昨日、外出後に宿題をやるのが、かなりしんどかったからだ。眠気との戦いで。
2時間みっちり宿題にあて、その後は一目散で街へ向かう。
いつもの目印である天空図書館に降り立つと……。
「あ、マティアスさん!」
図書館からマティアスが出てきた。
マティアスは私を見てまず驚き、そして後ろにいるアクラシエルに気づいた。そして私とアクラシエルを交互に見ながら尋ねる。
「今日は……街でデートか?」
「違います」「そうです」
私とアクラシエル、同時に違うことを答えていた。
マティアスは困ったような顔で、私とアクラシエルを交互に見る。
「マティアスさん、こちらクラスメイトで、家が隣で親友のアクラシエルです」
親友、という部分を強調して紹介した。
それからふくれっ面のアクラシエルに、マティアスのことを紹介する。
「こちら、マティアスさん。天空図書館の係員の『役割』を担っているの。昨日、困っているところを助けてもらったのよ。とても親切な方で、夜遅いからって家まで送ってくれたの」
アクラシエルはなんだか不機嫌そうだったが、挨拶だけはちゃんとした。
「マティアスさん、はじめまして。アリエルが昨日はお世話になりました。僕はアクラシエルです。よろしくお願いします」
マティアスはそんなアクラシエルを見て、フッと笑みを漏らす。
「アクラシエル、マティアスだ。よろしく」
いつも通り落ち着いていて、大人の余裕みたいなものが漂っている。
子供っぽくむくれるアクラシエルと比べると、さらにマティアスの貫禄が際立つ。
「それでアリエル、アクラシエル、図書館に用事か?」
「いえ、いつも図書館を目印に飛んできているだけで。これから香油のお店へ行くつもりです」
「そうか」
マティアスは歩き出した。
私はマティアスを追いかけ、横に並ぶ。
その私を追いかけたアクラシエルは、私の横に並んだ。
「マティアスさんは、香油のお店の二階に住んでいるの」
アクラシエルは「なぜマティアスと一緒に行くのか」という顔をしていたが、私のこの一言で納得したようだ。
「週末には街へ来るというのに、今日、わざわざ来たということは……。急ぎの用事なのか?」
マティアスは前を見たまま、私に尋ねる。
「はい。実は……」
私はウリエルとの因縁について話すことになった。
古の悪魔の魔力を清めた時、ウリエルも現場にいた。私とアクラシエルの癒しの力を目の当たりにしたウリエルは、神官になるよう学校に推薦すると言ってくれた。でも私は、「大天使の宮殿への宮仕え」の『役割』をしたいとウリエルに言い、神官への推薦を辞退してしまった。
その時ウリエルは、せっかく強い癒しの力を持つのに勿体ない、という言い方をしながらも、私達への関心はなくなったように見えた。でも今日、教師から、ウリエルの采配で、「大天使の宮殿への宮仕え」の『役割』の実習が、行われることになったと聞いた。
もしかするとウリエルは、実習の結果をみて、その出来がたいしたことがなかったら、神官の『役割』を担うよう、説得するもつもりなのではないか。
そんな風に考えていることを、マティアスに聞かせた。
「つまりアリエルは、その実習で担った『役割』を完璧にこなせないと、神官の『役割』を担うことになるのか。そしてそれは本意ではないと?」
「……つい最近まではそう考えていました。でも今は……神官の『役割』で、自分の強い癒しの力を生かすという選択も視野に入っています。ただ、ウリエルさんに対し、啖呵を切ってしまっていたので……。やるからにはちゃんとやろうと思い、街へ来ました」
マティアスは「なるほど」と小さく呟き、私に尋ねる。
「しかし、『大天使の宮殿への宮仕え』の『役割』と、香油がどう関係してくる?」
「それは……」
入浴の手伝いを希望していることを、マティアスに話すべきかどうか迷っていたのだが……。
「アリエルは『私はもみほぐしが得意で、香油についても今、勉強しているところです。大天使の皆さんの希望に合わせた香油をブレンドし、入浴後、その香油を使って、疲れた体をもみほぐすこともできます。ですから私の希望は、入浴の手伝いの役割です』って、ウリエルに訴えました。だから多分、アリエルは今回の実習で、希望したその『役割』をやることになると思うのです。それでできる限りを尽くしたいということで、今、香油のお店へ向かっているのです」
アクラシエルがあっさり話してしまった。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
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次回更新タイトルは「ベッドを見て、すごくドキドキ」です。
明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
それでは明日もよろしくお願いいたします!










































