30:やることしか考えていないだろう!!
私は……頭を抱えることになる。
もう「どうして?」という言葉しか思い浮かばない。
今、私とマティアス、そしてガブリエルとソフィアという組み合わせで、街の中にあるカフェにいた。そこで表向きは当たり障りのない自己紹介をして、それぞれの関係性を話していた。
その会話の中で分かったことがいくつかある。
まず、ソフィアは三日前に天界に来て、偶然悪魔狩りへ向かおうとしていたガブリエルと出会った。
魔界へ来ていきなり大天使に会う。
まさにヒロイン設定だ。
上級天使に出会えたアリエルの比ではない、幸運設定と言える。
というか、そもそも悪魔狩りに向かうガブリエルが、たかが天使のために足を止めること自体が、ヒロインご都合主義というか……。
なぜソフィアのために、悪魔狩りに行くのを中断し、声をかけたのか。
ガブリエルは、その理由を明かしていない。
でも間違いなく、ソフィアの美しさに、女性としての魅力が最大限包まれた体に、惹かれたに違いなかった。
声をかけられたソフィアは、自分が天界に来たばかりだと、ガブリエルに話した。するとガブリエルは、まだ住む場所がないなら、自分の宮殿に来ないかと誘った。
誘った……。
いや、これはナンパです。間違いなく。
いきなり出会って数分で家に誘うなんて、やることしか考えていないだろう!!って感じ。
例えそれがただの家ではなく、宮殿だとしても、だ。
でもそこでソフィアがほいほいついていくような女なら……。マティアスとのハッピーエンドを応援してやろうという気にもならない。
が、一応、それは辞退した。
ガブリエルが大天使だと分かり、遠慮したわけだ。
そこだけは褒めてもいい。
で、ガブリエルは、では、ということでホワイト・ベーカリーの二階の部屋を紹介した。
ソフィアはケーキやパンが好きだから、紹介された部屋に喜んで住むことにしたのだが。
肝心なのはその後だ。
『役割』の話が出ると、ソフィアは何が得意なのかを、ガブリエルにベラベラしゃべった。それを聞いたガブリエルは……。
恐らく、ソフィアと一緒にいたいと思ったのだろう。
アリエルという存在を忘れ、ソフィアにこう言ったらしい。
「弓の腕に自信があるというなら、騎士にぜひならないか?」と。
つまり、大天使による騎士へのスカウトを行ったのだ。
大天使からスカウトされて、断れる天使なんているわけがない。
ガブリエルの大バカ者!!
自分の欲求を優先し、ヒロインを騎士に誘うなんて……。
騎士になったソフィアは、寝ている以外はほぼガブリエルと一緒。ライバルがソフィアに会うチャンスは限りなくゼロに近くなる。ヒロインを攻略するという視点で見ると、ガブリエルの戦略は完璧だ。でも、これは乙女ゲー。ガブリエルは攻略される立場なのに。なんて余計なことをしてくれた!?
しかし……。
いくら弓の腕に自信があるからって、騎士の『役割』を担おうと思ったりする?
悪魔狩りをしたいと考える?
ヒロインだよ、ソフィアは。
そう思ったのだが、どうもその時点でソフィアは、騎士が悪魔狩りへ行くことを理解していなかったようなのだ。悪魔狩りのことをよく知らず、住む家を紹介してくれたガブリエルにぜひにと言われ、快諾していた……。
マティアスがいるのに、何快諾しているの、ソフィアは?
もしかして攻略対象をガブリエルに決めた、とか?
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次回更新タイトルは「ディスりまくり」です。
明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
それでは明日もよろしくお願いいたします!










































