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悪役令嬢ポジションで転生してしまったようです  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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27/99

27:さすがです

マティアスを連れ、広場に向かう。


武器を格納する小屋にいた天使に、すぐに声をかけられた。


「君は昨日、大活躍した実習生だよね? いにしえの悪魔の魔力を清めた。神官でも三人がかりで清める魔力を、二人で清めるなんて、本当にすごいね。癒しの力がよっぽど強いのだろう。それで、今日はどうしたの?」


「はい。えっとその……」


「昨日はそのいにしえの悪魔の魔力を清めたことで、実習に最後まで参加できなかった。だから心残りというか、もう少し現場を見て置きたいという思いが、アリエルの中にあった。それでつい足を運んでしまった……という感じだ。少し離れた場所から、見学させてもらうことはできないだろうか? 俺は彼女の付き添いだ。アリエルは上級天使だから、送迎を俺が担当している」


マティアスが助け船を出してくれた。


しかも昨日、あの場にいたわけではないのに、上手いこと話しを合わせてくれている。


「なるほど。そいうことか。ではラファエル様に確認するから、ちょっと待っていてくれ」


大天使であるラファエルが、この広場にきている!?


驚きつつ、足早にどこかへ向かった男性天使の背中を見送る。


「アリエル、お前、神童だったんだな」


そうか。


いにしえの悪魔の魔力を清めた件は、そもそもマティアスに話していなかった。だが間違いなく、あの一件は、街でも噂になっていたはずだ。それにさっきの男性天使の話を聞いて、私の状況を理解した。その上でマティアスは、助け舟を出してくれたのだ。


マティアス、さすがだな。


そんなことを思いながら、自分のことを神童と言ってくれるマティアスに、感謝の気持ちを伝える。


「……そ、そんな。たまたまです。アクラシエルという友達……いえ親友も助けてくれて。それで清めることができました。というか、助け船ありがとうございます。冷静に考えれば、この広場、そう簡単に入れないですよね……」


マティアスはフッと笑みを漏らす。


「本当にアリエルは無鉄砲だな。そんなことも考えずにここに来るとは」


ホント、お恥ずかしい限りだ。


ここでは18歳という設定だが、前世では三十路を過ぎていたのに。いくらなんでもこれは……。でも、家と会社の往復で処世術に長けていないというのは……事実だ。それに比べるとマティアスはそういうのに慣れていそうだ……。


ソフィアと結ばれるまでは、助けてもらうことにしよう。


「アリエルちゃん」


澄んだ声が聞こえた方を見ると、ラファエルが笑みを浮かべ、こちらへ歩いてくる。


「昨日はお疲れだったね。今日はちゃんと学校に行けたかい?」


「はい。昨日はありがとうございました。ラファエルさんのおかげで、元気に学校に行くことができました」


「それは良かった。今日は現場の見学をしたいのかい?」


私はこくりと頷く。


「その、学校に許可をとったわけではなく、勝手にきてしまいました……」


バツが悪そうにする私を見て、ラファエルは微笑を浮かべた。


「勉強熱心だね、アリエルちゃんは。ただ、ここは危険な場所だ。今後はちゃんと学校に許可をとって、護衛の騎士をつけてもらわないとね。でも今日は特別だ。昨日の一件があったからね。今日は私がこの現場を監督している。だからアリエルちゃんが、この広場に入ることを許そう」


そう言ってからラファエルは、マティアスを見る。


「君は?」


ラファエルはマティアスを知らない。

ということは元魔王であることも知らない、という設定なのか。


「俺はマティアス。騎士ではないが、アリエルの付き添いだ。アリエルは上級天使だから、送迎を担当している」


「なるほど……」


頷きながらラファエルは、マティアスをじっくり見る。


「素晴らしい体をしているね。間違いなく騎士向きだ。騎士登録はしていないのかい?」


「体だけは丈夫なのだが、どうも騎士のような精神が足りなくて。悪魔を前にしたら腰を抜かすと思う」


マティアスの言葉を聞いたラファエルは、快活に笑った。


「とても腰を抜かすなんて思えないな。その鋭い眼光。そのは戦を知っている目だ。……でもまあ、いいだろう。魔界は制圧され、今は戦もなく、地上に残る悪魔を掃討しているだけだから。戦力が足りないわけではないからね」


ラファエルは視線を、マティアスから私に戻す。


「では見学によさそうな場所に案内しよう」


ラファエルが歩き出し、その後に私とマティアスは続いた。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「男性騎士の肉体美を見るチャンス!?」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日もよろしくお願いいたします!

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