11:まごうことなきイケメン
授業が終わると部屋には戻らず、そのまま一目散で街へ向かった。
街がどこにあるのか分かるかな、と思ったが、アクラシエルは街へ行ったことがあるようだ。私をちゃんと誘導し、目印となる塔まで連れて行ってくれた。
目印の塔、それは天界図書館だ。
私達は天界図書館の前に降り立った。
天界図書館、デカい!
前世では高層ビルを見慣れていたはずなのに、この塔の高さには驚くことになった。
「ここまで高いと、上を見上げても、天辺まで見ることができないよね」
私の言葉にアクラシエルは頷く。
「頑張って見ようとしたら、後ろにひっくり返りそうになる」
そこで私は翼を羽ばたかせながらならいけるかな、と思い、一度引っ込めた翼を出そうした。
その時だった。
翼が何かにぶつかった。
「!!」
慌てて翼を引っ込め、後ろを振り返りながら謝罪の言葉を口にする。
「すみません!」
「ごめん、ごめん。つい綺麗な天使だな、と思って、うっかりおれが近寄ってしまった。邪魔してすまないな」
その顔を見て、私は目を見張ることになった。
金髪にサファイアブルーの瞳、逞しい体をしているこのイケメンは……。
大天使ウリエルだ。
しかも、話し方が、天界モードではない。
完全に魔界・地上モードだ。
天界モードのウリエルだったら、こんな口調になるはずだ。
「ごめんよ。綺麗な天使を見かけ、わたくしとしたことが、うっかり近寄り過ぎてしまった。邪魔をしてしまい、すまないね」
この話し方の違いからして、このゲームの世界のウリエルは、天界においても優雅ではなくワイルドにふるまうものと判断できた。
「ところで君はなぜ、突然翼を広げようとした?」
美しいサファイアブルーの瞳を私に向け、ウリエルが不思議そうに尋ねる。
……なんて綺麗な瞳。
まごうことなきイケメンだ。
アクラシエルは美少年に分類されるのだろうが、私からすると美少女のように見える。
だから可愛らしい、美形だなとは思ったが、ドキドキすることはない。
でもウリエルは……。
間違いなく、美青年。
カッコいい……。見つめられれば当然ドキドキする。
乙女ゲーで、二次元では、イケメンは見慣れていた。
でも三次元になると全然違う。
頬と耳が熱い。どう考えても私の顔は、真っ赤になっているハズ。
しかもあまりにもハンサム過ぎて言葉が……出てこない。
「大天使ウリエル様ですよね。アリエルが翼をぶつけてしまい、すみませんでした。アリエルも私もここにはあまりに来たことがなくて……。天界図書館があまりにも高くて、天辺が見えないねって話していたんです。それで多分、アリエルは……。翼を使って地面と水平になりながらなら、天辺が見えると考えたんだと思います。それを実践しようとして……」
アクラシエルが助け船を出してくれた。
「なるほど。ではアリエル、おれを使うといい」
ウリエルはそう言うなり、純白の翼を広げ、私を抱きかかえた。
心臓が止まるかと思った。
前世でも経験がないお姫様抱っこを、イケメンにされている。
しかも大天使ウリエルに。
地面から数メートル浮くと、ウリエルは私を抱き上げたまま体を斜めにし、上を見るようにと囁く。
耳元にウリエルの息がかかり、もう私は気絶しそうだった。
「どうした、アリエル? 緊張しているのか?」
さらに言葉を紡がれ、私はもうどうしていいか分からなくなってしまう。
「ウ、ウリエル様、私達、街に用事があります。大変申し訳ないのですが、アリエルをおろしていただけますか」
アクラシエルの必死の声に、ウリエルが微笑む。
「天使を困らせてはいけないな」
そう言うと、ゆっくり地面に戻り、私をおろそうとしたその時。
頬に何かが触れた。
ほんの一瞬だったが、温かみと柔らかさを感じた。
まさか……。
頬にキスをされた!?
私は地面に降ろされるなり、フラフラしてしまい、アクラシエルに抱きとめられた。
「随分と初々しくて可愛らしいお嬢さんだ。……アリエル、また会えるといいね」
ウリエルはそう言うとイケメンスマイルを残し、天界役場の建物の方へ向かった。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!
次回更新タイトルは「初めての体験にショート寸前」です。
明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
それでは明日もよろしくお願いいたします!










































