装甲の重要性
ホノボノです
「うーむ。まだ見えないな。」
限界まで高く飛んで遠くを見通すが、道の先には一向に街が現れない。
「リーシャ、まだまだみたいだぞ。」
一体いつになったら着くんだろうか。
「リーシャ?」
返事が無い。不審に思って下まで降りると、リーシャが深刻そうな顔をしていた。
「何かあったのか?」
早く街に着かなければならない理由でもあるのか?
「ユニエ、なんでパンツ履いてないの。」
なぬ。
「可愛いお尻が丸見えだよ。」
「リーシャ、、、」
どうしよう。
「微塵も恥ずかしく無いぞ。」
羞恥心が無い。そう言われた時のリーシャの顔は見ものだった。
「ユニエ、街に入ったら人がたくさんいるんだよ?今まで通り宙に浮かんでいたら、ただでさえ見えちゃうのに、その上丸出しだなんて。とにかくパンツ、それからその格好も少しあっぴろげ過ぎるから、なんとかしないと。」
あれ?恥ずかしく無いなら、なんで服を着たんだっけ。えーと、、、そう、全裸は不味いと思って。その考え方で行くと、確かにパンツは必要か。
「パンツはわかった。しかし服装はこのままの方がいいんだが。水を操る時は、この衣から水を切り離して使っているからな。」
「その手法じゃ無いと駄目なの?」
「私が水を使うのには手順がある。水を体から出して、それを操る。あらかじめ水を出しておかないと、咄嗟に使えないからな。」
「うーん、でもそれは普段から水球を何個か用意しておけばいいんじゃないの?」
「水球を何個も同時に、しかも大量に操るのは難しいんだ。それだったら服のようにして、自分の動きに合わしてついてくるようにした方が、やり易いんだ。」
「まあ、服の事はユニエなりに考えがあるのはわかったよ。問題はパンツ!」
「パンツか。パンツ、どこかにあるのか?あっ」
良いこと思いついたぞ。
「リーシャ、お前が履いてるパンツをくれ。ズボンなんだから履いてなくても問題無いだろ。」
その途端、リーシャは顔を真っ赤にして殴りかかってきた。
「なんで避けるの!」
いや、避けるだろ。
「もー!デリカシーが無いんだから!」
パンツどころか、全裸を何度か見た事があるんだから、今更感が有るぞ。しかしそう言ったら「それとこれとは別!」と帰ってきた。女心は分からん。
「実際問題、それしか無いんじゃなか?」
予備のパンツは無く、洗って使い回してるんだから。リーシャが元々着ていた服は、森の崖で捨ててしまったし、その時に男物の下着も一緒に捨てた為、下着は一着しか無い。
「下着も水で作れば良いじゃない。」
「はっ、その手があったか!」
完全に盲点だった。なんで思い至らなかったのか、不思議なぐらいだ。
「本当に思いつかなかったの?私の下着欲しさに、、、」
怪訝そうな顔だが、何故か唇が緩んでいる。何故だ?
「いや、それはない。」
女児の下着欲しがるのって、それではただの変態である。
「怪しいよー。前科があるもの。」
前科?もしかして、熊と闘った後にリーシャの介抱をしようとした時に、パンツを見つめていた事か?
「無いったら、無い。もうその話はいいだろう。」
リーシャは完全にニヤニヤしている。そう思いたいなら、そうすればいい。私は実際にパンツを欲しいだなんて、、、思ってないよな?
疲れた心をいやすため必要だったんです




