閑話 これでやっと
パソコンの調子が悪く、投稿できないため、まだ段落前空白を入れられていません。どうするか悩みましたが、今の所毎日更新を続けているため、せっかくだから投稿します。明日には直します。
「リーシャ、お前まさか、私をただの子供だと思ってないか。私は、お前より、お姉さんなんだ!」
ちょっと子供扱いしすぎたかな。拗ねちゃったみたい。
「お願い、許して。」
そっぽを向いたまま、「私怒ってます」というかのようにツーンとしている。こうなったらアレをやるしかない。二度と使いたくなかったんだけどな。
『おねーちゃん。』
言霊を籠めて甘える。ユニエは自分をお姉さんだと主張しているから、恐らく甘えられたいはず。
『おねーちゃん、、、』
目を潤ませて、幼げに囁く。
「こ、今回だけだからな。次に子供扱いしたら、許さないからな。」
『ありがとう!おねーちゃん!』
チョロい。
機嫌を直してもらい、移動を開始する。
しばらく歩いて行ったら、谷を見つけた。なんとか渡り終えたけど、足を引っ張っちゃった。
向こう岸についた時、違和感があった。ユニエは感じないようだけど、何かが今までとは違う。そうだ、魔力の動き方が違うんだ。
もしかして、聖域を抜けた?この谷が、境界線だったの?
「あー、疲れたよ。」
詳しくはわからないけど、とにかく色々あった。
「今日はここで夜営するか?」
うん、地面には特に凹凸もないし。
「そうだね、そうするよ。うわ、服がもうボロボロ。こっちの新しい服にするかな。」
今日のゴタゴタで、ところどころほつれてる。服を脱いで、着替えようとしたら、
「リーシャ、私は水を飲んでくる。」
「え?どこに、、、ああ、谷の下ね。行ってらっしゃい。」
ユニエは水を飲みに行った。
その後すぐだった。トクン、トクンと、下腹部に魔力のうねりがおきる。これは、ユニエの魔力?聖域を抜けたから?それとも、、、
空が茜色に塗り変わっていた。昨日代償魔法を使ってから、丸1日経ったんだ。
魔力のうねりは直ぐに収まった。今までとは明らかに何かがちがう。下腹部には調和を持って、私以外の魔力が存在している。ユニエの依り代として、完全に子宮と卵巣が馴染んだんだ。
不思議な一体感が、万能感を与える。が夕日に腕を伸ばす。今なら、太陽にも手が届きそう。
「リーシャ、食べ物を持ってき、、、」
あの美しい夕焼けを、今では一緒に見てくれる人がいる。
「美しい、、、」
ほらね。
「綺麗だよね、夕日。森の中からだと、ちゃんと見えたことがなかったから。」
「そう、だな。綺麗な夕日だ。」
心ここにあらず。そんなに感動したのかな。
「リーシャ。」
「なに?」
「私が、お前の左側を支えてやる。お前の半分を背負ってやる。」
夫婦になる。それを、ユニエが肯定してくれたような気がした。話さなくても、想いが通じたのかな。だとしたら、
「ユニエ。」
「なんだ?」
「私、幸せだよ。」
愛してる、ユニエ。
その言葉は、口に出すには恥ずかしくて。それでも、いつかちゃんと言おう。
「これ、夕飯だ。肉や山菜だけじゃ飽きたろう。魚と沢ガニだ。」
ふふ。これだとユニエが旦那さんで、私が奥さんかな。
「ありがとう、ユニエ。」
「ほら、早く服を着ろ。風邪を引いても知らんぞ。」
「はーい。」
お世話されてばかりで、今はなんの役にも立ててないけど、いつか私も強くなろう。胸を張って、夫婦だと言えるように。
次回、ようやく冒険らしいことが。




