表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/106

第71話 遺跡

「情報を持っているヤツが居たぞ」


 冒険者に聞き込みをしていたトロウから、大魔の森に関する情報がもたらされた。


「どんな情報ですか? やはり森の中に遺跡が?」


 ライズがトロウに情報を求めると、トロウは両手を方の位置に挙げて溜息を吐くジェスチャーを取る。


「大魔の森で魔物素材の収集を生業とする冒険者が居たんだがな、逃げた魔物を追った際に遺跡と思しき場所を発見したらしい」


「やはり遺跡があったんですね。けどその割には情報が出回ってない様な……」


「ああ、遺跡『は』あった」


は、を強調するトロウ。


「だが遺跡には何もなかったらしい。金目の物も貴重なマジックアイテムの類もな」


「何もですか?」


「ああ、何もだ。だから連中は何もない遺跡の事を報告しなかった。ありもしない財宝を秘匿していると下種な簾中に勘繰られない為にな」


 遺跡探索などではよくある話だ。

 新発見されて期待された遺跡に入ってみたが、遺跡には何のお宝もありはしなかった。

 それだけなら運が悪かったで済むが、中には既に発掘された後の遺跡が見つかる事となる。

 そうなるとお宝を見つける事のできなかった連中が八つ当たりを込めて第一発見者の冒険者達が財宝を根こそぎ発掘してから遺跡の事を報告し、自分達が空振りに終わる事を楽しんでいるのだと。

 もちろんそれは彼等の勝手な思い込みなのだが。


「成程、ですがその冒険者達が見つけられなかっただけの可能性もあるのでは?」 


「ああ、そう思って再調査を頼んだんだが、何度探して何も見つからなかったとの答えが返って来た」


「となると悪魔は遺跡は発見したものの、術宝が見つからなくて人間が持ち出したと考えたのでしょうか?」


 バエルの使徒が町を襲撃した理由を推測するライズ達。


「可能性は高いな。もしかしたら宝石はもっと前に町に運び込まれたのかもしれん。そして悪魔は宝石の気配を察知して町にあると判断したのかもな」


「ですが町の人間が持っている可能性は低いかと。我々の情報網を悉くすり抜けて来た訳ですし」


 トロウが困った様な顔を見せる。


「やはり君達に頼むしかないな」


 と、そこでトロウがライズに依頼を申し込んでくる」


「俺達にですか?」


「ああ、君の魔物達を使って遺跡の調査をしてほしい。人間では調べる事の困難な場所、冒険者達が感知できなかった違和感を探ってほしい」


「見つかる保証はありませんよ。ウチの魔物達も万能じゃありませんから」


「構わんよ。町長への報告もあるからな、何もなかったという訳にもいかん。無かったと報告するにせよ、せめてギルドと君達の両方から調べて見つからなかったと言わんと納得せんだろうからな。あいつは君の所のドラゴンに心底すがっているからな」


「悪魔が相手だと命かかってますからねぇ」


「話によれば悪魔退治の専門家が援軍に来たという事だし、専門家と君の魔物達の感を頼らせてもらうよ」


「専門家……まぁ、そうですね」


 ライズの脳裏に特製オムライスをほおばるカーラの姿が脳裏に浮かぶ。


「分かりました。調べるだけ調べてみましょう」


「ああ、よろしく頼むよ」


 ◆


「という訳で、大魔の森にある遺跡を調査する事になった。多分何もないだろうが、依頼料の為にも頑張って調べてくれ」


「面倒くさーい」


「森の中だとわたしの出番はありませんねぇ」


 ハーピーは細かい作業に向いていないハーピーが嫌がり、下半身が魚であるセイレーンが役に立てない事を残念がる。


「今回は探索向きの小柄な連中と護衛の二種で編成する。あとギルドからの要請で悪魔対策の専門家としてカーラにも参加してもらう事になった」


「はーい! デクスシの町の大地母神の臨時教会から派遣されてきましたカーラでーっす! 皆さん宜しくねー」


「「「よろしくー」」」


 何故か魔物達がノリノリで返事をする。


「大丈夫かなこりゃ」


 ◆


「ここが件の遺跡か」


 大魔の森にやってきたライズ達は、トロウから提供された情報を元に冒険者の発見した遺跡を調査にやって来た。


「こりゃドラゴンに見つけられないわけだ」


 遺跡は木々に隠れており、周囲から身を潜める様にひっそりと建っていた。

その為、上空からの調査では遺跡を見つける事は出来ず、森の中を歩かなければ発見は困難であった。


「冒険者の方々も手負いの魔物を追って森の奥深くまで入ってしまった事で発見したとの事です。もしかしたら森の奥に行くほどこうした遺跡があるかもしれませんね」


 ラミアが遺跡を見ながらトロウより渡された報告書を読む。


「ギルド長から頂いた書類に遺跡のどこをどう調べたのかが詳細に記載されています。私達は調べていない場所を重点的に見て回れば良いでしょうか?」


「そうだな。その後もう一度冒険者達が調べたところも調べてみよう」


「承知いたしました。では皆さん、探索開始です! 護衛役の方々の居ない場所には行かない様に注意してください」


「「「は~い!」」」


 どこか遠足の様な雰囲気で、ライズ達の遺跡探索が始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ