第47話 襲撃者
おかげさまで平行して連載しております「勇者のその後~地球に帰れなくなったので自分の為に異世界を住み良くしました~」がアルファポリス様より書籍化する事が決定致しました!
それもコレも皆様の応援のお陰です!
本当にありがとうございます!
追加情報は随時追加していきます!
故郷を取り戻すべく戦いに向かったリザードマン達が敗走した報を受け、ライズは彼等を運んだシーサーペント達に事情を聞く事にした。
「旦那に頼まれてリザードマン達を集落へ運んだ俺達はそのままアイツ等と一緒に戦う事にしたんだ。連中を運んでる時に色々話したんだけどよ、アイツ等結構話の通じる連中だったしな」
「そうそう、困ってるヤツ等を放っておいちゃ鱗が乾くってもんよ!」
そう言ってシーサーペントとミシガネビクは自分達の尻尾をビタンビタンと地面に叩きつけた。
「それで、どんな敵だったんだ?」
「それがな、妙なヤツだったんだよ。アイツは……」
◇
時は一週間前にさかのぼる。
シーサーペントとミシガネビクはリザードマンの戦士達を乗せて彼等の故郷であるジュジキの沼へと到着した。
「ここに我等の故郷を汚した魔物が居る」
リザードマン達はシーサーペント達から降りると、槍を構えて周囲の警戒を始める。
「ここまで運んでくれて感謝する。コレより先は我等の戦い。お前達は帰るが良い」
リザードマンの長であるゼルドは二人に帰れと言う。
しかしそれは彼等を邪魔者と思っている訳ではなく、純粋に彼等を巻き込みたくないからこその発言であった。
ゼルドは誇り高きリザードマンの戦士だ。
それ故にリザードマンの問題はリザードマンのみで果たさなければならないと考えていた。
寧ろ子供達を預かってくれただけでなく、ここまで送ってくれた事に感謝せねばならない。
しかしソレはゼルドの理屈だ。
「おいおい、何さびしい事言ってんだよ」
「そうだぜ、同じ水棲仲間なんだ。遠慮なんてするなよ」
彼等を運んだシーサーペント達は手伝う気満々であった。
もちろんライズが意図的に血の気の多い魔物を輸送役に選んだからではあったのだが。
「だがこれは我々の問題だ。お前達の手を煩わせる訳には……」
「つれない事言うなって。同じ魚を食った仲間だろ?」
「そうそう、ささっと倒してガキ共を迎えに行こうぜ!」
気遣いは無用と二人はゼルドの前に出る。
種族は違えど、その雰囲気から二人に引く気など無いと悟るゲルド。
「……感謝する」
コレが他の陸生種族ならばゲルドは断っただろう。
だが同じ鱗を持つ者としての共感が彼のかたくなな心を解き解していた。
「そうこなくっちゃ!」
「俺達は役に立つぜ!」
二人は尻尾をビタンビタンと叩くと周囲を警戒するリザードマン達のほうへと向かっていく。
ゲルドはその姿を見て呆れた様子であったものの、内心では心強さを感じていた。
「我々だけでは全滅の危険があったが、彼等が協力してくれるのならばあるいは……」
ここに来るまでの道中でゲルドはシーサーペントとミシガネビクの強さを肌で感じていた。
魔物の中には異種族なら何でも喰らおうとする者が少なくない。
ソレが危険な魔物ならなおさらだ。
武に長けたリザードマンであっても、そうした魔物に襲われる事は一度や二度ではなかった。
現にデクスシの町へと向かう際には多くの魔物達と戦った。
本来はやり過ごせば良い魔物達であっても、子供や負傷者を守る為には戦わざるを得なかったからだ。
だと言うのに、彼等に乗せられてての帰路ではほとんどの魔物に襲われる事が無かった。
まるで彼等に見つからない様に隠れ潜むかのような現れなさっぷりだった。
たまに現れる身の程知らずは現れた瞬間彼等の口に収まってしまった。
もちろんその魔物もゲルドたちにとっては恐ろしい強敵であった。
(これほどの力を持った魔物達が協力してくれるのならば心強い。
いざとなれば負傷者を任せる事が出来るのは、戦術を組み立てるにおいて 非常にありがたい)
シーサーペント達の協力を得られると分かった事でゲルドは戦略を組み立てなおす。
(だが客人にばかり苦労をかけさせる訳にはいかん。あくまでも敵と戦うのは我等の仕事で無ければな)
リザードマンの誇りと戦士の使命から、決して彼等に依存した戦いなどしてはいけないと己を律するゲルド。
「よし、集落に向かうぞ」
「「応っ!!」」
◇
「もうすぐ我々の集落だ。敵はいつ現れるか分からん。気をつけろよ」
「ああ、任せろ。どこあら現れても返り討ちにしてやるぜ!」
「その通りだ、どんな敵が現れようともっぷるぁっ!!」
と、その時、突然おかしな奇声を上げながらミシガネビクが吹き飛んだ。
「相棒っっ!?」
突然仲間が吹き飛ばされた事に驚くシーサーペント。
故に、彼が何に吹き飛ばされたのかを理解するには今しばらくの時間が必要であった。
この時、シーサーペントは自分の真横に、猫の頭をした邪悪な存在が佇んでいる事に気付かないでいた。




