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元悪役令嬢は捜査する(事件編)2

事件の真相はいかに!?

 二日前の事。フリーデは、未来の王妃として晩餐会に招かれていた。会場となる王城の食堂にいたのは、国王、正妻である王妃、側妃、ルートヴィヒ、ルートヴィヒの親友、ハインリヒ、そしてフリーデの七人。


 フリーデは緊張しながらも王族の方々と和やかに話していたが、突然ガタンと椅子が床に落ちる音がした。ハインリヒが突然倒れたのだ。


「ハインリヒ!!」


 ルートヴィヒが叫ぶ。ハインリヒは意識を失っており、顔色が青い。

 ルートヴィヒの親友であるコンラート・へリングが、ハインリヒを抱き起した。そして、側に落ちていたワイングラスを拾い上げて言う。


「この症状にこの匂い……。もしかしたら、毒かもしれません。城内の医務室に運びましょう。解毒剤があるはずです!」


 それからすぐにハインリヒは医務室に運ばれた。ハインリヒの様子を見て毒を盛られたと判断した医師は、慌てて薬品棚に駆け寄る。


「解毒剤……この毒の解毒剤はどこに置いた……?」


 まごつく医師の様子を見たコンラートが、苛ついた様子で医師を押しのけた。


「ここにあるではありませんか! 早く飲ませないと!」


 そして、すぐに解毒剤が投与された。ハインリヒは意識が無く、粉薬をそのまま飲めない。医師は粉薬を少量の水で練って、ハインリヒの口内に擦り付けた。それからしばらくして、ハインリヒの顔色は良くなったが、意識は戻らない。取り敢えず、ハインリヒを寝室に寝かせて様子を見る事になった。

 医師の見立てで、やはり毒を盛られたらしいという話になり、犯人探しが始まった。

 そして翌日、不自然な程早くフリーデの自宅から毒の入った瓶が見つかったとの事。


       ◆ ◆ ◆


 そして現在。アイスナー邸の応接室で、フリーデは目を伏せがちにしながら言った。


「最初から、私が犯人だという筋書きで捜査されていたとしか思えません」

「でも、何故逃げたのですか? 犯人でないのなら、堂々と取り調べを受けたら良いのでは?」


 ヴェロニカが問い掛けると、フリーデは眉根を寄せて答えた。


「犯人は、私の自宅に偽の証拠を残すような人物ですよ? 堂々と取り調べなんて受けていたら、捏造された証拠を元に、あっという間に監獄行きです」

「成程……」


 ヴェロニカとフリーデの会話を聞いていたハルトムートが口を開いた。


「それで、私達は何をしたら良いのですか?」

「逃走する前、私はルートヴィヒ殿下に置手紙を残しました。殿下にしかわからない形で。近々殿下からお茶会のお誘いがあるでしょう。その時に事件についての情報を集めて、私に教えて頂きたいのです。推理する材料が欲しい」

「わかりました。協力致しましょう」


 ハルトムートは、しっかり頷いて言った。



 それから、フリーデはアイスナー家で匿う事になり、今は客室にいる。ハルトムートは、執務室で仕事中。応接室でヴェロニカと二人きりになると、アルマはおかっぱにしている頭を下げて、ヴェロニカに謝った。


「申し訳ございません、奥様。第一王子の婚約者といえど、仮にも毒殺未遂事件の被疑者を招き入れるなど……」

「私の親友だとわかっていたからでしょう? 謝らなくていいのよ」


 ヴェロニカは優しく微笑んだ。


「……奥様は、本当に、学園にいた頃とは別人みたいですね」

「それ、以前フリーデにも言われたわね」


 二人は、静かな応接室の中で笑い合った。

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