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元悪役令嬢は文化祭を企画する2

読んで頂けると嬉しいです^^

 それからしばらくして、ヴェロニカ、院長、ボランティア仲間のライナー、孤児院の子供達数名が教室に集まった。


「それで、文化祭で具体的に何をするかですが、何か案のある方は?」


 何故か場を取り仕切っているカミルが尋ねると、あちこちから声が上がる。


「お菓子とか、売りたいよねえ」

「私は刺繍が得意だから、ハンカチを売りたいな」

「物を売るだけだとアピールが足りないんじゃないか? やっぱりダンスや劇が無いと」


 色々と話し合った結果、文化祭ではクッキー、パン、ハンカチ、木で出来た小物入れを売る事になった。それとは別に、ダンスの得意なハンナが会場となる孤児院の庭でダンスを披露する予定だ。

 皆生き生きと細かい所を話し合っている。ヴェロニカは、笑顔で皆を見つめた。


       ◆ ◆ ◆


 それから数日後。ヴェロニカは孤児院の庭で、クッキーの生地をこねていた。


「ヴェロニカ先生、貴族なのにお菓子も作れるんですね」

「すごーい」


 ハンナとザビーネが口々にヴェロニカを褒める。ザビーネは孤児院の子供ではなく、男爵家の娘だ。以前ヴェロニカが両親を説得した事もあり、今ザビーネは医者になる為の勉強に励んでいる。

 ザビーネは文化祭の事を聞き、今日手伝いに来たのだ。


「フフ、屋敷で練習した甲斐があったわ」


 ヴェロニカは微笑んだ。前世では料理が苦手で、転生した後もほとんど料理をした事が無かったが、何とかまともにクッキーを焼けるようになった。


 ヴェロニカ達が雑談していると、一人の男性が庭に足を踏み入れた。


「ふん……無駄なあがきを」


 そう言ったのは、四十代くらいの男性。上等な白いシャツ、黒いジャケットを着ていて、恰幅がいい。


「あの……あなたは? 私は、ヴェロニカ・アイスナーと申します」


 ヴェロニカが聞くと、男性は口髭を弄りながら答えた。


「私はモーリッツ・バーダー。領主だ。今日はこの孤児院を取り壊すに当たって、敷地を見に来たのだが……何か催し物をしようとしているようだな。そんな事をしても、取り壊しの決定が覆る事は無いのに」


 モーリッツが嫌な笑みを浮かべている。ヴェロニカは内心カチンときていたが、笑顔で言った。


「まあまあ、あの有名な。顔を存じ上げず申し訳ございません。バーダー公爵の手腕、素晴らしいと思いますわ。……しかし、子供達にとってこの孤児院はなじみのある場所。最後の思い出に文化祭を開く事をお許し下さい」


 本当は、文化祭を最後の思い出にする気はサラサラ無いのだが。ヴェロニカの笑顔に気を良くしたのか、モーリッツは表情を柔らかくして言う。


「ま、まあ、そういう事なら邪魔はしない。文化祭、楽しんでくれ」



 その後、すぐにモーリッツは孤児院を後にした。


「何だ、あの領主! 無駄なあがきとか好き勝手言って!」


 側にいたゲオルクが憤慨した様子で言う。


「私、ダンスの練習頑張る! あの領主をギャフンと言わせるの!」


 ハンナも、鼻息を荒くして声を上げた。

 今後どうなるかは分からないが、皆には文化祭を楽しんでもらいたい。そう思いながら、ヴェロニカは子供達を見つめた。

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