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元悪役令嬢はワルツを踊る2

読んで頂けると嬉しいです!

 ルートヴィヒは、ハルトムートとも挨拶を交わした後、フリーデを連れてその場を離れた。ルートヴィヒの後姿を見つめながら、ハルトムートが呟いた。


「……殿下は賢くて人当たりが良くて、おまけに容姿も優れている。殿下の婚約者を狙う女性は多かっただろうな」

「そうですね。フリーデ様を妬む女性も多いですから、殿下にはしっかり彼女を守って頂きたいです」


 ヴェロニカが応えると、ハルトムートはヴェロニカの方を向いて言った。


「……君も、ルートヴィヒ殿下に惚れていたのか?」

「いえいえ。王太子妃の地位に興味が無いわけでは無かったのですが、特に惚れていたわけではありません」

「……そうか」


 ハルトムートは、ホッとしたように息を吐いた。


 その時、一人の女性が近付いて来た。


「あの……ヴェロニカ様、お久しぶりです」


 声を掛けてきたのは、ダークブラウンの髪をアップにした大人しそうな女性。彼女は、ヴェロニカと同じくらいの年齢に見える。


「えーと……ごめんなさい。どなただったかしら……?」


 女性は、一瞬ピクリと眉を動かした後、笑顔で言った。


「私、学園にいた頃、生徒会で経理を務めておりました、グレーテル・アーメントでございます」


 その名を聞いて、ヴェロニカは目を見開いた。


「え、グレーテル? あのグレーテルなの!?」


 ヴェロニカは、前世で小夜として乙女ゲームをしていた時に見たストーリーを思い出す。グレーテルは、ヴェロニカと同学年の生徒で、優秀な為に生徒会メンバーとなっていた。当時は眼鏡を掛けていて、髪も三つ編みにしていた為、全く気付かなかった。


「気付かなくてごめんなさい……あの、学園にいた頃の事も、本当にごめんなさい……」


 ヴェロニカは、消え入りそうな声で謝罪した。


 実は、ヴェロニカは学園にいた頃、グレーテルに不正の手伝いをさせていたのだ。学園の資金を横領した事が露見しないよう、グレーテルを脅して帳簿の改ざんをさせていた。

 フリーデによって真相が明らかになり、不正を手伝ったグレーテルにも退学処分が下されるはずだった。

 しかし、子爵家の令嬢であるグレーテルが侯爵家のヴェロニカに逆らえるはずが無い。グレーテルに同情的な声が多く学園に寄せられ、グレーテルは一週間の謹慎処分を受けるに留まった。


「気にしないで下さい、ヴェロニカ様。ヴェロニカ様が今改心している事は存じております。ボランティアにも精を出しているようで、素晴らしいです。今後とも、よろしくお願い致します」

「あ……ありがとう、グレーテル」


 ヴェロニカは、ホッとした顔でグレーテルに言った。グレーテルに不正を強要していたのは小夜ではないと言え、やはり罪悪感が湧いてくるのだ。


 ハルトムートは、笑顔のグレーテルを何故か真剣な顔でジッと見つめていた。

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