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【書籍2巻1/15発売】収納おじさん【修羅】 〜再就職で夢の探索者生活。ペットボトルサイズの収納スキルでダンジョンを爆速で攻略する〜  作者: 紫炎
第八章 超熊大戦編

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ギャクサツライセンス01

 本日は沢木さんが川越メイズホテルにやってきました。

 ナイトキングダムの件……ではなく、その前の鴻巣市の迷宮災害の件でのご訪問ですね。

 そんなわけで、私がホテルのラウンジでお待ちしているとやってきたのは沢木さんだけではなく、国防軍の葛西銀次少尉も一緒でした。


「おや。沢木さんではなく、葛西少尉も一緒だったのですか」

「ああ、事前に連絡がいってなかったのか。大貫さんと顔がきく国防軍って理由で選ばれたらしいんだが」

「そうなのですね。いえ、沢木さん以外にもうひと方来られるとは聞いていたのですが」

「すみません。どなたが来るのかまでは探索協会でも把握できておりませんでしたので」


 沢木さんが申し訳なさそうな顔でそう返してきていましたが、特に問題はありません。葛西少尉は、迷宮災害の時に協力して戦った戦友とでもいうべき方です。戦友。良い響きですよね。戦友。


「それにしても今日は外が騒がしかったな。ここら辺はいつもそうなのか?」

「ああ、また例のオーロラが出たらしいのですよ」


 私の言葉に、葛西少尉と沢木さんがなるほどと頷きました。


「川越オーロラか。なんだ。出てたんなら見てみたかったな」

「車から見えていたんですかね? カメラで撮っておきたかったのに残念です」

「そうですね。私もまだお目にかかったことがないのですよね。出現している時には、いつも近くにはいるはずなのですけれど」

「案外、空なんて見ませんものね。むしろ離れたところからの方が見えやすいんじゃないですか」

「確かに。そういうことかもしれませんね」


 川越オーロラとは、少し前から何度か発生している謎の現象です。

 オーロラと名付けられてはいますが、短期間に紙をくちゃくちゃにしたようなプリズムの反射が川越市上空で発生するという、通常のオーロラとは全く別の現象で、ここ最近のローカルトップニュースになっています。


「ウチの支部でも話題になっていますね。綺麗ですけど、原因がダンジョン関連の可能性が高いからって、苦情の電話が時々来てるんですよ」

「ご苦労様です。川越ゲートはランクAだけあって結構大きいですからね。何が起きても不思議ではないというか……ゲートが空間に干渉している影響が空にまで及び、それが光の屈折という形で出たのがあのオーロラではないか……ともテレビでは言われていましたが」

「そういう可能性もなくはないという感じですかね。ただ、他のゲートで同様の現象が発生した事例はありません。感知系スキル持ちのチームが調べても魔獣の気配はなく、そもそも魔力が測定できていないので、ダンジョンと関係があるのかすら不明というのが現状の報告となっていました」


 沢木さんがそう言って、苦笑しました。

 迷宮災害の後始末に加えて、このような謎の現象まで対応しなければならないのですから探索協会も大変です。

 ティーナさんが何か心当たりがありそうなことを言っておりましたが、確証が得られるまでは答えられないともおっしゃっていました。

 まあ、ティーナさんもインターネットの情報を鵜呑みにしやすいタイプではありますからね……などと私が口にしたら「もう。分かってもゼンジューローには教えてあげない」と怒られてしまいました。

 ともあれ、今は川越オーロラのことは置いておきましょう。

 それで葛西少尉が一緒にやってきた要件ですが……


「国防軍に入隊しないかですか? 申し訳ないのですがそのつもりはありませんね」

「まあ、そうだよな。こんなところに泊まれるほど、稼いでるわけだしなぁ」


 葛西少尉からお願いされたのは、国防軍に入ってくれないかとのことでした。もちろん答えはノーです。

 国防軍に入るにはスキルの開示が必須ですし、自分にとっての良い未来が待っているとは到底思えません。何より、私は今の探索者という立場に満足しております。組織には属さず、自分の力で何かを成す……そういう前職とは違う生き方を私は求めているのです。


「葛西少尉。強引な勧誘は許容できませんからね?」

「沢木さん。悪いね。あわよくばっていう程度の、形式的なもんだから気にしないでくれ。俺個人としては、あんまおすすめはしねえよ。大貫さんの実力なら即仙台大森林行きだろうしなぁ。日本を取り戻す……なんて気概が生まれたら考えておいてくれよ」


 仙台大森林は日本国内の厄災級占領地三ヶ所のひとつですね。国防軍が押さえ込んでいますが、一進一退に留まっていて、未だに奪還まではできていないのだとか。まあ仙台大森林自体には興味がありますし、いずれ訪れてみたくはありますがね。


「そんで、今のは国防軍の挨拶みたいなもんでな。本題はこっちだ」


 そう言って葛西少尉が書類をテーブルの上に置きました。

 ふむ。重火器級覚醒能力保持者認定要項……ですか。漢字がいっぱいですね。確か覚醒能力というのは日本におけるスキルの正式名称でしたか。一般的にそう呼ばれることはほとんどないのですが、公文書などではそう表記されるのですよね。それに前後の言葉の意味を踏まえれば、なんとなく意味も分かってきますが……私が考え込んでいると葛西少尉が口を開きました。


「重火器級覚醒能力保持者……俗にいうヘヴィスキルホルダーってヤツにあんたを認定しようって話なんだよ」

【次回予告】

 早過ぎた目覚めは世界を歪ませ、

 殻を破ることを望まれた。

 未だ殻の中に在る雛鳥よ。

 早熟すぎた老いた鳥よ。

 飛び立つ日はもう間もなく。

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収納おじさん【修羅】の書籍版2巻はアース・スターノベル様から2026年1月15日に発売です。
WEB版ともどもよろしくお願いします。

収納おじさん書影

【収納おじさん2巻特集ページはこちら】
【収納おじさん1巻特集ページはこちら】
キャラクター紹介や試し読みが見れます。
― 新着の感想 ―
オーロラも川越ではよくあることだとかなんとか
家の上空が奇妙な事なっとる…
おじさんのスキルを再度調べたらただ「収納」としかならないんだろうな。まあ実際は「収納?」だけど。これってスキルって他の人も実は使い方次第で別の事が出来るのか、おじさん固有か知らんけど。
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