第19話
時間が取れず中々書けないです。不定期更新です。ごめんなさい。
お兄様達と別れたのは数日前ですが、前よりアル様のスキンシップが激しくなって困っている、小動物令嬢ラナです。人間椅子改め、アル様の膝の上で1時間以上暮らしてます。
「殿下、グライアット大臣がお越しです」
大臣様です。怖い人じゃないといいですが逃げたいです。
「ああ、中に入ってもらってくれ」
私を膝から降ろしてください!アル様!恥ずかしいです。
「どうぞ、お入りください」
わあーっ!間に合わなかった。側近の方に見られるのは慣れましたが初対面の人は遠慮したいです。あ!
「……」
大臣様!固まらないでください!それに、バサバサと手から書類落ちてますよ!目を皿の様にして私を見ないで落ちた大切書類を見てください!ジーっと見られたら羞恥心がMaxになってしまいそうです。正に、顔から火が出そうです。
「グライアット大臣?」
アル様、大臣様が驚いてますよ。
「ア、ア、アルフォンス殿下、け、決算書をお持ちしました。…確認をお願いします」
あたふたと落とした書類を拾いアル様に渡してます。明後日の方向に向いたまま返事を待ってます。
「ん、分かった。目を通しておく」
何事も無かった様に振る舞うアル様。書類が落ちたのもチラ見だけでスルーしてます。ほっとした大臣様が逃げる様に出て行きました。
「殿下、来られる方を揶揄うのは止めて頂きたいのですが」
揶揄う?アル様何かしてましたか?難しい事は小動物の私には分かりません。
「別にいいだろう。何時もより仕事は捗っている。文句でもあるのか?」
私を膝に乗せたまま早業で書類を片ずけてます。最初はページ捲りを手伝ってましたが、腕がぷるぷるになったのでお休みしてます。私がやるより1人で仕事をしてるアル様のスピードは3倍の速さです。私が捲る必要ありませんよね。ってか邪魔になってます?
「もう直ぐ宰相様がお出でになります。このままでお会いになりますか?」
「問題あるか?ラナの事は知ってるはずだ。大丈夫だろう」
「……」
側近の人が黙るのは問題があるのでは?降りるのは私は歓迎しますよ。kyではない小動物令嬢です。
いくら小動物でもこの体制で1時間は辛いです。時折動く手が乙女の秘密を暴こうとしてるようで困ってます。お菓子の食べ過ぎでぷにぷにしてる肉に触るのはやめてください!
さっきもでしたが、時折来る文官の人がガン見してきます。居た堪れない気分になってると、大御所である宰相様がやって来ました。叫んだと思ったら倒れられました。騎士に運ばれて行きましたがお身体は大丈夫ですか?その後も諸々の人達が、入って来た瞬間私達を見て固まり、顔を引き釣らせて私に生暖かい視線を送って来ます。
「アル様、降りてもいいですか?」
くぅ〜!人々の視線に晒される私のHPはゼロです。上を向いて聞いてみます。首が痛くなりそうです。
「うっ!……そ、そうだね。座ってるのも飽きたのかな?」
小部屋に戻って息を吸いたい!自由に体を動かしたい!固まってるよ、凝ってるよ。
「ダメですか?アル様?」
グキッってなりそうな首の為にも返事ください。ああ〜首が痛くて涙目になる。
「……ラナ、小部屋に戻っていいよ」
アル様どうしました?顔を手で覆って落ち込む事ありました?もしかして、私が座っていたので膝が痺れましたかー!追求はしません!小動物令嬢の私はスルーが常備されてます。ぷるぷる震えるオプション付きの小動物ですので、気にしないのが長生きの秘訣だと思ってます。
素早く小部屋に戻って、常備されている美味しいお菓子を頂きます。今日も最高級のクリームを使った贅沢なケーキが置いてありました。
「美味しい!クリーム最高!」
食べられる時に食べておかないと損です。口いっぱいに、もぐもぐ詰め込むと食べた〜って感じますよね〜。
前世でもやってましたお菓子争奪戦。親に気まぐれで連れて行ってもらったケーキバイキングで、食べ過ぎで救急車に乗った恥ずかしい思い出付きですが、ものすご〜く美味しかったです。時間まで全種類食べ尽くしました。お腹が痛いのが引き換えでしたけど一片の悔いなしです!
「ラナは、チーリス時代から変わらないな。我慢出来なくなると私の顔をジーっと見て、お菓子をもらうと機嫌が良くなるんだ。可愛いだろう」
「殿下、顔が緩みきっていますよ。他の人達には見られないでください!」
「小窓から見えるラナ、ケーキをほっぺに貯めてるよ。さっきは涙目で見られたんだ。危うく理性が飛ぶとこだった!」
「結婚するまでは清いままお願いします!」
アル様と側近の皆さんが、私の話をしてましたが聞こえません。何も知らないままケーキに夢中で、タイミングを逃した私は、呑気に考えてました。これでいいのか私の生活?お肉がぷにぷに付きそう。止められない意思薄弱の小動物令嬢ラナでした。




