第15話
皆さんの、暖かい言葉に癒されぼちぼち更新してます。ありがとうございました。
アルフォンス殿下の執務室にある、小部屋住まいの小動物令嬢ラナです。妹様に、ケーキをご馳走になり気分がいいです。
「妹様、ケーキ美味しいです。ありがとうございます」
美少女な妹様を、見ながら食べるケーキは格別ですね。普通な自分に逆に安心します。
「お姉様に、喜んでもらえて良かったわ。今度は違う味の美味しいケーキを持って来ますわ」
お姉様?いつの間にか私、アル様の妹様に、お姉様と呼ばれる様に成りました。不思議です。でも、違う味のケーキもくれると言われて、些細な事は気にならなくなります。
「楽しみです」
にやにやが止まりません。ケーキは大好きです。
「ラナ喜んでくれ、君の父上と兄がもうすぐこの国に来てくれるそうだ」
お父様とお兄様が!良かった〜この変な暮らしも終わりね。小部屋住まい悪くなかったです。
「ありがとうございますアル様」
お礼を言うと、うんうんと頷きながら良かったね。と言ってくれました。
「気にしないでくれ、私の為にもなるからね」
にっこり笑って、変な事を言います。アル様の為?私が、2人に会えて嬉しいだけだと思うのだけど?
「アル様の為になるんですか?」
疑問に思って聞いてみます。ちょっと変な感じがしました、嫌〜な予感がします。小動物センサーがピコピコ反応しています。でも、気付いてしまいました!逃げる所がありません!故郷には帰れないし、お父様達は此処に向かって来てるし!これは、もしかして?絶対絶命⁉︎って事ですか!
「ああ、そうだね。君の父上にはサインを貰わないとダメだからね」
サイン⁉︎まさか、今までの飲み食いと部屋代の請求書を渡される!お父様ごめんなさい!私、ここで贅沢で楽な暮らししてました。食っちゃ寝、食っちゃ寝してましたー!記憶がなくても、親に迷惑かけるなんてダメ人間です。いくら掛かったのかな?結構贅沢な、食事とか、お菓子とか、おやつ貰ってたから高いよね?全身から変な汗出そう。
「良かったですわね、お姉様。私も、これで安心できますし幸せになれますわ」
にこにこ顔のアル様と、おほほほほと扇を口元に当てながら優雅に笑って、お姉様のお陰ですわ。と妹様に言われて、何も突っ込んで聞けない、意気地なしの小動物令嬢ラナです。
そんな時、執務室にノックの音が聞こえます。殿下付きの従者が扉の前で何やら揉めています。あまり大きな声なのでこちらにも聞こえてきました。
「アルフォンス殿下に用がある!急いで、取り次いでくれ!」
「今日は、あなたが会う予定ではありませんよね侯爵様、殿下は仕事の合間の、お茶をなさっております。忙しい殿下の邪魔はなさらないで下さい」
ぎゃんぎゃん 大声で、兎に角殿下に会いたいと喚いています。顔が扉の隙間から見えますが、怖いくらい怒ってます。
「まあ、侯爵様ですの?お兄様。断った話をお父様では無理なので、お兄様にお願いしにいらしたのかしら?私は嫌ですわよ、お兄様」
本当に嫌だと顔をしかめながら妹様が話しています。
「大丈夫だよ。私が妃を娶るのだから、好きにするといい」
なんの事か分かりませんが、妹様の自由にできる様です。良かった、優しい妹様ですので幸せになって欲しいです。そんな事を思ってましたが、自分の身に厄介ごとが降りかかってくるとは、思っていませんでした。




