#85その後(終)
神武天皇即位紀元230年(紀元前430年)
未だに小国と小国との争いが絶えないこの世界に、戦乱の世を経験したことのない国が1つあった。
その国の名は日本皇国。かつて極東にあった、誰も知らないただの田舎の国が既に
中国にまで名が渡るようになっていた。
それは、日本皇国の国力がどこの国よりもはるかに超えていたからだ。産業、軍事、法制度、
技術、医療、交通、通信、何をとっても日本皇国が勝っていた。史実のように、いつまでも
欧米列強に極東の田舎だとバカにされてきた日本とは、遠くかけ離れていた。
それは何故か。この国には230年の間、国を支えてきているたった1人の男がいる。その男とは、
弓削和人。国民には全知全能の神だと称されているが、実は2600年程未来から来た、ただの冴えない
高校生である。そんな彼が神と言われているのは、大国主神から授かった万能能力があったから
である。
逆に言えば、彼自体には何の能力もないのだ。しかし、国民は誰1人としてそんなことに気付いては
いない。
弓削和人のおかげで、産業革命を達成した日本皇国では、国の総人口が倍増。30年前まで
50万人だった人口が100万人へなっていたのだ。これで、産業革命で足りなくなった労働力は
補われていった。蒸気機関車の路線も全国に張り巡らされ、北海道と離島以外ならどこへでも
行ける時代になっている。
ここまで、大きな領土を手に入れた日本皇国だが、まだここで終わるわけではない。更なる
食料生産地と資源を求めて、日本皇国の船は大海へと漕ぎ出していった・・・・
ご愛読ありがとうございました。最後の話は少し短くなってしまいましたが、本編はこれで
終了となります。
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