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#64条件締結

日本皇国の大使が帰った後、重臣たちの間で、様々な論争が飛び交っていた。重臣たちは、

「あんな不当な要求受け入れるわけない」「いや、断れば戦争になるかもしれない」などと

言っている。このままでは埒が明かない、国王はそう思った。


「この事は、私が決断しなくては・・・」


このまま重臣が揉めていても、国内が不安定になり、日本皇国が攻め込んでくるかもしれない。

それがなくても、下手すれば内乱になるかもしれない。だからこそ決断しなければならないのだ。


「しかし、どうすれば・・・?」


この条件に同意すれば、大きな領土を失うことになる。だがその代わり、年間1万石を得ること

ができる。不利益もあれば利益もあるのだ。この事は国王を深く悩ませた。そもそも、

日本皇国と交易をして得があるかどうかだ。サチ国は日本皇国がどんな国か知らないのだ。

日本皇国に諜報員を送ろうと思ったが、日本皇国との国境には厳重な警備体制が敷かれていて、

ろくに入ることはできない。つまり日本皇国の情報の入手は困難だ。


「あの条件を飲むしかないか・・」


国王は長い間考えたが、結局この結論になってしまった。敗戦国でもないのに、領土を失うことは

とても屈辱的だが、最も安全な方法はこれだったのだ。断れば戦争になるかもしれない、

強国であるサチ国が戦争になってもきっと勝てる、これはサチ国内の常識だが、日本皇国は

どこか違っていた。


まず、いきなり交易をしようなんて国は今までなかったし、文化も違うようだった。

それに、大使が読み上げていた文字。それは大陸の文字とは違っていた。独自の文字を持っている

ということは高い文明を持っているということ。国王はそこまで見極めていた。そして、国王は

重臣たちにこう告げた。


「私は、日本皇国との交易条件を受け入れようと思う」


「っ!!?」


重臣たちは驚いた。その感情は喜びと悲しみ、両方だ。賛成派はいいのだが、反対派は黙っては

いられない。

しかし、国王は「もう決めたことだ」と聞かなかった。こうして日本皇国とサチ国の条約は結ばれた。


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