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#35跡継ぎ争い

清水港の整備が進む中、悲報が訪れた。長老が亡くなってしまったのだ。死因はこの時代では

珍しい老衰。長老ももう歳だったしな。俺は哀悼の意を表するとして巨大な陵をつくり、

そこに葬った。


これにより何が起きるかというと、跡継ぎ争いだ。歴史上、重要な人物が亡くなると

必ずこれが起きる。長老とは名前があれだが、実質、天皇の補佐官。歴史的に言えば関白に近い。

長老は神である俺に一番近い存在なのでみんなが狙うのは当然だろう。


予想通り次の長老に手を挙げる人物が出てきた。


まずは葛城氏。長老の息子であるため、血筋では私が最も相応しいと言ってきた。

ちなみに長老の名前は葛城オルメ。オルメというのはここの言葉で偉人という意味だそうだ。

なぜ名前がカタカナかと言うと、字がない時代の名前なので音を借りているだけなので

カタカナになっている。漢字を当てるのも面倒くさいしな。


次に荒田氏。浜名湖の近くで運送業、養殖業で栄えてきた荒田村の村長だ。やはりこの時代

でも権力が大事なんだろう。


最後に佐伯氏。ここは割と内陸だが、建築業などに力を入れ省庁の建設の指揮なども

してきて、俺も保障してきたがそれが裏目に出たのか自分が偉いと勘違いし、自分は長老に

相応しい地位だと言ってきた。


うーん・・どうしようか。この三者が争っているが俺は中立にしかなれない。

仮に一人を選んだら他から反感を買ってしまう。かと言ってこのまま放っておけば戦争に

発展するかもしれない。今は国造りに集中したいのでこんなことで争っている場合ではない。


色々考えた結果、長老は世襲制にし、次の長老は葛城氏に決まった。

代わりに長老の権力、地位は低くし、政治に関わることはほとんどできないとした。

仕事の内容はほぼ雑用にし、これなら長老の座を狙うものもいなくなるだろう。


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