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この世で見た彼女の笑顔は  作者: ひゃるる
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1、出会い、別れ

 そいつとは、高校に入学してすぐに出会った。

 廊下の角でぶつかって言い合いになったり、迷子の子猫を優しく保護しようとしている現場を目撃したりされたりしたわけではなく、ただ単に席が隣だっただけ、というつまらない出会い。


 「私、夏菜咲々良なつなささら。これからよろしくねー!」


 けど、そんなつまらない出会い方だったからこそ、俺はこいつと気兼ね無く話す事が出来たのかもしれない。



 1、出会い、別れ



 「それで、あなたの名前は?」


 出席番号順に並べられた席。窓際の真ん中、俺の席の右隣の彼女はキラキラという効果音でも付きそうな笑顔で訪ねてきた。


 「えっと、野桜碧斗のざくらあおと。よろしく?」


 「なんで疑問形なの?」


 「なんでだろ?」


 「なーにそれ」


 そう言って、夏菜は苦笑して見せた。

 …かわいいな…。

 焦茶色の髪を肩より上まで伸ばしたボブヘア。パッチリとした目。庇護欲を掻き立てる華奢な見た目。けれども、明るく元気な声と性格。

 …こいつ、モテるんだろうなぁ…。

 そんな事をぼうっと考えながら夏菜を見ていたせいか、夏菜が不思議そうな顔をしながら「おーい」とこちらに手を振っているのに気が付いた。


 「お?戻って来た?」


 「どこにも行ってないだろ?」


 「意識飛んじゃったのかなって」


 「大丈夫大丈夫。ちょっと三途の川見て来ただけだから」


 「それ安心できないよね?!」


 オーバーとはいかなくも、中々良いリアクションを取ってくれるなぁ。


 「というか、友達作りに行かなくていいのか?」


 「今作ってるじゃん」


 「いや、そうじゃなくて女子のさ。ほら、女子って群れで行動するじゃん?ぼっちだと嬲り殺されたりするんじゃないの?」


 「野桜君の中の『女の子』ってどんなイメージなの…」


 「いや、今のはなんとなく適当に言っただけなんだけど」


 「この世の全ての女の子に謝りなさい」


 「ごめんなさい」


 「よろしい」


 そう言って夏菜は口許に手をやり、可笑しそうに小さく笑った。

 そんな仕草をぼうっと眺めながら、今年は退屈しなそうだな、なんて考えながら談笑を続けた。


 これが、野桜碧斗と夏菜咲々良の出会いである。

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