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始まりの前。4

 

 真っ黒に染まった世界で再び自分を感じました。


 私はちゃんと存在してる、そんな感覚。


 どうやら、無にはならなかったようです。


 その証拠に体の感覚があります。手もあります。開いたり閉じたりできます。

 首も動きます。右見て左見て上見て……うん真っ暗。

 でも不思議な事に自分の手は見える、てか体が見える。


 それから最後に下を見れば……足元が見えない。

 その代わりに白く綺麗な双丘、その先端には薄っすら赤く色付いた小さく形のいいぽっち。


 え? これ胸じゃん、てかオッパイじゃん。うっわ……なにこの常識を覆すかのような綺麗な乳首。

 ちょっとクリっとしてみれば、


「んっ……感度良好じゃん――え? なにこの綺麗な声? あ? 私かっ? 私だなっ! すげっ!」


 おお! まさか空前絶後の綺麗な乳首を持つ存在になろうとは……これは驚き!!


「てか、姿見ほしいな。超見たいんです我が姿」


 上から見た感じだとDは余裕なはず。硬すぎず柔過ぎずな適度な弾力。

 そして吸い付くような肌触りだが、それに相反するような滑らかさ。

 ……すげぇ。こんなオパイが存在する事が驚き、しかも自分の。


 夢中になってモミモミしていると、先端桜がおっきしましたよ……もう一回クリっとな。


「――んっ!」


 やばい! すごい! 脊髄に稲妻が下向かって走ったかと思えば、腰で炸裂したぞ!!


 おお……これが『感じる』という事か、すげぇ。

 是非とも綺麗なお姉さんか恥じらう美少女にやってもらいたいですな。

 男はご遠慮します。むしろ見せたくないし、見られたくもない。


 なんてことを考えていると、


「やぁやぁ。どうだい? ボクの自信作の具合は」

「控えめに言えば、最高です」

「にししっ! そうだろそうだろ! 最高だろ? なんたって最高傑作だかんねっ!」


 胸を揉むのをやめて、目線を上げれば先ほどまで真っ黒だった空間がなにかの研究室のような感じに。

 そして、私に話しかけてきた人物が目の前で腰に手を当てチェシャ猫のような表情でこちらを見ていましたた。


 長い黒髪をサイドテールにした白衣を纏った美少女――彼女がダークちゃんのようです。

 声といいますか、伝わってくる感じがあの時を同じですからきっとそうでしょう。


「ボクの読み通り、ちゃんとコアになれたようだね――違うか。コアじゃなくて邪神に、だね。どうだい? 人をやめた気分は?」

「思いのほか……なんともないですかね? そもそもまだ実感が持てない、感じでしょうか」


 だって、見下ろして見た感じだと人間の女性ですからね。邪神と言われてもピンときませんね。


「ダークちゃん。頼みがあるんですが」

「うん? なんだい?」

「大きな鏡ってあります? 自分の姿もそうですが、顔もみたいので」

「うぃうぃ。ほいっとな」


 ダークちゃんがパチンと指を鳴らすとどこからともなく大きな鏡が現れました。

 流石、ハイパーでスパーな存在。


 それよりも今は――と鏡に映った己らしき美女を見ます。


「これが……私ですか?」

「そだよん。どーよボクに似てけっこーな美人さんだろ? あとおっぱいもすごかろ? ニシシ」


 ダークちゃんが成長したらちょっとサドっ気の強いこんな美人さんになるのではないかと思える顔立ちです。

 長い黒髪に緋色の瞳。これもダークちゃんと同じですね。

 隣で一緒に鏡を見てるので、鏡を覗けば並んだ姿が拝めるわけですが……姉妹といってもいいぐらいです。

 むしろ姉妹じゃんね、て感じ。


 あと私すっぽんぽんです。そうじゃないかと薄々は気付いてましたが。

 それとおっぱい凄いです。

 乳首に続いて常識を覆す様な綺麗なおっぱいです。

 いい仕事してます。ダークちゃん!


「あ! ちなみに()()ボクのを参考にして創ったから。同じものが付いてるよっ。というか空いてるよっ」

「なっ――んだと?」

「にしし! 見る? 見ちゃう? 控えめに言っても綺麗だぜっ!」


 とサムズアップするダークちゃん。


 おまっ、ちょっ! マジかよっ! いや待て! 慌てるなっ! 落ち着け! 自分のだ! 付いてる側から空いてる側になっただけだ。だから答えは決まってる。


「では、お言葉に甘えて。拝見させていただきます」

「うんうん! 君の体だかんね! 確認は大事さっね! もう一つおまけを言えば……色も形もボクとお揃いだぜっ! にひひっ」


 この後私は、むちゃくちゃ自分の体を確認した。

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