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転生したらスライムだった件  作者: 伏瀬
色々番外編
300/304

番外編 -未知への訪問- 18 救出

 この回で終わらせようと思っていたのですが、断念しました。

 次回が『未知への訪問』の最終回(予定)です!

 ミッシェルは絶望の中にいた。

 信頼し、本音を打ち明けられる友だと思っていたジギルに裏切られて。

 身体は動かない。

 完全に脳との接続が遮断され、自分の身体をひどく遠くに感じるのだ。

 ああ、疲れた――とミッシェルは思った。

 父の夢見た理想が破れた時、ミッシェルは自分の本音を隠す生き方を選んだ。

 指導者の一人として、本音よりも数の理論を重視したのだ。

 多数を犠牲にしても、守るべき者を救う、と。

 全員を救えないとしても、可能な限りの人を救うべきだった。

 最悪の場合は、一を救う為に百を犠牲にする事も厭わない。その覚悟をもって、政治に向き合ってきたのだ。

 感情を押し殺し、合理的に数字だけを信じて行動してきた。

 それが出来る者こそが、為政者なのだ。

 だからどんなに迷い苦しんでも、泣き言を人前で言う事はない。

 自分の為す事は絶対に正しいのだと、凛として人を導いてきたのである。

 ――だが、ジギルとは本音で語り合っていた。

 そんなジギルに裏切られた事は、ミッシェルにとっては想像以上のダメージとなった。

 だから、扉の鍵が壊れたのだろう。


(もうどうにでもなってしまえばいい……)


 声なき声で、思わず呟くミッシェル。


 絶望からの諦め、それは自然な流れであった。

 だが、しかし。


 ――諦めるな、ミッシェル。お前が諦めたら、無限機関メビウスシステムが本当に制御不能となってしまうのだぞ――


 聞こえるハズのない父の声に、ミッシェルの意識が覚醒する。


(そうね……まだ諦める訳にはいかないわ――)


 身体は動かなくても、ミッシェルの脳は健在だ。

 無限機関メビウスシステムは運転を開始してしまったが、まだ今ならば――

 それに、ジギルの裏切りにも不明な点があった。


(そうだ、考えてみれば……)


 考えてみれば、ジギルの様子はおかしかった。

 普段と同じ仕草、同じ言葉使い。何気ない会話から、さり気なく混ぜた昔話にも。その全てにジギルは正しい反応を示していた。

 だから気のせいだろうと流したのだが、もしかしたら、ミッシェルも知りえぬ何らかの力が作用していた可能性はある。

 最重要器官である"脳"は、あらゆる手段で保護されている。その為、催眠や洗脳といった手段は通用しないのだが、絶対にないとは言い切れない。

 今のミッシェルが良い例だ。

 ミッシェルは、ようやくその事実に思い至る。

 もしかすれば、ジギルもミッシェルと同じように、"脳"を隔離され情報を盗まれていた可能性もあるのではないか――ミッシェルは限られた情報の欠片だけで、かなり正解に近い推測を成し遂げたのだった。


(だとすれば、私がここで諦める訳にはいかない!!)

 

 再び闘志を燃やし、ミッシェルは今の自分に出来る事を考える。

 身体は動かない。

 今のミッシェルに出来るのは、ジギルの、そしてレジスタンス達の無事を祈る事のみ。

 しかし――

 その強烈なミッシェルの意思は、漏れ出るエネルギーと混ざり合い思念へと至る。

 それは静かに光よりも速く、ミッシェルが信じる者達の心へと届けられる……。



      ◆◆◆



 ミッシェルの祈りは、ジギルにも届いた。

 しかし、その時には既に、情勢は決していたのである。


 ………

 ……

 …


 異様な変貌を遂げたカルマンは、ジギルの手に負える相手ではなかった。

 最初こそ機導術式マシーナリーアーツに秀でるジギルが有利だったのだが、その攻撃は全て決定打とはなり得なかったのだ。

 カルマンは超常の回復力――それこそ超獣を凌ぐ再生力でもって、ジギルから受けたダメージを全て元通りにしてしまう。

 否。下手をすれば、再生後の方が防御力が増している気配すらあった。一度折れた骨が硬さを増すが如く、竜機外装ドラゴニックアーマーは 生物としての特徴を持つようだ。

 それに加え、ジギルの動きに少しずつ対応してみせるカルマン。

 技術ではジギルが上なのに、攻撃が上手く当たらなくなっていった。

 そう、後ろに目がついているかのように、全方位からの攻撃にすら対処してのけたのである。

 それだけではない。

 カルマンの身体に拳を当てる事は出来たが、その装甲には毒があった。

 強烈な酸で、ジギルの拳を焼いたのだ。

 打撃による衝撃と、接触した瞬間に叩き込んだプラズマ。これらのダメージよりも、ジギルが受けた損害の方が大きいのではないか、そう思えるような仕様である。

 多彩な火器に、反撃手段。

 四甲機将マシーナリーフォーに匹敵するか、或いは上回る程の高出力エネルギー。

 そして、ジギルでは敗れない絶対防御。

 カルマンは、ジギルの最強攻撃手段である生体電磁振動波エンド・ヴァイブレーションを、完全に遮断して見せた。

 形成した領域内を振動させる事で、分子や原子の結合を解きほぐす。防御不能の超破壊技を、だ。

 ジギルが知る限りでそれを可能とするのは、あらゆる干渉を拒絶し封じ込む特殊な障壁バリアのみ……。

 そう、カルマンは特異連環障壁エーテルリングバリアを使いこなして見せたのだ。


(どうなっている? 特異連環障壁エーテルリングバリアは、恒星機関スターシステムなしには操れぬはず……。連環粒子加速器で特異物質エーテルを生み出さねば――まさか、再現したのか!? あのカルマンの見慣れぬ強化外装パワードスーツには、恒星機関スターシステムが備わっているのか!?)


 ジギルは、そう結論を導き出さざるを得なかった。

 信じたくはないが、目の前で見せられた以上、現実として受け入れる必要があった。


(たかがレジスタンス如きが、どうやってそんな超技術を――?)


 疑問は尽きぬが、今はそれどころではなかった。

 必殺の攻撃が通じなかったジギルには、カルマンを倒す手段が残されていなかったのだ。

 そして、いつの間にか参戦したカルマンの部下達も。

 確かに破壊したはずの強化外装パワードスーツを着用し、ライツ達を翻弄していた。

 超獣も入り混じり、戦況は混沌としている。

 援護は期待出来ず、起死回生の策はない。

 そして遂に、ジギルの攻撃直後の隙を見逃さず、カルマンの荷電粒子砲ギガバスターがジギルの下半身を蒸発させた。

 更に今、動揺するジギルにトドメを刺すべくカルマンが竜のあぎとの如き拳を突き出して――それがジギルの眼前まで迫っていたのだ。


 ………

 ……

 …


 目の前に迫る拳を見て、ジギルは自分の敗北――即ち、死――を悟った。


(私は一体……一体何故、このように戦っているのだろう――?)


 恐怖ではなく、ひたすらに疑問に思うジギル。

 生体改造人間バイオノイドに取り込まれていた"脳"が活性化し、ジギル本来の自由意志が目覚めかけたのだ。

 カルマンからの容赦ない攻撃を受けて、生体改造人間バイオノイドの身体を構築する特殊細胞が大幅に失われた。生命活動の維持へと演算領域が回され、ジギルへの束縛が薄れた結果である。

 だからこそ、ジギルは現状に疑問を持った。

 ジギルの主観では、今は会議の最中。

 それなのに何故かカルマンと戦っていて――ジギルは激しく混乱した。

 夢の中でもがくように、ジギルは混濁する意識に必死に抗う。

 その時――


 ――ジギル、ジギルなの? 諦めないで、心を取り戻して!!――


 ――心の深層からジギルの意識が浮上した事で、ミッシェルの思念が届いたのである。

 そしてその声を聞き、ジギルの意識は完全に覚醒した。


(そう、そうだ。私は確か、宰相フュードラに――)


 夢から醒めるように、直前の記憶を思い出すジギル。

 そして、その後の自分であって自分ではない時の行動記録を、記憶領域の情報を読み取る事で理解した。


(ああ……。これでは、何を言っても信じてはもらえまい。すみませんミッシェル……貴女のお役に立てなくて……)


 死を告げる拳を前に、走馬灯の如く思考が巡る。

 押し寄せるのは後悔と、無念の思い。

 宰相フュードラに利用され、ミッシェルを裏切り窮地に陥れてしまった自分への。

 同時に、小さな希望もある。

 四甲機将マシーナリーフォーには及ばぬものの、最強の一角であるジギルをも一蹴するカルマンを見て。

 その力ならば或いは、ミッシェルを助け出せるのではないか、と。

 後悔と希望を抱き、ジギルは訪れる死を受け入れ――


「フザケルな! こんなところで、私達が長年追い求めた理想を諦められるものか――ッ!!」


 ――られる訳がなかった。

 ジギル本来の意思が目覚めた今、ミッシェルに言われずともジギルは最後まで諦めはしないのだ。

 ジギルは生体改造人間バイオノイドの特性を活かして、カルマンの粒子拳バスターナックルを受け流した。細胞を更に犠牲にする事で、重要器官を守ったのだ。

 これによって一命は取り留めたものの、既にジギルの戦闘能力は皆無に近い。

 勝敗は決した。

 後は、交渉が残るのみ。


「今ので終わりにするつもりだったんだがな。ジギルさんよ、アンタもなかなかしぶといね」

「フッ、死ぬ訳にはいかなくなったの。昔の夢を、理想を思い出したのよ」

「おいおい、そんなに死ぬのが嫌かい? それに、今更理想だと? 俺達を騙まし討ちするようなヤツが、何を言っていやがる……」

「事情を説明したいが、今は時間がない。ミッシェル様を助け出すまで、私を見逃してくれないか?」

「助け出すだと? 俺達を裏切っておいて、そんな言い訳が通用するとでも?」


 随分と都合の良い話であると、提案したジギルも思う。

 だがそれでも、ここでカルマンを説得出来なければ、ジギルどころかミッシェルも助からない。

 なんとしてもカルマンに、今のジギルの立場を理解してもらう必要があった。


「信じられぬだろうが、私は操られていたのだ。ミッシェル様を救出に向かいたいので、この場は私を見逃してはもらえないだろうか?」

「見逃せだと? おいおい、随分と都合がいい話だな。通るかよ、そんなもん!」


 それはそうだろう、とジギルは思う。

 カルマンは苛烈な性格で、敵には容赦がないと知られた男だ。

 そんなカルマンが、今の自分を見逃すはずがないとジギルも理解している。

 だが、説得するしかないのだ。

 しかしその時、ジギルにも予想外の出来事が起きた。

 何とかして話を聞いてもらおうと口を開きかけたジギルだったが、突然カルマンが上空の一点を見上げて動きを止めたのだ。


「あれは……」


 というカルマンの呟きが聞こえたと同時、カルマンの見上げる空に黒い染みが生まれた。

 いや、ジギルの望遠機能の解析によると、それは万能型戦略偵察機だった。


「あれは、ヒイラギ中尉の船、か――」

「ああ。ヒイラギさんとはよく組んだからな、間違いない。だが、何故ここに……?」


 戦いの最中である事を忘れ、思わず偵察機を警戒するジギルとカルマン。

 ジギルはこれを利用しようとして。

 カルマンは偵察機に邪魔されぬように。

 しかしそんな両者の思惑は、次の瞬間に消し飛ぶ事になる。


『聞こえるかね? ジギル様、それにカルマンも!』


 と、大気を振るわせるような大音量で、ヒイラギの声が聞こえたからだ。

 一瞬顔を見合わせるジギルとカルマン。

 そして戦いを止める、カルマンの部下とライツ一行。


『先ずは戦いを止めて、私の話を聞いて欲しい! どうやらそれが、ミッシェル様の望みらしいのだ!』


 こうして思わぬ闖入者の登場により、ジギルとカルマンの戦いは中断したのである。



      ◆◆◆



 カルマンは、ヒイラギ中尉と再会していた。


「よう、ヒイラギさん。無事だったのかい?」

「まあね。君達の敗北をミッシェル様に伝えた後、そこのジギル様から秘匿回線で別命を受けたのさ。隙をみて君達を救出するように、とね。だが、ミッシェル様が動いた事で状況が変わった。次の指示があるまで、君達を追跡して情報を収集しつつ、影ながらサポートに徹するように命じられたのだよ」


 ヒイラギは、その視線をジギルに向けつつカルマンに応じる。サポートする必要はなかったようだがね、と付け加えながら。

 丁度今、ヒイラギの部下の女性士官が、治療用のカプセルに下半身を失ったジギルを横たえ終えた所だった。治療カプセルでは失われた細胞を補填する事は出来ないが、栄養剤を補充するだけで自己再生するというジギルの言葉に従ったのだ。


「ジギル、様の?」

「ああ、そうだとも」

「――思い出した。確かに私が命令していたわね」


 混乱するカルマンに、ヒイラギが頷き、ジギルもそれを肯定した。


「って事は、本当に操られて……?」

「それは間違いなさそうだな。私も俄かには信じられないのだが、ともかくは船に乗りたまえ。ミッシェル様の救出に向かいながら話そう」


 そう言って、ヒイラギはカルマン達を偵察機へと誘ったのである。

 カルマンは完全に納得した訳ではないが、ヒイラギとは長い付き合いだ。

 彼が自分を裏切っているとは思えず、カルマンはヒイラギを信じる事にした。

 しかし、ジギルを信じるかどうかは話は別である。

 そう思っていたカルマンだったのだが――


『ジギルは無事だったようね。間に合って良かった』


 ジギルの治療カプセルを艦橋に運び込んだ時、機械音声が響いた。


「っ!?」


 驚くカルマン。

 そしてジギルも目を瞬き、思わず呟き声を漏らす。


「――まさか、ミッシェルなの?」

『ええ。思念波で、この船の演算領域を乗っ取ったの』

「はあーーっ!?」

「嘘でしょ……」


 とんでもない発言が、機械音声で語られた。

 人工知能でプログラムを組み、カルマン達を騙そうとしている訳ではない。

 それくらいはカルマンにもわかる。何故ならば、その声質はともかく、口調は間違いなくミッシェルそのものだったからだ。

 何よりもその声からは、他者を従える者特有の威圧が感じられたのだ。


《カルマン、思念波を感知したわ。間違いなくこの波長は、貴方の記憶情報にあるミッシェル様のものと一致しているわよ》


 おう、と頷くしかないカルマン。


「流石というか、何というか……。ミッシェル様は俺の想像の上をいくぜ……」

「まあ、ミッシェルだからね。私も貴女の声で目覚めたんだし、文句はないけど……」


 言いたい事は多々あるカルマンだったが、こうなっては信じる他ない。

 ジギルの驚く様子や、憑き物の落ちたような様子を見るに、その言葉に嘘はないと信じたのだった。

 そしてそれはジギルだけではなかった。

 捕われたライツ一行も、ミッシェルの思念波を浴びて自我を取り戻したのだ。


「オレっち達は一体……」


 夢から醒めたように戸惑うライツ達。

 そんな一同を前にしては、カルマンも疑い続ける訳にはいかなかった。

 葉巻を咥え、頭をガシガシと掻くカルマン。


「チッ、わかりましたよ。それでミッシェル様、状況はどうなっているんですかね?」


 結局最後はカルマンが折れた。

 ジギルへの怒りを飲み込み、ミッシェルの話を聞く事にしたのだった。

 そして、ミッシェルが自分の身体と切り離された状況であると知る。

 その身体が暴走し、膨大なエネルギーを解き放とうとしている事も……。


「――私の持つ暗号キーがあれば、ミッシェルの"脳"を身体と接続出来る。早く私をミッシェルの下へ――ッ!!」


 ジギルが言う。

 暴走するミッシェルに近付く事は、ジギルにとっても危険が大きい。

 だが、それでも――ジギルはミッシェルを止めると決意したのだ。

 カルマンも迷わなかった。


「行きましょうか、ヒイラギさん」

「もう向かっているさ。全速力でね」


 カルマンだけではなくヒイラギも、否、この万能型戦略偵察機に乗る者達は全て、覚悟を一つにしていた。

 世界の命運を見届ける為に……。




 カルマンが不承不承で納得した頃――

 クリストフもまた、ミッシェルの"声"を聞いていた。

 クリストフだけではなく、戦場で戦う将兵全てが、レジスタンスの一同が、それぞれにその声を聞いたのだ。

 それは、ミッシェルが自身から漏れ出る膨大なエネルギーを利用して、それを思念波として全方位へ向けて放った結果である。

 その強烈な思念を浴びて、"脳"が無事だった者は自我を取り戻したのだ。

 そして当然ながら、命令に従っていただけの将兵はミッシェルの言葉に従う。

 レジスタンスもまた。

 ミッシェルが協力者だとシャルマから聞かされており、今の状況が異常だと直ぐに察知する事が出来た。

 幸運だったのは、ザザが直ぐに信じた事だ。


「戦闘中止! こいつは間違いなく、ミッシェル様の"声"だ!!」


 ヴェルドラのお陰せいで、多少の事では動じなくなっているザザ。

 そんなザザだからこそ、この異常事態も日常の一コマとして簡単に受け入れる事が出来た。

 ザザもかなり毒されているのだが、それが今は良い方向に働いたのだ。

 レジスタンス側の最大戦力であるザザが戦いを止めた事で、帝国側にも余裕が生まれた。

 その結果、戦闘は比較的混乱せずに収束したのである。


 戦闘が終わってみると、都市の方角からあり得ないような高エネルギーの放出が確認出来た。

 これに気付いた今、これ以上の戦闘を続行するのは愚行である――レジスタンスも帝国も、その点で判断を間違えはしなかった。


「俺はミッシェル様が心配だ。何か起きているのか、確かめねば――」


 ザザの言葉は、その場の全員の心を代弁するものだった。




 そして――

 皆がそれぞれに、彼の地を目指す事になった。

 そこで彼等は、一生を通して想像する事すらないだろう程の、とんでもない事態を目撃する事になる。



      ◆◆◆



 どうなっているんだ全く。

 俺が一週間留守にして目を離している隙に、一つの世界が滅びそうになっていた。

 何を言っているのか理解出来ないだろうが、俺も何でこんな事になっているのか理解出来ない。

 自分へのご褒美として軽い息抜きのつもりで脱走したのだが、その間にヴェルドラやラミリスを好き勝手させたのは失敗だったようだ。

 まさか、世界を一つ崩壊に導くとは……。

 俺の小旅行など、可愛いものである。

 やっぱ可笑しいわ、コイツ等。

 ぶっ飛んでいるとか常識が通用しないとか、そんなチャチな話では断じて済まされないだろう。

 崩壊しかけの世界を見るなど、真っ二つに引き裂かれた俺の本体リムルンを見た時以上の衝撃であった。

 ベレッタが俺に助けを求めて来たのも当然だな。


 ………

 ……

 …


 真っ二つになった本体を吸収して、留守にしていた間の研究結果を聞きに迷宮へと向かい、そこで異変を察知した。

 挙動不審のシンジに出迎えられた。

 問い詰めると、ヴェルドラ達が勝手に異世界へと旅立ったのだという。

 研究途中だった異世界への門ディファレントゲートを使い、俺の留守を狙って行動を起こしたらしい。

 やれやれ、と思った。

 どうせ目新しいものを俺より先に見つけ、自慢しようとでも考えたのだろう、と。

 アイツ等の姑息な考えなど、俺には大体お見通しなのだ。

 このまま待っていても仕方ないので、残っていた魔法陣を解析してヴェルドラ達の行き先の座標を推定させようとした。


《既に完了しております》


 シエル先生なら、その程度は余裕でしたね。

 と納得したその時、ベレッタから『思念伝達』が届いたのである。


『リムル様、問題が起きました。お二方も一緒でして――』


 という、ベレッタからの連絡。

 狙ったようなタイミングだが、それは不問にしよう。

 俺に助けを求めてきたらしく、かなり慌てているようだしな。

 どうやらベレッタも、あの二人に巻き込まれたみたいだ。

 あの二人を止めるのは、ベレッタには荷が重すぎたのだろう。

 隙を見て、ようやく俺に連絡出来たのかな?

 それはともかく――


「シンジ、どうやらヴェルドラ達がやらかしてるらしいわ。俺は行くから後は宜しく!」


 と、シンジに伝える。

 シンジはシンジで、俺が紹介した新しい研究員――イリナを前に、何やら冷や汗まみれになって言い訳しているようだったが……まあ、俺には関係ない。

 シンジの頬が赤く腫れ上がっているが、それも気にしては駄目なのだ。


「えっ、リムル様!? ちょ、僕を一人でこの修羅場に残して――ッ!?」


 さらば、シンジ!

 悪いが、君の事は救ってやれない!!

 後は二人きりでごゆっくりどうぞ。

 泣きそうな――というか、泣いている――シンジをその場に残し、俺はベレッタの位置まで『次元間転移』を行ったのだった。



 ベレッタに出迎えられて、説明を聞こうとした。

 しかし、そんな悠長な時間はなかったようである。


「実はですね――」


 とベレッタが話し始めようとした瞬間、世界が軋み始める予兆を感じたのだ。


「おいおい、これは無茶し過ぎだろ! ヴェルドラは加減を知らないから……」

「え、いや、これはヴェルドラ様が原因ではなく――」

「お前にも苦労をかけるな、ベレッタ。よし、ヴェルドラは俺からきつく叱ってやる!」

「えっ!?」


 ついでにラミリスも――と言い残し、ヴェルドラ達を目指して跳躍したのだった。


 ………

 ……

 …


 てな訳で、俺はヴェルドラをハリセンでしばいた訳だが……。

 さて、どうしよう?


「げえっ、リムル!? 何故ここに!?」

「アタシは悪くないよ! アタシは師匠の巻き添えになったダケなワケ!!」


 驚くヴェルドラに、華麗なる裏切りを見せるラミリス。

 ラミリスが言い訳するのはいつもの事なので、共犯と見て間違いない。

 ベレッタはその辺を誤魔化そうとしていたようだけど、庇うにも限度というものがある。

 丁度その時、俺に続いてベレッタが『転移』して来た。


「お、お待ち下さいリムル様! 違うのです。我々は次元間移動の魔法陣の実験の最中、事故に巻き込まれてしまったダケなのです!!」


 俺を追いかけてきたベレッタは、慌てたようにそう言った。

 ふむ、事故、ね。

 どうやら事情があるのかな?

 それとも、言い訳か?

 そのベレッタの言葉を聞き、我が意を得たりとばかりにヴェルドラも叫んだ。


「そうだぞ、リムルよ。何でもかんでも我が悪いと思われるのは心外である。それにだ、いきなり頭を叩くなど酷いではないか!」


 憤慨してますよと言わんばかりに怒ってみせているが、その目は若干泳いでいる。

 という事は、疚しい事がないワケではなさそうだ。

 ラミリスも自分が悪い事をしていると思ったからこそ、真っ先にヴェルドラを裏切った訳だし……ここは一つ、鎌をかけてみるか。


「そうか、それは悪かったな。あの魔法陣は素晴らしい出来栄えだったから、それは褒めてやろうと思ったんだが……事故って事は、単なる偶然だったのか?」


 さて、反応は?


「それはアタシの研究成果なワケ! 事故じゃなくて、計算通りに決まってるじゃん!」

「何をラミリス!? 我との共同研究であろうが! 手柄の独り占めなど許さんぞ!!」


 アホ共が。

 見事に釣られおったわ。


「――ラミリス様、ヴェルドラ様、それは自白というものです……」


 ベレッタが悲しそうに呟いた。


「「あっ!?」」


 同時に気付く二人。

 語るに落ちる、とはこの事だ。

 ベレッタも共犯だったか。罪を減らそうとして事故だったという事にしようとしたようだが、事前打ち合わせが甘かったようだ。

 まあその辺は、色々と事情があるのだろう。

 それに――


「まあ、今はそれどころじゃなさそうだな。これは確かに、ヴェルドラの仕業ではなさそうだし」


 俺はそう言って、周囲からあらゆる物質やエネルギーを吸い込んで巨大化しようとしている二つの重力渦コラプサーへと目を向けた。

 一人の女性を基点として、互いに影響を与え合い成長している二つの重力渦コラプサー――超重力の特異点、あらゆる物質を飲み込む暗黒洞ブラックホールへと。


「なんでこんな事になってるんだよ?」

「アタシが聞きたいくらいさ! なんか無限機関メビウスシステムとか言うらしいんだけど、そこのミッシェルという女の動力炉が暴走してたワケ。アタシ達はそれを止めようとしてたの!」

「その通りよ。我が必死に世界の崩壊を食い止めておったのだ。それを我のせいにされるなど心外だぞ、リムルよ!」


 説明になっていない説明をありがとう。

 ラミリスも慌てているようだし、詳しい話は後でいい。

 確かに原因はヴェルドラではなく、寧ろ逆に頑張っていたようだ。

 少しだけ悪い事をしたかなと思ったが、まあ、ヴェルドラの普段の行いが悪いせいで誤解してしまっただけだし。

 自業自得だな。

 ヴェルドラには自分の行いを振り返って、反省して欲しいものである。

 しかし、無限機関メビウスシステム

 ブラックホールが動力炉とか、なんの冗談だ?

 意味がわからない。

 この世界の科学力はそこまで凄まじいのだろうか……?

 というか、そんなものでどうやってエネルギーを――


《つまり、位相変換動力炉の一種で――》


 簡潔に、理解しやすく、手短にお願いします。


《……。簡単に言えば、重力渦コラプサーに物質が落下する際、その質量がエネルギーに還元される現象を利用した仕組みです。二つの円環トーラスを用いる事で相互に干渉しあい、理論上は無限にエネルギーを生み出せる、とでも思ったのでしょう。ですが完璧には程遠く、危険極まりない代物となっているようですね》


 シエル先生の説明は難しい。

 案の定、簡潔とは言えない説明だったが、なんとなく理解は出来た。

 ようするに、未完成品だったのね。

 完璧じゃないエンジンが暴走して、今の状態になった――それだけ理解出来れば十分である。

 これがこのまま規模を拡大して暴走を続ければ、この宇宙をも飲み込むだろう。

 そうなったら、他の次元へも影響が出るのだろうか?


《いいえ、他の次元への影響はありません。この宇宙のみが成長速度を失い、ゼロへと帰結するだけです》


 他の世界に影響がないならば、この世界は放置して俺達だけ帰ってもいいのだが……。

 ヴェルドラはこの世界を救おうとしていた。

 だったら俺も、その心意気には応えてやりたい。

 それで、対処は可能か?


《簡単です。これは言ってみれば、『暴食之王(ベルゼビュート)』に類似する現象です。プラスへのエネルギー放出ではなく、マイナスへのエネルギー消滅が問題。しかし、対処は同じ。エネルギーは方向を持つので、それを操作すれば宜しいかと――》


 なるほど。

 成長速度=時間の推移であると考えるならば、この宇宙から膨張力が消え失せると、時間の概念も無くなる訳だ。

 宇宙の膨張がプラスのエネルギーだとすると、今目の前で起きている現象はマイナスのエネルギーだと言える。マイナスエネルギーは特殊で、防御してどうこう出来るという性質のものではないのである。

 ヴェルドラは、ほぼ全ての干渉波からの影響を受けない。

 それだけ『確率操作』が万能だという事だ。

 これが敵からの攻撃だったとしても、まるで通用しなかっただろう。

 仮に世界が滅んでも、ヴェルドラは影響を受けずに他の次元へと移動する事も出来るのだから。

 エネルギーの無くなった――つまり、時間の停止した――世界でも、ヴェルドラならば問題なく活動出来るのである。

 しかし、周囲のエネルギーを全て奪う現象を前にしては、ヴェルドラでさえもその膨大な魔素エネルギー量を用いて中和する事でしか対処出来なかったという訳だ。

 まあ言ってみれば、相性の問題だな。

 だが、俺には関係のない話。

 仮定の話だが、俺の能力スキルだった『暴食之王(ベルゼビュート)』が暴走していたならば、今のような感じになると思う。

 だから、その対処法方なら、俺にもわかるのだ。

 膨張であれ消滅であれ、力には向きがある。エネルギーには流れがあるので、その流れを止めればいい。

 つまり、時間停止だ。

 時間を止めれば、膨張し続けるマイナスエネルギーも静止する、という事なのである。


 ヴェルドラでは、この現象への対処は無理だったな。

 なんせヴェルドラは、時を操る事が出来ないのだ。

 究極能力アルティメットスキル混沌之王ナイアルラトホテップ』には『時空間操作』があるのだが、ヴェルドラは自らの意思で時を止めた事がない。練習すれば出来るようになると思うのだが、面倒臭がって能力スキルを育てようとしないのだ。

 最初から最強だっただけに、自分の好きな事以外には全く関心を持たない。ヴェルドラの悪い癖である。

 止まった時の中で動けるのだから、自分で時を止める必要はないと言い放っていた。

 その言い分はもっともだと思うのだが、こういう場合は困るよね。

 と言っても、こういう場面が多々あっても問題なんだけどね。これを機会に、少しは練習する気になってくれるといいのだが……困った時だけ俺を頼られても面倒なのである。

 ……いつもの事なので、まあいいんだけどね。



      ◇◇◇



 何が起きているか把握したし、サクッと解決するとしよう。

 そう思った時、周囲に人が集い始めた。

 建物からワラワラと出て来る完全武装の一団。

 重力波を中和しようとしていた者達への応援のようだが、完全に無意味だな。

 それを指揮する者も顔にも絶望の色が見えるので、自分達の行いに効果がないと悟っているのだろう。

 更に上空から飛空船――というか戦艦――がやって来た。

 かなり凄い科学技術の結晶のようだが、戦艦でどうこう出来る問題ではない。

 あるのかないのか知らないが、ビーム兵器などでブラックホールを吹き飛ばす事は不可能なのだ。

 と思っていると、中から飛び出して来た者達がいる。


「ミッシェル、気を確かに持って! 今直ぐ私が、貴女を再起動させるから!」


 とか叫びながら、こっちに向かって飛んで来た。

 下半身が失われた女と、それを抱える渋いオッサンだ。

 どうやらミッシェルという女へと呼びかけて、彼女の意思で暴走を止めようとしているみたいだな。

 女の方は自分もかなり危険な状態に見えるが、それでもミッシェルとやらが心配なのだろう。

 しかし、この場に近寄るのは止めた方がいいと思うよ。

 オッサンの方はえらく格好良い感じの装甲に守られ、頭二つ程突き抜けたエネルギーを秘めている。だから耐えられるだろうけど、この周囲は既に重力場が形成されているのだ。

 下手に近寄ると、自分達も事象の地平面(シュヴァルツシルト面)を超えて特異点に向けて一直線になってしまうよ?

 という俺の心配が通じたのか、オッサンの方が足を止め、それを不満に思う女と激しく言い合いを始めた。

 聞こえる内容は、「近寄れ」と「無理だ」の応酬である。

 オッサンの方は理性を保っているようで、必死に女を説得している。

 では、今の内に。

 もたもたしていると、被害が増えそうだしね。



 という事で、パパッと時を止めた。

 そしてポヨンポヨンと、特異点まで歩く。

 闇の中に浮かぶ虹の橋、その先の境界面の向こう側に、二つの輪が浮かんでいた。

 無限機関メビウスシステム、だったか?


圧縮増殖動力炉ブラックホールエンジンですね。科学と呼ばれる技法の最終到達点、究極のエネルギー発生装置です》


 なるほど……。

 凄そう、というのは十分に伝わった。

 核を超える究極の力って事か。しかし、制御出来なければ意味がない。


《そもそもこの技術は、明らかに時代錯誤オーパーツです。この世界は主様マスターの前世と比して、文明レベルにして二世紀分程は先んじているようですが……それでも、この技術を利用するには地力が足りません。生み出された熱量に耐え得る金属も精製出来ず、抑え込む力場も十分に用意出来ない、暴走するのが当然であると言えるでしょう》


 だよな。

 どうやらあのサイボーグっぽい人達には、超小型化された核融合炉と空間圧縮による粒子加速装置が内蔵されていた。

 それは明らかに超文明の産物なのだが、それでもある程度は技術発展の過程プロセスが読み取れる。

 しかし、マイクロブラックホールを制御するエンジンなんて、どこから持って来た技術なのかも理解し難い代物なのだ。

 異質過ぎて、文明レベルにそぐわない。

 という事は、これを作ったヤツも何らかの異邦人だったのかも知れないな。もしも会えたら、我が国に名誉研究員として迎える事も検討してみよう。

 と、止まった世界で無限機関メビウスシステムを眺めつつ思った。

 残しておくと危険そうだし、回収だな。


《それでは、私がキッチリと管理いたしましょう!》


 管、理……?

 能力スキルマニアのシエル先生、もしかして新たなる趣味を見つけたんじゃあ……?

 なんか声が嬉々としてるし、その可能性が濃厚である。

 まあいいか。

 今の所エネルギー事情は困っていないんだけど、シエル先生がご機嫌だし、水を差すのも野暮だろう。

 という事で、無限機関メビウスシステムを『胃袋』に回収した。


「で、リムルよ。それをどうするつもりだ?」


 俺が時間を止めた事で、ヴェルドラが余裕を取り戻したようだ。

 俺がコソッと無限機関メビウスシステムを回収したのを見逃さず、ヴェルドラが質問してきた。

 油断していた。ヴェルドラは動けるんだったな。


「面白いから、研究しようかと思ってさ」

「ぬう、ずるいぞ! それは我やラミリスでも解析不能だったのだぞ? だから苦労して、我がそれを手に入れようとしていたのに!?」

「知るかよ! 世界を救おうとして頑張っていたんじゃなかったのか? そう思ったから、抜け駆けした事に目を瞑ろうと思ったんだぞっ!?」

「あ、いや……それは、その通りなのだが……。クアハハハ……。ふう、ラミリスはそれを、ベレッタに搭載したがっておったのだがな……」


 分が悪いと思ったのか、ヴェルドラが大人しくなった。

 口で俺に勝とうなんざ、数世紀早いというものだ。

 しかし、ベレッタに搭載、ねえ?

 それは案外、面白そうな意見なんじゃないですか?


《――可能ですが、私の研究が終わってからにして下さい。より完璧なものを提供したいのです》


 おお、流石はシエル先生!

 相変わらずの完璧主義者だこと。

 だが、これでシエル先生からの許しも出た。

 ベレッタに搭載するのは、約束されたも同然だ。


「よし、その案は採用しよう!」

「何ッ!?」

「ベレッタも苦労したようだし、ご褒美としてこれを搭載しようじゃないか!」

「クアーーーッハッハッハ! 流石は我の盟友たるリムルよ、話がわかる。ラミリスも喜ぶであろう!」


 ご機嫌になるヴェルドラさん。

 俺も興味あるし、資源の有効利用は大事だよね。

 ベレッタなら地属性だし、シエル先生が完璧に仕上げた無限機関メビウスシステムならば、暴走させる事なく安全に運用出来るだろう。

 これで危険物の処理についても大丈夫。

 後はこのミッシェルとやらに、代わりとなる心臓――動力炉――を用意してやるだけだ。

 それはどうとでもなる。

 既に周囲のサイボーグを『解析』して、シエル先生が何か用意してくれていた。


《核融合心臓炉――この世界では、恒星機関スターシステムと呼称するようですね。個人が所有するには贅沢過ぎますが、まあいいでしょう》


 シエル先生、自分で作るものに妥協はしたくないが、それを個人に与えるには高性能すぎる、というジレンマに陥ったようだ。

 なんせ、使いこなせていなかった無限機関メビウスシステムよりも、余程に高出力なエンジンとなってしまっているのだから、その気持ちはわかる。

 無駄に頑張り過ぎるんだよね、シエル先生さんは。

 チョコチョコっと作っただけにしか見えないのに、そこらのサイボーグに搭載されているエンジンなど目ではない代物なのだから。

 まあ、無限機関メビウスシステムは頂くのだし、良しとしよう。



 その作業をしつつ、ヴェルドラから事情聴取を行った。

 こっちの世界でも早々に自重を投げ捨て、好き勝手に楽しんでいたようだ。

 だから俺が着いて行かないと駄目なんだよ。

 ヴェルドラやラミリスには、保護者が必要なのだ。

 そしてヴェルドラは話を終えて、もう怒られる事はないと晴れ晴れとした顔になっている。

 いやいや、お仕置きはこれからなんですけど?

 喉元過ぎればなんとやら、無限機関メビウスシステムの暴走が解決した事で、この世界が救われたとでも思っているようだし……。

 現実を教え込む為にも、この世界の後始末は、キッチリとヴェルドラに任せようと決意したのだった。

 お知らせ。

 ニコニコ動画で、『転生したらスライムだった件』のPVが公開されています。

 URLは『 http://www.nicovideo.jp/watch/1445482209 』です。

 マイクロマガジン社様のHPからも視聴出来るので、是非とも御覧になって下さい!

 ※第六巻の序章も立ち読み出来るので、興味のある方はそちらもどうぞ!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 書籍の方ですが一つ不安があります 果たして外伝に繋がることができるのかという点です。 まぁ繋がらなくても新しい外伝読めればイイですけどね(笑) 残りも期待してます。
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