フレームをはずしたタンバリン

　フレームをはずしたタンバリンだけが

　知ってる自由を

　妬(ねた)むのは馬鹿げてるから

　おれは三丁目の野良猫に弟子入りを決めた

　食っちゃ寝て女のケツを追っかけてさ

　これじゃなにひとつ変わりゃしねえけど

　それで足りねえぶんはぜんぶ煩悩だって

　師匠は香箱座りで聖人の顔をした

　酒とタバコで臓腑をふたつも もっていかれりゃ

　おれのなかにはガランドウができた

　その痕(あと)を埋めても なお縫い目からはみ出る

　万国旗でも見つけたら

　さぞかしハッピーだろうね

　フレームをはずしたタンバリンなんか

　いらねえと啖呵(たんか)

　切ったのを覚えてるのか

　おれは八分目の腹ぺこで飢え死にしそうだ

　湧(わ)いて出て腐った膿(うみ)を舐(な)めあげてさ

　まるで蛆(うじ)虫と変わりゃしねえぞと

　それを嘆いたやつはぜんぶ盆暗(ぼんくら)だって

　悟りはションベン臭(くさ)くてアンモニア漂(ただよ)った

　金と愛とでポケットふたつはあけておけよと

　おれのそとにもガランドウをつくる

　その件を踏まえて なお裂け目から漏(も)れ出た

　メタンガスさえ惜しむなら

　なんとも 滑稽(こっけい)だもんね