ゼロ章⑨「いろんな意味を」
(注意)あくまでイラストはイメージとして、大らかに捉えて下さい♪イラスト多用しますのでデータ量とかどうなんでしょ?むっちゃ心配なので、心当たりのある方はバックおーらいして下さい!!!
その後、作者こと私・・『山野いよ』と、その作品こと不思議な子・・『翠』が『足を生やす』ために挑むこと・・じつに苦節ウン十年が過ぎようと・・
ごめんウソです、あの子が絵から出てきてから、まだ1日も経ってないけどね?
艱難辛苦(?)を乗り越えて、そろそろ日が暮れようとする今・・私と翠がいる場所は玄関・・正確には、『上がり框』に移動していた。
あっ、玄関や土間の構造で、“内と外”を分ける段差に取り付けられた横木を『上がり框』と言います・・と言っても、ここの段差は低い・・ナイに等しい。
段差をなくすバリアフリーの為か、それとも、その中間(謎)を目指したのか?
元持ち主が誰かは知らないけど、古民家をイイかんじ~♪に改良しようとして・・力尽きたらしい・・その独創的ともいうべき名残(?)がソコカシコに見える。
そんな未完成な混沌の状態で、住みビトおらずとなった(黒)歴史がある家。
私が転がり込むようなカタチで、そこに移り住んだワケでありますが・・いきなり話変わって、古来、『玄関』というは元々寺院の入口という意味もあったそうな?
私は詳しく知らないけど、風水的にも玄関って大事らしいからね。
そう思うと、玄関って神聖な雰囲気を感じますね・・そんな神頼み?、ゲン担ぎ?のパワーと、翠のお外への欲求も合わせて再挑戦!・・流石に、今回が(今日の)ラストチャレンジだろうか?・・ふたりとも疲労がハンパないはずなんだけど・・
「おかあさん、みてて!、スイやるよぉ~!!!」
上がり框に座り込んだ、翠が大きな声を上げる!!!
「よぉ~し!、期は熟した!、頑張れ、翠~!!!」
それを見守る私も気合は十分だっ!!!
「あんよ~!、あしよ~!・・スイをおそとにつれてって~!」
ぐぐぐぐっ・・ぶちっ、ぶちん!!!
「頑張れ!、翠~!・・あっ!、結わいた髪がほどけた!?」
顔を真っ赤にして踏ん張る翠!、その気迫に呼応したのか、ぶわっと広がる長い髪!・・服装も何だかゴージャスになってない!?
「むん!むん!!・・・むーーん!!!」
むにゅむにゅむにゅ~ん!!!・・ちゃきーーん!
「ふぅふう・・やった、やったよ~!、おかあさん~!」
荒い息をしながらも、喜びの声をあげる、私の子!
「足が生えた!、すごいよ!、すごいよ!、翠~!」
そこにあるのは、見事なニンゲンの足!、ついに翠に足が生えたのです!
「おめでとう!、翠♪、よしよし~♪」
「うふふ~、おかぁ~さ~ん♪、わたし、できたよ~♪」
喜び、ぎゅ~っと抱きしめ合う私たち♪・・胸の中に、じーんっと来るものがある!、自分の子が頑張る姿って、こんなにも愛しく感じるものだなんて・・
でも、まだ最大の難関が待ち構えている!、その足で立ち上がり、歩くことだ!
それが達成できた時こそ、心から真の喜びを分かち合うことが出来るのだ!!!
・・その為には、こんな可愛い我が子なのに私は心を鬼にして・・
「うわぁわぁっ!?、ぐらぐら、ぐらぐらするよ!?・・おかあ~さん!?」
不安定に揺れるカラダと、私に助けを求める小さな手・・
翠に手を貸してあげたい!、助けてあげたい!、こんなに必死で頑張ってるんだよ!?・・そんな気持ちが、私の手をあの子に伸ばせって命令してくる!
「・・あっ!?」「翠!・・っ・・」
体を支えきれず倒れてしまう!、当たり前だ、だって初めてのことなんだから!
すかさず、翠を受け止めてあげたけど・・それ以上はしない。
・・多分、これが私にとっても、あの子にとっても乗り越えるべき壁・・
「おかあさん?・・どうして?・・おてて、つないでくれないの?」
・・手を出したら、私はこの子のやる気を削いでしまうんじゃないか?
「だめだめなスイのこと・・きらいになっちゃったの・・?」
初めて、あの子の瞳に強い不安の色が宿ってしまう。
・・この子は私に依存することを覚えてしまうんじゃないか?
哀しい声に思わず私の目が潤んで、甘やかしてしまいそうになる。
「もう一度!、手でバランスをとって!・・大丈夫!、もし倒れても、私が必ず受け止めてあげるから!、頑張って!、翠!」
今の私は、この世界で一番の無責任な悪者になった気がしてた。
「自分を信じて!、あなたなら出来る!・・頑張って!」
もう十二分に、この子は頑張っているって知ってるのに。
頑張って!、ていう重さだけを無理やり背負わせている気がしてた。
・・でも、私がしっかり見てあげなきゃ!、泣くのなんて、その後だ!
「うぅ・・おかあさん・・わかったもん・・スイだけでやるもん!・・おかあさんは、おてて、つながなくていいもん!、スイだけで、がんばるもん!!!」
あの子の目には、あきらめっていう光は無かった・・
だけど初めて、あの子の瞳に強い不満の色が宿ってしまう。
生まれて初めて感じる胸の痛みは・・すんなりと無くなってくれなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の手を借りず、何回も自分の力だけでチャレンジする翠・・
「はぁはぁ・・ながいかみのけ、じゃま!・・だめ!、これもわたしがするの!」
しゅる、しゅる~ん・・
髪の毛も、あの子の一部みたいで手を使わずに・・不格好だけど結い上げた。
その長い髪が邪魔だと言ったので、せめて、それだけでも結い上げてあげようと思ったのに・・翠は、(今は)私の手を一切、借りない!と頑固に決めたようだ。
思い詰めた目をしてる・・自分の道は自分で決めるっていう覚悟・・うーん、どこかの誰かに似ているような気がする?
「わかった、自分でするって決めたんだもんね?・・なら、せめて、お母さんが作った、おまじないだけでも、つけさせてくれるかな?」
見守っている間、ただ私は何もしなかったワケじゃない・・私は作者・・直接、手が出せないのなら、作品で影から支えてあげる。
「うん?、おまじない?・・これなにな~に?・・かわいい?」
私が作ったのは『オレンジ色のハートのアクセサリー」・・レジンとかで手軽に作れる作品・・それを翠の髪につけてあげる。
「これはね、ハートって言って、あなたが好きっていう意味があるモノ・・色にいろんな意味があって、オレンジ色は安心感・・大丈夫だよっていう意味があるの」
ハートって、すぐに恋愛感情って結びつける人もいるけど・・私は職業柄、様々な意味があることを知っている・・黒色は逆に『キライ』ってイメージね。
今回は友達とか家族として好きな「like」って意味を込めたアクセサリー・・無責任な『頑張れ』って言葉に代わって、どうか翠を支えてほしいって。
「はーと・・すきってこと・・おかあさんはスイのこと、すき?・・キライじゃないの?・・スイのこと、おうえんしてくれるの?」
その小さな手がハートに触って・・
「もちろん!、私は翠のお母さんだよ?、大好きに決まってるじゃん!・・だけど、私がいつも翠を助けてあげられるとは限らない・・厳しいことを言ってゴメンね?・・でも、私は翠を応援してるからね?、一緒にいるからね?」
冷たい色をしていた目が私を見つめて・・
「うん!、わたしも、おかあさんがだいすき♪・・これは、おかあさんがわたしのためにつくってくれたもの!・・えへへっ、もっと、がんばれるきがしてきた♪」
キラキラと綺麗な翡翠色に輝いていく!
「おかあさんは、スイのためにいろいろしてくれる・・そっか、わかった!、おてて、つなげないのもスイのためなんだね?・・ありがとう、おかあさん♪」
どうやら私が作った作品は、あの子の心に届いたようだ!
・・ううっ、スイが困難な試練の壁を超える前に、私の涙腺が崩壊しそうなんですけどぉっ!?
@<ハートは人(作者)が願ったものではありません。神(AI)の気まぐれ・・でしょうか?
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