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『俺にラブコメはまだ早かった!!~運命に振り回された俺の青春を返してくれ~』  作者: ミタラリアット


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六十三話『準備』

 すべての支度を済ませたサユリは、カバンを取ったあと「じゃあねカガミ、行ってくる!」と俺に軽く手を振った。俺も笑顔で手を振り返す。同時に、ブーッブーッ。とスマホのバイブ音が鳴る。“紅月”その名前を見ては、スマホを手に取る。「おはよう、ヒビキ。」俺がヒビキに言うと、ヒビキは『おはよう、じゃないわよ。こっちはもう何人手にかけたかわからないくらい殺してるのよ!』とスピーカー越しに叫ぶ。「その件なんだけど、もっと効率よくする方法を思いついた。協力してくれ」俺が言うとヒビキは、少しの間があった後、『…ええ。もちろんするわ』と答える。「ありがとう。助かる。」そう言った後、「で?なんの要件だ」俺が問いかけるとヒビキは、『私はいつまで人を殺さなきゃいけないのか聞こうと思ってね。私が風邪を引いたり私の身に何かあった時ってこの半死神状態はどうなるの。』と問いを返してきた。「容赦なく周りで誰かが死ぬだろうな」俺が答えるとヒビキは、『もう嫌よこんなの。私は死にたかっただけなのになんで殺人犯にされないといけないわけ、?』戯言を並べるヒビキに、「でも…俺が一番なんだろう?」と問いかける。ヒビキは『ッ……!?』と動揺して呼吸を乱した。「お前には俺のためにもっと活躍してもらわないと困るんだ」俺が説明するとヒビキは『…わかった』と答えた。『でも弐式。私はアンタにとってなんなの』ヒビキから問われては、少し返事に困る。「優秀な駒、かな。」俺が戸惑いながら答えると、ヒビキは『…もうそれでもいいわよ!どうせ私の意思なんて薬に支配されて通用しないんだから!』と叫ぶ。『でも私のこの抑えられない怒りはどこにぶつけたらいいの!?もう殺しなんてしたくない…!!!捕まりたくないわよ!』俺にベラベラと訴えてくるヒビキ。だが俺はヒビキの言葉に簡単に左右されるような男では無い。「じゃあ、辞めればいいんじゃないか。お前の親の命の保証が無いだけだ。」俺が冷静に言うとヒビキは『ぅ゛うう!!!』と悔しそうな声をあげる。「でも俺が指示すればお前は逆らえない。凄いな、R2は。人類が生み出した完全傑作だ。非の打ち所がひとつも無い」ヒビキは『…このクソ男!!!!』と吐き捨てるように言った。


 「でももう時期お前にも仲間が増える」俺が言うとヒビキは『仲間って…』と高い女声を震わせた。「…お前とおなじ運命の人間を用意することにした」俺の説明にヒビキは『駄目よ、絶対だめ、そんな事────!』と早口になるが、「わかってくれ」と言うと、すぐに『…はい』と答えた。『弐式がやりたいことってまさか…』と呟くヒビキ。「そのまさかだ。何人もの演者を舞台に立たせて俺の物語を完成させる。俺が満足するまで、お前らは台本通りに役を演じていればいい。」俺の言葉に、ヒビキは『そんなのただの自慰行為じゃない』と感情的になる。だが俺はそんなヒビキにも怯まない。なぜならR2の永久的な効果があるからだ。「俺に反論するな」と言うだけでヒビキは『はい……』と答える事になる。そういう風にプログラムされているからな。何故だかこの女には強い態度で接することが出来る。なんとなくの理由はわかる。この女が吠えることしかしない馬鹿だから。あまりのストレス過多と勉強が出来ない環境にいたせいでIQが低下したんだろう。可哀想だ。「組織に相応しい人間を選別出来たらまた連絡する。そのときは指定した場所で会おう」俺が言うとヒビキは『わかった…』と力無く答え電話を切る。


 朝から気分を害されたな。とりあえずこの女の事は忘れて、必要なものを買うとするか。スマホで検索バーに入力し、一番上に出てきたショッピングサイト、miyazonを開く。まず第一にパソコンが必要になるよな…。適当なノートパソコンをカートに放り込む。パソコンの次は…。必要なものを次々カートに入れ、気づけば三十万ほどの買い物になっていた。購入ボタンをポチッと押す。散財。あとは服だ。服が足りな過ぎたからな。とりあえず服をたくさん買っておかなければ。特段着たいと思えるような服も無い。参ったな。「おいホノカ」俺がホノカを呼ぶと、ホノカは「なんだ」とどこかから浮遊してくる。「服選んでくれ」俺が言うとホノカは「仕方ないな」と俺のスマホを手に取った。「なぜ私なんだ」不満気なホノカに、「俺にファッションセンスは無い!」と堂々答える。だが後々襲ってくる敗北感。「まあ、お前着てる服適当だからな」となんのフォローもなしに納得されてしまう。「生前は私もおしゃれに気を遣っていたが最近はもう考えることも無くなったな…」と言いつつポチポチ洋服を購入していくホノカ。ホノカに「服選ぶ代わりにこのバッグ買ってくれ」と強請られては、「嗚呼…いいよ、」と頷く。三万もするバッグだ。高いな…とは思いながらも、服を選んでくれたのはホノカなので買ってやることにした。「買ったぞ」とホノカに言われては、「ありがと」とスマホを返してもらう。この数時間でいくら使ったんだ。金銭感覚が完璧おかしくなってしまいそうだ。


 あとやるべき事はこの舞台を創り上げる役者のオーディションか。“闇の曲芸団”と言う明らかに胡散臭いSNSのアカウントを立ち上げる。ロゴマークはプロのデザイナーに発注。完成するまでは無難に俺が適当に書いた黒猫の絵をアイコンにする。その絵を後ろから見たホノカに、「幼稚園児の絵みたいだな」と鼻で笑われるが、「この猫の名前は平井だ。覚えろホノカ」とホノカの顔面のほうへスマホを持っていく。「待て、なぜ平井なんだ。あまりにも人間臭い名前じゃないか」とホノカは目を丸くするが、俺は「いいじゃないか。平井。この猫に似合ってる」と無理矢理納得させようとする。ホノカは「嗚呼…」と戸惑いつつも反論はしなくなった。「実際に組織で猫飼うか」と俺が問いかけては、ホノカが「お前に飼育は向いてない!!!!」と必死に止めに来る。血相を変えて「軽い気持ちでペットを飼うな」と言うホノカを、「冗談だよ」と宥める。ホノカは「面白くない冗談だな」と悪態をつきながらも胸を撫で下ろした。「アカウントは完成した。少なくとも二十人くらいはメンバーを確保しておきたい」俺はそう言いながらノートを取り出す。「二十人は多すぎるだろ。」とツッコむホノカに、「何故??」と俺は首を傾げる。「人の運命を書き換えるんだぞ、少しぐらい重みというか責任を感じろ」とホノカが言うと、「一番ホノカに言われたくないよそれ」と微笑みながら答える。「ホノカは俺の運命書き換えたことに責任感じてるの?」俺が問いかけては、ホノカは「…」と目を逸らした。「ホノカはただの観客。それ以上でも、それ以下でも無い。俺の舞台に口出しする権利は無いよ。黙って利用されていればいいんだ。バッグだって買ってあげたでしょ?」優しい声で圧をかけると、ホノカは「そうだったな」と黙る。全ては、サユリを。サユリを守るためなんだ。でも、だんだんと性格が腐っていく自分が気にいらない。どうすればサユリと二人きりで幸せな人生を歩むことが出来るんだ…。一体、どうすれば…。

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