表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『俺にラブコメはまだ早かった!!~運命に振り回された俺の青春を返してくれ~』  作者: ミタラリアット


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/63

五十三話『本当の効果はね…』

 目を覚ますとそこは檻の中だった。手足は繋がれていて動けない。どこから間違えただろうか。「ホノカ……」俺は静かにこの状況でも唯一頼れそうな女の名前を呼ぶ。「哀れだな、このまま裁かれるのか、カガミ」ホノカは俺を揶揄いながら周りを浮遊する。「いずれはこうなると思っていた。日本警察を甘く見てはいけない」ホノカはそう言うと、「助けが必要か?」とどこかから買ってきたであろうジュースを飲みながら俺の真上に座った。「幸い撮影と録音はされてないみたいだ。良かったなカガミ、存分話せるぞ」ホノカに言われては、「今は何月何日の何時何分だ」とまずは日付を確認する。「翌日の朝七時半だ。お前はあの後、睡眠薬を嗅がされて無防備な状態でここまで運ばれた。どうやらここは拘置所の中の一室、特別な罪人が入る独房だ。良かったな、カガミ。VIP待遇だぞ。」淡々と答えるホノカ。「これ、全部外してくれないか」俺が頼むとホノカは、「それは出来ない」と首を横に振って断る。拘束されるのは人生で初めてだ。それに知らない間に着替えさせられている。「……」どうやってこの場から脱出しよう。そればかりを繰り返し思考する。何か策は無いだろうか。ここで終わってしまうと俺は……。俺は……。何だか頭がぼーっとする。回らないと言うか。視界がボヤけるような……。ガチャ。静かに扉が開く。「カガミ……」父さんの声がした。「父さ……」俺は父さんの声に驚く。「現行犯……だったらしいな」父さんの深刻な表情に、俺の良心を抉られる。「……」俺は黙って目を逸らすしか出来ない。「いい加減白状したらどうなんだ!?!?」父さんの怒号に、俺は黙ることしか出来なかった。視界がグラグラして、父さんの悲しそうな顔を見るので精一杯だ。「違うんだ……違うんだよ……」俺は呟くが、父さんは「私の息子は正義感に満ちた優秀な自慢の息子だと思っていた」と切なげな声で語りかける。「いずれ私のように警察になり、国を守る人間になると思っていた。なのに殺人なんて、どうしたんだお前は、私の教育が間違っていたのか、私の何がいけなかった、答えてくれカガミ」父さんの言葉に、俺は罪悪感で胸が苦しくなる。「……しばらくそうしていろ。お前は逃げられない。法から逃れる事は出来ない」父さんはそう言うと、「お前の管理人を堂上に決めた。暫くは堂上の元で監視されていろ。お前の知っている事、全部吐いてもらうまでこのままだ」と俺に伝え背中を向ける。「父さん!!!」俺は背中を向けた父さんに叫ぶ。「俺は無実だ!!」俺の訴えを聞いた父さんは少し俯きながら、「そうであって欲しかった」と答え扉を開けた。


 入れ替わるように堂上がやってくる。「今日から君の食事、入浴、娯楽、排泄。全てを担当します。よろしくね、カガミくん。十五分に一回部屋に来ます」堂上は説明すると、「いま朝食を持ってきます」と堂上は部屋から出て行った。「ホノカ、学校の様子を見に行ってくれないか」俺が言うとホノカは、「わかった」と鉄格子の部屋の中から出ていった。食事を持ってくる堂上。「全部管理だなんて、俺のプライドを踏みにじる気ですか……」堂上を睨むと、堂上は「プライド???そんなの殺人犯相手に配慮するはずないじゃないか、面白いことを言うんだね君は」と優しい顔で微笑む。「……殺しなんて絶対に許されない。僕は君みたいな悪者を裁くためにいるんだ」堂上の鋭い視線と、"悪者"と言う言葉が脳に重たく残る。「俺は悪者なんかじゃ……!!!」俺が叫ぶと堂上は、「食えよ、雄豚」と俺の口に無理矢理食事を流し込んでくる。「ッぐ……」与えられた食事を食べながら堂上を見上げる。こんなの……拷問だ。全部の食事を流し込まれては、「ぅ゛ぅ……」と俺は呻き声を上げる。美味しさの欠片も無い食事だ。「火神くん」先程、"雄豚"なんて単語が出た喉とは思えないほど優しい声で、「本当のことを言ってくれたら減刑だって出来るんだ、ちゃんと言ってよ」と問い詰められる。「黙秘権だってあります」下を向きながら俺が言うと、堂上は赤い液体を俺に見せつける。


「ッ……!!?」それはかつて俺がヒビキに打ったのと同じものだった。「RottenApple……」俺が呟くと、「そう。腐ったリンゴ。通称R2。まるで君の髪のように真っ赤な液体だよね。これを君に投与したらどうなるか」と説明しながら俺を見つめる堂上。「過ちを忘れ快楽に……」俺が言うと堂上は、「ううん」と首を横に振る。「それは表面上の効果」俺はその説明に、「!?」と目を見開く。「この薬の本当の効果はね、"打った人の命令は何でも受け入れるようになる事"。君にとってかなり都合のいい薬だよね。それとも、元々知っていたのかい???」堂上は笑うと、注射器の中に液体を入れる。「辞め……て……」俺は首を横に振るが、堂上は、「一生僕の言う事を聞いて欲しい」と勝利を確信したようにほくそ笑む。


 逃げなきゃ─────!!! 俺は逃走しようと手枷と足枷を動かす。だが外れるはずはない。堂上は「逃げられると思った???」と俺を冷ややかな目で見下す。「逃がさないよ、本当の正義の前では悪意は必ず敗北する」堂上はそう言うと、俺の隣に座った。「ごめんね?火神くん」R2を俺の首に投与する堂上。「ぃやッ!」俺は首を避け逃げようとするが、全ての液体はあっという間に俺の体内に入ってしまった。途端、ドクンッと心臓が跳ね上がるような感覚に襲われる。じんわり身体が熱くなるのを感じた。 「ぅ゛……♡」視界がぐわんぐわんと揺れて、頭が真っ白になる。意識が飛びそうなほど、気持ちがいい。笑みを浮かべる堂上に、なんだか興奮さえ覚えて……。「火神くん、僕の言う事、ちゃんと聞ける?」俺の頭を優しく撫でる大きな手に甘い声色。「全部、教えて欲しいな?」堂上に言われては、もう自分の意思なんてない俺は、「うん……」と小さく頷いた。俺はいま、一体どんな顔をしてるだろうか……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
カガミ君、拷問されちゃった( *´艸`)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ