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『俺にラブコメはまだ早かった!!~運命に振り回された俺の青春を返してくれ~』  作者: ミタラリアット


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三十六話『否定』

 別日。ヒビキから急に呼び出された俺は、日比谷公園に向かう。「何の用だ」ヒビキと顔を合わせるや否や、ヒビキは俺の頬をビンタしてきた。「!?」俺は反射的にヒビキを睨みつける。「この一週間だけでクラスメイトが謎の連続死してるんだけどどういうこと!?うちの生徒ばかりが死ぬのはおかしいって全校集会が開かれるし、もう散々よ!!!私の周りばっかで人が死ぬ!!!!親戚のおじさんだって心臓麻痺の突然死で……!!!全部この一週間で起きた事よ!!!この間だって目の前で……!!」怒鳴り声をあげるヒビキに、「なんだ、そんな事で俺を呼んだのか」と呆れる。「そんな事!?!?今すぐここで警察を呼び出してアンタを逮捕してやる!!絶対逃げないで!!!!」ヒビキはスマホを取り出す。「物的証拠が無ければ警察は動かない。ヒビキが迷惑者ってことになるよ」ヒビキのスマホを取り上げ、優しい声で制する。「この人殺し。電波塔の件だってアンタが仕組んだんでしょ!?」と俺を問い詰める。「快楽殺人犯、性根が腐りきったアンタなんて一生更生出来ないでしょうね」腕と脚を組んでその場に座るヒビキ。俺は、はぁ、とため息をつく。


「ヒビキもいずれそうなるんだぞ」俺が言うとヒビキは、「イヤに決まってるでしょ!!!!!!!」とアレルギー反応を起こすように拒否する。こいつはサユリみたいに上手くいかないな。悩んだ末に俺はある作戦を思いつく。そうか。それが一番いい。「ヒビキ。」俺がヒビキの名を呼ぶと、ヒビキは「なに」と心底不機嫌そうな顔で俺を見つめる。「一生周りの人間が死ぬ運命でいいなら、俺はヒビキを解放するよ。生憎、俺の言うことを聞かない人間に構ってるほど俺も暇じゃない」冷たい言葉をかけるとヒビキは、「……」と黙り込む。「次死ぬ対象はヒビキの母さんかもしれないよ」俺が言うと、ヒビキは「な……」と言葉を詰まらせる。俺がホノカに言われた時と、同じ口調で、今度はヒビキをこの残酷なまでに美しい運命へ招き入れる。「それだけは……」ヒビキはたじろぐ。「? 介護で疲れてるのに、その当人である母さんが死ぬのは嫌なのか?」俺が問うとヒビキは「イヤッ………!!! 他の誰が死んだってもう私の人生にはあまり関係ないけど、ママが死ぬのだけは………」と両手で頭を抱えながら首を横に振る。


「……」俺はそんなヒビキを見下ろす。「ホノカ」俺がホノカの名前を呼ぶと、ホノカは浮遊状態でどこかからやってきて、二足で地上に降り立つ。「ヒビキ、東都電波塔以来だな」ホノカは笑いながら再びヒビキの前に現れる。ヒビキは、「し、死神……」とホノカを見ながら言う。「あの時、お前が逃げ出したせいで説明しきれなかったことを言う。お前は今、半死神状態だ。半死神状態である以上、私が運命を再度書き換えない限り、お前は"不死身"となっている」ホノカの説明に、ヒビキは「じゃあ……自殺も……出来ないってこと???」声を震わせる。「そうだ。お前もこれでわかっただろう? 人を殺し続け無いと周りの人間が死に続ける事が。カガミも言った通り、次は本当にお前の母親かもしれない」ヒビキを試すような視線を向ける。「殺すか?? 殺さないか??? どうする」ホノカの問いに「私は……、殺さないわ!!!! 絶対に、何があろうと、」と答えるヒビキ。


「そうか。なら仕方がない」先を全て見透かしたホノカは、ヒビキに冷たく言い放つ。「だが、これから何かあった時の為だ。お前にいいものをやろう。これを物的証拠として警察に持ち出したりするな。そうなればお前は真っ先に地獄で裁かれる事になる。」ホノカの言葉に、ゴクリと息を飲むヒビキ。「何よ……」ヒビキはホノカを睨みつける。ホノカは、「威勢がいいのは大概だが、あまり強迫観念に駆られるとカガミと同じ道を歩むことになるぞ」とヒビキに忠告し、丁度ヒビキの髪色ぐらい濃い赤色の拳銃をヒビキに手渡す。「は?」俺は見たことない道具に、目を丸くする。「誰でも一撃で仕留められる拳銃だ。これは地獄の道具。あまり第三者が見えるところで出すなよ」ホノカの説明に、俺は「……なんで俺よりいいものを……!!!」とホノカに怒るが、ホノカは「適材適所だ」と冷静に言う。ヒビキは、「……ほ……本物の銃」と怯えながらそれに触れる。


「お前にとってその銃は守るための銃か? それとも、自分を殺すための銃か?」ホノカの問いにヒビキは、「私は誰も殺さない、この銃は手段の銃よ!! 本当に必要な時が来るまで、誰が死んでも絶対に使わないんだから!!!!!」と真剣な表情で答える。「なあヒビキ」ホノカは笑いながらヒビキの名前を呼ぶ。ヒビキは、「なによ」とホノカに冷たい態度を取る。「この男も最初は誰も殺さないと誓っていたぞ」ホノカの言葉に、ヒビキは目を疑う。「うそつき!!!!! そんなの嘘よ!!!!!!! この汚い目をした、血塗られた男が正義を語ってたなんて!!!! このドブみたいな倫理観の男が私と同じことを考えるはずも無いわ!!!!」ありとあらゆる言葉で俺を否定するヒビキ。「ド、ドブ!!????」俺は突拍子も無くヒビキの口から飛び出した言葉につい驚きの声を上げてしまう。「私はアンタみたいにならない!!!!!」俺を指差しながら叫ぶヒビキ。俺は、この女を"馬鹿だ"と認識する。ろくに社会勉強も出来てない、どこまでも感情的で声だけがやたらとデカく存在しない"純粋な正義"を信じ込む人種。俺が一番苦手なタイプの生物だ。まあいいさ。いずれこの女も、俺に敗北を覚えることになる。

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