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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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優しい春が去ってゆく

詩のような作品です。

もうすぐ春が来るわね

あなたと出会ったのも春だった

穏やかな季節に

巡り会ったわたしたち

二人の時間は

晴れの日も雨の日も穏やかそのもので

婚約も交わして

未来を誓い合った

優しい季節を告げる風が

きっと幸せを運んできてくれると

そう信じていたあの頃

わたしは幸せだった

そう

確かに

わたしは幸せの中にいた

砂利道を歩く音

足裏と地面の摩擦

それすらも

女神がそっと抱き寄せてくれているかのように

頬をすり寄せたいくらい

幸せのただなかにあった

いつまでもそんな風でいられたら

きっと一生

後悔も苦痛もないでしょう

そう思っていたから

あなたといつまでも一緒にいたかったの

愛しているあなた

愛しすぎるあなた

ねぇもうずっとこうしていましょう

そんな風に言いたいくらい

好きだった

愛しかった

そして

あなたを愛していたの


でも……


二人の道には終わりがあって

崖がやって来て

手を取り合って飛び下りられるほど

わたしたちの絆は

確かなものではなかった


優しい春が去ってゆく


ありがとう


でも


さようなら


優しい春が去ってゆく


もうすぐお別れなのね

そんな風に気づいて


涙が溢れて

何も見えない


もう何も


ああ


遠ざかってゆく


優しい春が去ってゆく


ありがとう


でも


さようなら


優しい春が去ってゆく

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