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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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心が折れそうだった時、貴方に出会いました。~たくさんの幸せを本当にありがとう~

「ロイ、ちょっといい?」

「どうしたんだいミリーナ」


 私ミリーナは先日男性ロイと結婚した。


「クッキーを焼きたいのだけれど」

「そうなんだ」

「焼いたら食べてみてくれる?」

「えっと、それって味見?」

「ええ」

「そういうことなら任せてよ、食べる食べる」

「ありがとう!」


 今は幸福の頂点にいる。


 ……いや、頂点、と言ってしまうのは良くないか。


 だが実際今は幸福の中に在るのだ。

 けれどもずっとそんな風に笑顔で生きてきたわけではない。


「じゃ、焼けたらまた持ってくるわね」

「うん」


 私はかつて辛い経験をした。

 それは突然の婚約破棄という経験である。


 当時の婚約者であった男性は突然婚約破棄を言いわたしてきた――しかも心ない言葉まで付け加えて。


 それで当時の私は心をボロボロにされてしまった。


 一度は死のうかと思ったほどだった。

 良いことではないけれど。

 ただその時の私は追い詰まっていたためそういう発想しかできない状態になってしまっていたのだ。


 けれどもそんな時にロイに出会って、そこから人生が動き出した。


「できたわ! クッキー」

「作り立てみたいだね、とても良い香りがしているよ」

「そうよ! 出来立てほやほや! ……じゃあ早速味見してくれる?」

「いいのかな」

「もちろん」

「贅沢だな、手作りクッキーなんて」

「食べてみてほしいの」

「じゃあいただきます」


 で、今、私はこうして笑顔で生きられている。


 ロイには感謝しても感謝してもし足りない。


 そういえば元婚約者の彼はあの後一年ほど経った頃に落命したそうだ。

 何でも恋人の女性と喧嘩になり凶暴そうな男性の仲間を多数呼ばれてしまい大勢に暴力的な罰を与えられてしまって……、ということらしい。



◆終わり◆

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