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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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庭でにんにくを摘んでいただけなのに……婚約破棄されました!?

 庭でにんにくを摘んでいたら。


「お前なんか臭いな」


 急に現れた婚約者ロナートにそんなことを言われ。


「生理的に無理だわ。婚約、破棄な」


 さらには驚くべきことまで告げられてしまった。


 婚約破棄?

 にんにくを摘んでいただけで?


 ……いや、もしかしたらそうではないのかもしれない。


 彼は以前から私との関係を終わりにしたかったのだろう。だが理由がなかった。それで理由として使える何かを探していたのかもしれない。で、今日それがようやく見つかって。それで、今、関係の終わりを告げてきたのかもしれない。


「永遠にさよならな」


 それが、彼が私にかけた、最期の言葉となった。


 ――というのも、翌日、ロナートはこの世を去ったのである。


 ロナートは夕方家の近くを散歩していたそうなのだが、一人で歩いていたところ幽霊とにんにくが融合して生まれた魔物の群れに襲撃され、全身ににんにくを植え付けられて死亡したのだそうだ。


 その亡骸はとんでもなく酷い状態となっていたらしい。


 だが可哀想ではないのだ。


 彼は他人を平気で傷つける人。

 ゆえに綺麗でない終わりを迎えることとなったのだろう。


 やはりもしかしたら神様というのは存在するのかもしれない。


 良いことをした者は良い人生を。

 無難に生きている者には無難な人生を。


 そして、悪しきことをした者には罰を。


 ……もしかしたらそういうものなのかもしれない。


 悪い輩ほど長生きする、なんて話もあるものではあるけれど、それもまた罰なのかもしれない――なんて、今は少し思う。


 悪しき者だけが幸福に長生きできる、なんてことは、さすがにないだろう。


 そんな世界ならあまりにも理不尽過ぎる。


 ――なにはともあれ、ロナートに天罰が下って良かった。


 にんにくを摘んでいるだけの人に心ない言葉を投げつけたうえ一方的に婚約を破棄してくるような人には幸せな明日などない方がいい。



◆終わり◆

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