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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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わたし呪文を唱えたいの

詩のような作品です。

あのね

わたし呪文を唱えたいの


それはね

あなたへの感情を贈りたいから


そうよ

あの時わたしの心は壊れたの


だってそういうものでしょう

あなたが壊したのだもの

一度破壊されてしまった心というのは

時が流れても修復されない


だからね

わたし呪文を唱えたいの


それは簡単な魔法

それは純粋な魔法

理不尽に切り捨てて

身勝手に傷つけた

そんなあなたに贈るのは

言葉では足りないの


あのね

わたし呪文を唱えたいの


それはね

あなたへの感情を贈りたいから


そうよ

あの時わたしは終わったの


だからこれはもう何か分からない

そうよこれはわたしのようでわたしでない

その事実を知る者はいないけれど

その事実を誰かが知る日は来ないけれど


わたしはもう


機械仕掛けの人間


人に似ているの

人のようなのに


どうしても

足掻いても

人にはなれないの


……なんてね?


あのね

わたし呪文を唱えたいの


それはね

あなたへの感情を贈りたいから


そうよ

あの時わたしの心は壊れたの

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