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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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「ずっと一緒に笑い合っていような!」そう言ってくれた彼を信じていたのですが……?

「ずっと一緒に笑い合っていような!」

「ええ、そうね。私たちならずっと仲良しでいられるわ。きっと。そう信じてる」


 私レイラと幼馴染みの彼ロージンは婚約した。


 それは親からの影響もあった。

 お互いの両親が私たち二人をくっつけようとしていたのだ。


 でも、嫌々婚約したわけではない。


 仲良しだったから。共に歩めると信じていた。私はそう思っていたし、彼も同意していた。私たちは幼馴染み、だからこそ互いのことをよく知っている。ゆえに良い未来は確約されている――はずだったのだ。


 だが。


「ロージン……これは一体何なの?」


 ある日、私は、ばったり遭遇してしまった。


 ――彼が知らない女性と二人でいちゃつきつつ一緒にいるところに。


「なっ……レイラ、どうしてここに」


 私の顔を見てロージンは青ざめる。


 彼の隣の女性は戸惑ったような顔をしていた。


「どうして、って、聞きたいのは私よ。貴方一体何してるの? 婚約者がいる身で女性と街を歩いているなんて」


 なるべく冷静に対応するよう心がけるが。


「ち、違うんだ!」

「何?」

「誤解だよ! これは浮気じゃない!」


 それでも苛立ってしまう部分はあって。


「私まだ浮気だなんて言っていないけれど?」

「あっ……」


 けれども極力怒っているところを見せないようには努力した。


「まぁいいわ。いずれにせよ、私たちもう無理ね。終わりにしましょう」


 ――こうして私たちの関係は終わった。



 ◆



 あの後ロージンと女性は慰謝料支払いの件で揉めることとなり、あっという間に破局したそうだ。


 二人の関係は非常に浅いものだったようだ。


 女性はその後すぐ別の男性のもとへ行ったらしい。

 一方でロージンは私のこともその女性のことも忘れられず、一人ぼっちになったことで心を病み、体調を崩していったそう。


 ロージンは今、一日中寝込んでいるような状態だそうだ。


 ……でも可哀想だとは思わない。


 だって、すべての原因は彼にあるのだから。


 彼が浮気しなければこんなことにはならなかった。今も一緒にいただろうし、きっと明日も明後日も共に歩めていたはずだ。


 その未来を壊したのは外の誰でもない彼自身。


 だから彼は孤独に苦しむこととなっても自業自得なのである。


 ちなみに私はというと、先日、ちょうど良き縁談が舞い込んできたところだ。


 私はもう過去には縛られない。

 起こったことは変えられないが未来はどうにでも変えられるのだ。


 だから前向きに生きてゆく。



◆終わり◆

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