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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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その日、婚約者とお出掛けする約束だったのに、彼は来ませんでした。

 その日はよく晴れた日だった。


 婚約者オーレンとお出掛けする約束だったのに、待ち合わせ場所に彼は来なくて、仕方がないから帰宅することにしたのだが――その途中で、見知らぬ女性とキスをする彼の姿を目撃してしまう。


「オーレン……何をして……」

「げっ」


 声をかけたら、彼は気まずそうな顔をした。


 なぜそんなことをしているの?

 なぜそんな馬鹿げたことができるの?


 まったくもって理解できない。


「うげげ、お前が通るなんて」

「何をしているのか説明してください」


 すると彼は。


「しーらんぺっ」


 そんなことを言って走って逃げる。


 ――が、交差点のところで馬車とぶつかり、撥ねられた。


 そうしてオーレンはこの世を去った。


「えええー……」


 私はそれだけしか発することができなかった。


 なんにせよオーレンとは終わりだ。

 なんせ彼はもうこの世にはいないのだから。


 こんなお別れになるとは思っていなかったけれど……。



 ◆



 ――数年後。


「今日の朝食はエビフライエッグよ!」

「え、本当に!?」

「そうなの。美味しそうでしょう? 早く目が覚めたから作ってみたの」

「キター!!」


 私はあの後金持ちの家の出の青年ルリーフと結婚した。


 彼はちょっぴり子どもっぽいところのある人。


 でも悪人ではない。

 むしろ逆。

 善人だと個人的にはそう思う。


 無邪気さにいつも魅了されている。一緒にいると楽しいし。



◆終わり◆

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