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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 4 (2024.1~12)  作者: 四季


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面倒臭い母、消えてほしいと願っていたのですが……これはまさかの、奇跡!?

 母は娘である私を良く思っていない。


 機嫌が良い時だけはそこそこ親切ではあるのだが、少しでも機嫌が悪くなると当たり散らし毒を吐いてくる。

 また、髪が若干乱れていれば「乞食みたい」などと侮辱してくるし、僅かにでも意見がすれ違えば「非人道的ね」などと悪意を持った言葉を投げつけてくるのだ。


 そんな母と共に過ごすのはかなり大変で、日々ストレスまみれだった。


「なによアンタその目つき! 生意気よ! 娘のくせに、ふざけないでっ。睨むな!」

「……睨んでいません」

「ふざけるなクソ女! 生んでもらっておいて生意気な態度をとるな! アンタは下! なの! 分かっている? 大人しく母に従いなさいっ」


 彼女と共に過ごす日々、それはまさに地獄そのものである。


 ……だが、そんな暗い日常にも、やがて終わりが訪れることとなる。


 母の浮気が父にばれたのだ。

 それによって母は父から離婚を言い渡されることとなる。


 明確にやらかしていて、それでも被害者面していた母は、そんな時に限って私を頼り「アンタは味方よね!?」とか言って縋りついてきた。


 ……もう付き合うつもりはない。


 だから私は母を突き放した。


「私、母さんの味方じゃないわ」


 当然だろう。

 これまでずっと酷いことばかり言われてきたのだ。


「都合のいい時だけすり寄ってこないで」


 その後家から追い出された母は、浮気相手のところへ行くも「生活の面倒までみる気はない、そもそも遊びだし」と同棲することを拒まれ、行き場をなくしたようだった。


 で、やがて、路上で凍死したそうだ。


 でも可哀想なんて少しも思わない。

 だって彼女は私をずっと傷つけてきた人だから。



 ◆



 あれから数年、私は、高貴な家柄の男性と結婚した。


 母がいたらきっとまたややこしいことになっていただろう。だからこそ、母がいなくなっていて良かった、と心から思う。


 私が幸せに生きるために最も不要なのは母という存在だったのだ。



◆終わり◆

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