174.他国の店
バザーの商品は昨日見たので今度は普通の店舗を回ってみることにする。様々な店がたちならんでいるため時間はかかりそうだが楽しそうだ。
「すごい種類のお店ですね。うちの商品もいつの日かおいていただけたら面白くなりそうです」
「そうだな。だけど、あっという間にうちが市場を支配しちゃうかもな」
派閥争いがあるため実際はそうはならないだろうと思いつつもそんな軽口を叩きながら、近くの店に入ってみると、香辛料だろうか? 様々な香りが鼻を刺激する。
「いらっしゃい。うちは遠方から魚や肉を取り寄せているんだ。色々な地方の食材を楽しめるよ」
「へー、魚はわかるが、肉も場所によってそんなに違うのか?」
「ああ、そうだよ。家畜にあげる餌とかで味が変わるのさ。例えばリンゴばかりたべているとちょっと香りがフルーティーになったりね」
「ですが、これだけ香辛料をつかっていればリンゴの香りはわからなくなってしまうのでは?」
並べられているお肉の匂いを嗅ぎながらガラテアは首をかしげる。
「ああ、そうなんだよ。あっちで食べたときには感動したんだけどねぇ……とはいってもまさか生きたまま持っていくわけにはいかないしねぇ……」
「魔法使いに頼めばいけるかもしれないが、まあ、コストがあわないよな」
ならばそこらへんにヒントがあるのではないだろうか? 簡単な冷蔵庫は作っているが長期的に運ぶとなればまた色々と問題がおきそうだ。
だが一考の余地はある気がする。
「それで、お兄ちゃん。なんか買っていってくれないのかい? いまならサービスしておくよ」
「ああ、悪い。じゃあ、せっかくだ。リンゴの香りのある豚串を二つもらおうかな」
「まいどありーー!!」
色々と教えてくれた俺に二本買ってそのうちの一本をガラテアに渡す。香辛料のせいかリンゴの香りは消えてしまっているな……
だが、品質は良いのだろう。肉自体の旨味と香辛料がお互いの旨味を補強しあっている。
「マスター、ありがとうございます。私にまで……」
「遠慮するなって。今度うちでもこの味をさいげんしてもらうんだからな」
「うふふ、お仕事が増えてしまいましたね。任せてください。ノエルと研究しますよ」
そのあとも二人で色々と街をまわる。平民でも入れる塾や、無料で公開している庭園など、他の街では見れない色々な設備があり、それを『世界図書館』で調べるたびに、ソウズィの世界にあったことを流用しているようだ。
彼女たちは発明できないなりにこの国を豊かに、そして、ソウズィの知識を継いできたのだろう。まあ、負けるつもりはないが。
「あとは……ここもみたいが、顔が割れているからなぁ……」
目の前にあるのはガラテア(人)が経営している商会である。まあ、どんなふうになっているかはむっちゃ気になるが、ばれたら追い出されるか、ガラテア(人)にウザがらみされると思う。
「マスター……ならば私によいアイデアがあります」
「本当か?」
彼女の笑みに不安をおぼえるのだった。
ガラテアの名案とは何なのか? お楽しみに




