96.ルビーとエドワード
簡単なあらすじ。
ドゥエルを救ったグレイスを襲ったのは留守にしていた時にたまっていた圧倒的な仕事だった。そんななかやってきたエドワードさんから『商業連合』に気をつけろとアドバイスをもらうグレイスだった。
「なっ……このお方がドワーフの姫君なのですか?」
「ん? 私がルビーだぞ。そんなことより早く食べた方がいいぞー。フライドポテトは揚げたてが一番おいしいんだぞー」
思わず驚きの声をあげているエドワードさんを気にせず、マイペースに食事をすすめるルビー。まあ、一国のお姫様がこんなところで売り子をしているとは普通は思わないだろう。
とはいえさすがは百戦錬磨の商人である。即座に営業スマイルを浮かべるエドワードさん。
「は、いただきます!! 申し訳ないのですが、落ち着いたらで良いので正式にご挨拶させていただく機会をいただくことは可能でしょうか?」
「うーん……」
ルビーが一瞬悩んでこちらを見つめる。彼が信用できるか俺に問うているのだろう。
その答えは……もちろんイエスだ。ドゥエルと商売するのに彼ほど最適な人間はいないだろう。ぼったくったりなどはしないことを俺は知っているからな。
「ああ、エドワードさんならば大丈夫だ。アスガルドがここまで発展するのもこの人との出会いがなければまずむりだっただろう」
「グレイス様……ほめすぎですよ。あなたの発明品が素晴らしかったからこそ私は手を組むことを決めたのです」
「……」
なんかそんなふうに言われると照れちゃうな……そう思っているとルビーが無言で俺とエドワードさんを見つめていた。
そして、小さく深呼吸をすると、フライドポテトを揚げる手を止めてこちらの方にでてきて、笑顔を浮かべる。
「グレイス様がそこまで信頼される方ならば問題ありませんね。エドワード様、後日私の屋敷にいらしてください。我らドワーフのおもてなしを受けてくださるとうれしいです」
「おお、本当ですか!! ありがとうございます。グレイス様、このご恩は忘れませんぞ」
「は……?」
片足を後ろに引き膝を曲げて挨拶するルビー。その所作はとても洗礼されており、そこらの貴族令嬢よりもはるかにきれいだった。
というかルビーって普通にしゃべれるのか?
「カインがなー。礼儀作法とか教えてくれたんだぞ。いつか人と交流するときに絶対役に立つって。だから私はがんばったんだぞー」
驚いている俺にルビーが得意げに……そしてちょっと寂しそうに笑いながら耳元でささやく。
カイルの奴……本当にルビーのことは大事に思っていたんだな……
ちょっと胸がずきりとしてしまうがいつまでも着にはしてられない。
「よかったらグレイス様も来てください。ドワーフであるがゆえに不慣れなため、あなたがいた方が私と新しい友人の話し合いもスムーズに進むと思いますので」
「ああ、任せてくれ。俺としても二人が仲良くなるのはうれしいからな」
「ありがとうございます。グレイス様。このエドワード一生ついていきます」
珍しくテンションがあがっているエドワードさんを見て俺は思う。このままいけばアスガルドだけじゃない。この国の文明のレベルのもっと上がるんじゃないかって……そうすれば親父たちのやり方に疑問をもっと持ってくれる人だって増えるだろう。
そして、俺はエドワードさんと別れて屋敷に戻った俺はノアとガラテアを呼び出した。
「二人とも忙しいところすまないな……」
「いいえ、マスターのお役に立てるならば光栄です」
「そうですよ!! それに久々にガラテアさんと一緒に入れて幸せですーーー!! ああ、仕事のストレスがふっとびます」
若干目にクマがあるノアがガラテアに抱き着くと、彼女の疲労をわかっているからかあっさりと受け入れている。
まあ、頑張っているしいいか。
「二人は『商業連合』のことはどれくれいまで知っているんだ?」
「あーー、アスガルドではあまり広まっていませんが他国ではすごいですね。商業ギルドの中でもかなり上位のグループですよ」
「……なるほど……ついに彼らがここに目を付けたということですね、アスガルドを守ることをしなかったくせに……」
そう言ったガラテアの瞳はかつてないほど冷たかった。
久々の投稿になってしまい申し訳ありません。
おちついたのでまたよろしくお願いします。




